ごあいさつ

会長 中嶋 嶺雄ごあいさつ

中嶋 嶺雄

才能教育運動の創始者であり唱道者でもあった鈴木鎮一先生は、「人類は、ことばと文字という文化を創造すると同時に、音楽というすばらしい文化をつくりました。それは、ことばや文字を超えた生命のことば――神秘ともいうべき生きた芸術です。そこに音楽の与える感動があるのです」と語っています。(鈴木鎮一著『愛に生きる――才能は生まれつきではない』、講談社現代新書)


私も音楽こそ総合芸術だと考える者ですが、幼児期にバッハやモーツァルト、ベートーヴェンやブラームスのような偉大な天才の音楽に接して才能を育むことができるなら、豊かな感性と情操を身につけた人間として、生涯の糧になるものと信じます。

音楽を通じた幼児教育は、幼児期からの外国語教育、とくに英語の早期教育とも大きなつながりがあり、このことは最近の脳科学の発達によっても証明されつつあります。まさにスズキ・メソードの先見性が教育の現場にも反映しつつあるといってよいでしょう。

戦後日本の懸案であった教育基本法は去る2006年12月に約60年ぶりに改正されましたが、その第11条には「幼児期の教育は、生涯にわたる人格形成の基礎を培う重要なものである」と明記されました。さらに政府の教育再生会議はその最終報告(2008年1月)でも「幼児教育の重視」を強く訴えています。

このような時期に、鈴木鎮一先生が後継者として選ばれた国際的芸術家・豊田耕兒先生の後を受けて私が社団法人才能教育研究会会長の任を負うこととなりましたが、才能教育がスズキ・メソードとして世界に広まっているだけに、ではそのメソード(方法)とは何かを日々探求しつつ、これからのグローバル化の時代にふさわしい幼児教育の新しい地平を求めてゆきたいと思っています。

豊かな教養を身につけた人材を育むことこそ、私たちの使命であり、義務であります。どうか一人でも多くの子どもさんたちがスズキ・メソードで立派に育たれることを期待し、願っております。

中嶋 嶺雄 紹介

国際社会学者、国際教養大学理事長・学長。1936年長野県松本市生まれ。
1947年松本音楽院(鈴木鎮一教室)入学。1965年東京大学大学院社会学研究科修了。東京大学社会学博士。東京外国語大学長、国立大学協会副会長、アジア太平洋大学交流機構(UMAP)国際事務総長、財団法人大学セミナー・ハウス理事長、文部科学省中央教育審議会委員(大学院部会長・外国語専門部会主査)、内閣教育再生会議有識者委員、オーストラリア国立大学、パリ政治学院、カリフォルニア大学サンディエゴ校大学院の客員教授などを歴任。
平成15年度「正論大賞」受賞。『現代中国論』(青木書店、1964年)、『北京烈烈』(筑摩書房、1981年<サントリー学芸賞受賞>)、『国際関係論』(中公新書、1992年)、『21世紀の大学』(論創社、2004年)など著書多数。

芸術監督 豊田 耕兒ごあいさつ

豊田 耕兒

スズキ・メソードは、故鈴木鎮一先生の人間愛に基づく、崇高な思想から始まりました。次の世代を担う子どもたちを、心ある優れた人間性の持ち主に育てたいというこの思想は、21世紀になり、ようやくその大切さが気づかれるようになってきています。

人間の五感、すなわち「見る」「聴く」「味わう」「嗅ぐ」「触る」の中で、一番最初に発達するのが、母親の胎内で、妊娠30週から40週にできあがる「聴く=耳」だと聞いています。


したがって、オギャーと産声をあげた時から、音というメディアを通して、幼い子どもたちに、「心」をたっぷり含んだバッハやモーツァルト、ベートーヴェンなどの偉大な音楽家の音楽を聴かせて、高い感性や高貴な人間性を植え付けたいというのが、この教育法の信条であり、願いでもあります。

スズキ・メソードは、60年にもなる歴史の中で、ダヴィッド・オイストラフやウィリアム・プリムローズ、近衛秀麿、パブロ・カザルス、アルテュ-ル・グリュミオー、ムスティスラス・ロストロポーヴィチ、小澤征爾、グレン・ドーマンなどの素晴らしいお客様をお迎えして来ました。卒業生からは、世界の音楽界、また各界のリーダーとして活躍する方々が、数多く出ています。皆、鈴木先生の願われたように、単なる音楽家、単なる専門的で高度な知識や技術を備えたリーダーとしてではなく、何よりも高いセンスを持った「心ある人間」として、今日、活躍されています。この人間の「心を育てる」のが、才能教育、すなわちスズキ・メソードの教育のカギであり、目的です。

鈴木先生は「全世界のすべての子どもの幸せのために」と願われました。

「どの子も育つ、育て方一つ」

どの子も優れた能力、心に育てられる権利を持っています。多くの方々に、この教育を、真心と叡智をもって伝え、広め、実践していただきたい。すべてはこれからだと思っています。

豊田 耕兒 紹介

幼少より鈴木鎮一先生に師事、その後パリ国立高等音楽院に学ぶ。当音楽院を1年で卒業後、ジョルジュ・エネスコ、アルテュール・グリュミオーに師事。

ロン・ティボー国際コンクール、ジュネーヴ国際音楽コンクール、ブリュッセル・エリザベート女王国際音楽コンクール入賞。

ライン室内楽団第一コンサートマスターを3年、ベルリン放送交響楽団の第一コンサートマスターを17年間、ベルリン国立芸術大学ヴァイオリン科教授を21年間勤める。その間、ベルリン市より「カンマー・ヴィルトゥオーゾ」の称号を受ける。

グリュミオー弦楽四重奏団メンバー、ドイツ・ミヒャエルシュタイン夏期講座のヴァイオリン講師、草津夏期国際アカデミーおよび群馬交響楽団の音楽監督を歴任。前 才能教育研究会会長。

現在、国際スズキ協会会長、才能教育研究会芸術監督、国際スズキ・メソード音楽院ヴァイオリン科教授。

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