早野龍五会長が、2011年3月から2016年末まで記録した写真2,192枚を、1ヵ月間展示。
多くの来訪者たちに感銘を与えました。

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日時:3月1日(水)〜3月31日(金)
会場:アウグスビアクラブ(西麻布)

クリックで拡大 写真展のタイトル自体が、まずはユニークですね。「之圖。」と書いて、「のず」と読みます。普通なら「の図」と表記するところでしょうが、早野会長はツイッターにアップした写真のキャプション(説明文)に、例えば、こんな風に表現されてきました。「散歩中に店長に呼び止められ、メッセージとBeerをいただきました。有難うございます、之圖。」と。その最後の表現が、写真展のメインタイトルになりました。

 2011年元旦から、そうした写真を撮り続け、ツイートを開始。それが、その年3月の東日本大震災と原発事故で福島と関わられるようになってからの早野会長の関心事は、大きく変化していきます。その「眼の足跡、軌跡」とも言えるファインダーを通して毎日ツイートされた2,192枚の写真、すべてを見せてしまおうと決意。1ヵ月間の展示期間を3パートに分け、6年間の記録を2年間ずつ、月別に展示されたのです。ほぼ10日間で入れ替える形での展示となりました。

クリックで拡大 最終日の3月31日(金)18時に、会場のアウグスビアクラブを訪ねますと、すでに立錐の余地がないほどの混み具合。貸し切り状態のレセプション会場になっていて、この店の美味しいビールを飲みながらの鑑賞となりました。お店の左側の壁に貼り出されたメインタイトルから順に奥に進み、ピザ釜を超えて店内右側まで、時計回りに壁面に写真が埋め尽くされていました。パネルの上の方は、台に登ってみないとわからないほどで、そうやって見入ってくださるお客様の姿を、早野会長は嬉しそうに眺め、時にエピソードを交えながら説明もされていました。

 早野会長のカメラマンとしての視線は、実に多彩です。風景もあれば、人々の様々な顔、イベント、形のユニークなオブジェ、料理の数々、魚介類、生きものたち、時にアルコールも。カテゴリーも地域も色も形も千差万別。ONの視点もあれば、OFFの視点もあります。でも、それらに共通しているのは、撮影者自身の好奇心を強く感じさせるものだったり、被写体に寄り添う暖かな心だったり、そして何よりも、撮影そのものを楽しんでいる姿が感じられることです。加えて、写真に添えられたキャプションもユニークでした。ツイートの制限文字数の中で、フレキシブルで豊かな感性が文字にも凝縮されていました。

 ところで、この日は、最終日ということもあり、ビッグサプライズが用意されていました。ジャズバンドとのセッションで、早野会長ご自身によるヴァイオリンの生演奏! があったのです。実は、以前から演奏されることを聞いてはいましたが、アドリブありのジャズセッション、ということで期待度120%という状況で、おそらく多くの来訪者のみなさんも、早野会長のヴァイオリン生パフォーマンスは初めての体験、だったのではないでしょうか。

 曲目は、3曲。まずは、昔懐かしい李香蘭が主演した映画「支那の夜」の劇中歌としてヒットした♪蘇州夜曲で、びっくりするほど甘い音色でスタート。2曲目は、ジャンゴ・ラインハルトがステファン・グラッペリのヴァイオリンで魅了した♪Minor Swing。とてもノリのいい曲で、アドリブ心満載です。そして、最後にチャプリンが映画「モダン・タイムス」で披露した名曲♪スマイル。それぞれ曲が終わると、大喝采です。普段から声の通る早野会長の弾かれるヴァイオリンは、とても甘く、みずみずしく、この場にふさわしい雰囲気を醸し出していました。「アンコールはありませんよ」と笑顔で語りながらも、二次会では、さらに演奏が続きました。

 ここで、早野会長ご自身の感想を紹介しましょう。
「二次会は少々酔っ払っていて記憶があやふやですが、 ♪When the Saints Go Marching In(聖者が街にやってくる) と♪The Girl from Ipanema(イパネマの娘)を演奏した記憶があります。
 写真展は、連日多くの方においでいただきました。ゲストブックといって、僕らが実験で使う分厚いノートを会場入口に置いていましたら、大学関係者、スズキ・メソードの指導者や生徒さん、福島関係者、メデイア、ツイッターのフォロワーなど、さまざまな方々のあたたかいメッセージで埋め尽くされました。
大森真さん(左)です福島県立医大の宮崎真さん(左)です 福島テレビユーの報道部長でジャズマンでもある大森真さんとは、震災以来のお付き合いです。いずれ世の中が落ち着いたら♪Minor Swingを一緒にやりましょう、とお約束していたのですが、この日に(福島には未解決の問題が多々残っていますが)、ついに約束を果たすことができました。駆けつけてフルートを演奏してくださった宮崎真さんは、福島県立医大のお医者さん。震災以来、一緒にさまざまな仕事をして来た盟友です。それらの方々とともに、ジャズを奏で、写真展を終えることができました」とのメッセージをいただきました。

 最後に、バンドリーダーの大森真さんと早野会長が、スーツ姿で登場された2012年放送の報道番組(福島テレビユー制作)をご紹介しておきます。この番組でお二人は意気投合され、この日の演奏につながったことになります。
→福島で日常を暮らすために♯2