ヴァイオリン(その1)
上の写真は、ヴァイオリンを真横に切って、中の構造を見えるようにした特別なモデルを撮影したものです。画面の手前側が、あごに挟むところで、向こう側に左手を伸ばします。右手の弓は駒の上を左右に動きます。
ヴァイオリンの音が出る仕組み
こんどは横から見てみましょう。正面から見るとバスバーも魂柱も同じような大きさにみえましたが、横から見るとずいぶんと違うことがわかります。
魂柱は「魂」だけあって最も大切なパーツで、表板(スプルース材)と裏板(メイプル材)の間に挟まれ、表板の振動を裏板に伝える役割があります。音の調整のために動かすことも多く、そのために接着はされません。
バスバーは力木ともいわれ、駒から伝わる弦の振動を表板全体に十分に伝えること、そして楽器自体の強度を高める働きがあります。300年前には、それほど長くなかったバスバーが、写真のようにフルサイズモデルで27cmあるのは、コンサートホールなど大きな会場で十分な音が出るように改良された結果です。4番線(G線)に沿うように表板に接着されています。
ヴァイオリンは松脂が塗られた弓の毛と弦の摩擦で音が発生します。 お皿を指でこするとキュッキュッとなるのと原理は同じです。音の大きさや音色は、右手による適度な圧力と速さで変わってきます。そして、弓の毛と弦の摩擦による最初の音が、ヴァイオリンのいろいろなパーツの振動となり、それが空気の振動となって、遠くに届く音になるのです。
ところで、その音が美しい音かどうか、これは右手のテクニック次第です。 毎日の練習でヴァイオリンに素晴らしい振動を与えてください。あとはヴァイオリンがよく鳴ってくれることでしょう。
ヴァイオリン製作にはいろいろな仕事があります。

表板、裏板を金型にあわせる形で削り出すのに約40分。独特な膨らみをこの段階で機械で削り、後は手作業になります。
側板も機械で独特なカーブを作っていきます。分数楽器もそれぞれの金型にあわせることで、正確に作ることができます。
今年創業118年になるという鈴木バイオリン製造株式会社。第一次世界大戦の頃には、世界最大のヴァイオリン工場でした。
スクロールの部分は作り手の技術がよくでるところ。鈴木バイオリンではイタリア式、ドイツ式の彫り方を使い分けています。
手で指定の厚さまで削り出した後、「グラドニ法」という方式で音響特性を調べます。音を当てると細粉がきれいに整列していきます。
50年近く勤める谷口昭夫工場長がヴァイオリン製作の面白さを案内してくださいました。


