思い出に残るグランドコンサート!

 鈴木鎮一生誕120周年記念「第54回 スズキ・メソード グランドコンサート」を4月4日(水)、両国国技館(東京)で開催しました。前回の2011年の開催が東日本大震災で中止を余儀なくされたため、コンサートは実に9年ぶりの開催となりました。当日は快晴の天気のもと、国内から約2,000名が集まり、オーストラリア、台湾、韓国、キプロス、シンガポールからも約40名が参加されました。プログラム後半には天皇、皇后両陛下と高円宮妃久子殿下がご臨席され、フィナーレの約2,000名による「キラキラ星変奏曲」などをご覧になり、温かい拍手を送っていらっしゃいました。両陛下には、皇太子ご夫妻時代から何度もご覧いただいているグランドコンサートですが、いつもは大相撲を観戦されるお席での久しぶりのコンサートでの子どもたちが一生懸命に演奏する様子に、身を乗り出されてご覧になられる姿が、大変印象的でした。

 コンサートのオープニングを飾ったのは、ピアノ科によるグランドピアノ2台と電子ピアノ20台による斉奏でした。ピアノ科始まって以来の大人数での斉奏でしたが、呼吸を合わせ、日頃の練習の成果を大いに発揮しました。フルート科の斉奏も国技館の会場の隅々にまで透明な音色が響き渡る素敵なサウンドでした。チェロ科は、チェロ・アンサンブルの名曲、クレンゲルの「讃歌」で絶妙なアンサンブルを披露した後、指導曲集から3曲を演奏しました。続くヴァイオリン科によるメンデルスゾーンのヴァイオリン協奏曲第3楽章の斉奏(指揮・豊田耕兒)は、とても切れ味のいい、シャープな演奏で聴きごたえがありました。1月、2月、3月の練習で、最高の音楽を作ろうと指導された豊田先生のタクトに応える子どもたちの演奏は、大変レベルの高い仕上がりとなりました。

 招待演奏として登場したエル・システマジャパンの福島県相馬市と岩手県大槌町の子どもオーケストラは、モーツァルトの「アイネ・クライネ・ナハトムジーク」第1楽章、そして東日本震災で亡くなられた方たちと先日急逝したエル・システマの創始者、アブレウ博士の追悼の意を込めたバッハの「G線上のアリア」(指揮:半谷隆行君〜高校1年)を披露しました。被災地に暮らしながらもこれだけの音楽的な高まりを実際に聴かせてくださったことは本当に嬉しいことですし、スズキ・メソードの子どもたちも前に進むための情熱と勇気をもらったことでしょう。

 そのエル・システマジャパンの福島県相馬市と岩手県大槌町の子どもオーケストラと一緒にスズキ・メソードの子どもたち総勢300名による合同演奏で披露したのが、ベートーヴェンの「交響曲 第7番 イ長調 第4楽章」(指揮・金森圭司)でした。第一ヴァイオリンだけでも122名(61プルト)という巨大オーケストラでしたが、一糸乱れぬ集中力のもと、この曲のもつエネルギーあふれた演奏が展開されました。

 興奮冷めやらぬ前半は、ここまで。休憩を挟み、場内が暗い中、登場されたのが本会出身のチェリスト、宮田大さん。スポットライトを浴びる中、特別演奏として、チェロ奏者の大切なレパートリーでもあるブルッフの「コル・ニドライ」(ピアノ:石川咲子先生)を披露されました。大さんの織りなす音楽は、大きな感動をもたらす力にあふれたものでした。まるで、音符の一つひとつに練り上げられた職人の技を垣間見せるかのよう。前半の「祈り」のイメージ、後半の生命力にあふれた「生きる歓び」を体現された演奏は、宮田大さんの「今」を伝えていました。この先、未来にわたり、どこまでこの卓越した音楽性を私たちは楽しむことができるのだろうかと、同時代に生きている幸せを感じさせたほどです。

 ヴァイオリン科は、OB・OGメンバーも加わり、4曲を演奏しました。聴き慣れた曲も国技館の広い空間となるとまた別物のようです。ホールを楽器に例えることはよくありますが、国技館という楽器が鳴っている、そんなことを思わせる演奏でした。

 続く全科による合奏では、グランドコンサート用に新たに編曲されたメドレー(アマリリス・フランス民謡・楽しい朝・アレグロ)も披露されました。管楽器との合奏経験は、子どもたちにとっても貴重な経験になったことでしょう。

 フィナーレは、恒例のキラキラ星変奏曲です。この場面で初めて登場した子どもたちも多くいました。出演した子どもたち、OB・OGの皆さま、ご家族や友人の皆さま、そして先生たち、すべての関係者の皆さまにとって国技館でのグランドコンサートの体験は貴重で、一生の思い出となりました。帰路につく子どもたちの晴れやかな姿が、いつまでも続く様子を、きっと天国の鈴木鎮一先生は、にこやかに見守ってくださったことでしょう。

皆様からのメッセージ

 グランドコンサートに参加された生徒さん、保護者の方々、あるいはたまたま来日されてこのコンサートを知った海外からの旅行者からなど、たくさんのメッセージをいただきました。ほんの少しですが、紹介させていただきます。

武道館ではなかったですが、我が⼦が全国⼤会(グランドコンサート)に参加するなんて夢のようでした。私はクラス単位で夜⾏バスで来たり、東京⾒物がてら宿泊で来たりしておりましたので、このように東京の⼦は参加できてしまうのだなと、ありがたく感じました。また、メンコンのリハーサルのご指導も豊田耕兒先⽣だなんて、本当に素晴らしいと思いました。娘も早くそこまで⾏かないかなと楽しみが増えました。

コンサートの企画、実⾏に当たられました先⽣⽅に⼼より感謝申し上げます。当⽇、⽣徒の誘導のためにカラーシールを準備されたり、ガイドとなる⾊画⽤紙を貼るなど、きめ細やかな事前準備に⾮常に感銘を受けました。タイムスケジュール通りに進⾏し、定刻に終了できたのも先⽣⽅のご尽⼒の賜物と存じます。先⽣⽅のお教室の益々のご発展をお祈り申し上げます。

娘はグランドコンサートに向けて猛練習し、実際に国技館で合奏し、充実感でいっぱいの様⼦でした。幼い頃にあのような成功体験をさせていただけ、感謝の気持ちでいっぱいです。先⽣⽅、本当に本当にありがとうございました。⼤変だとは思いますが、スズキ・メソードの素晴らしさが凝縮されたグランドコンサートを、定期的に開催されますことを希望します。よろしくお願いします。

今回、グランドコンサートに初めて参加させていただきました。宮⽥⼤さんの特別演奏にエル・システマジャパンとのオーケストラなど、とても聴きごたえのあるプログラムでした。グランドコンサート参加後、⼦どもも上級⽣の演奏にさらに憧れを抱き、⽇々の練習にも積極的に取り組んでいます。また、天皇、皇后両陛下の前で演奏させていただけるという貴重な機会にめぐりあえ、とても感動しております。ぜひまた次回のグランドコンサートに参加したいと思いました。

OBとして参加をしました。宮⽥⼤さんの演奏は、曲の素晴らしさを⾒事に伝えていたと思いました。エル・システマの⼦供達は、災害という試錬にもかかわらず⽴派に努⼒をされていて感銘を受けました。

初めて2,000人で弾く「キラキラ星変奏曲」は大きく迫力のある音でした。私はグランドコンサートに出るのは初めてですが、たくさんの人と迫力のある音に圧倒されそうになったので、いつもより力いっぱい弾きました。次回のグランドコンサートもぜひ参加しようと思います。いきなり、マイクを向けられてびっくりしましたが、緊張せずに堂々と将来の夢を話せて、とてもいい経験になりました。ありがとうございます。

I was lucky to be in Tokyo when the 54th Grand Concert was organized in celebration of the 120th anniversary of Dr Suzuki's birth.
As an enthousiastic and passionate amateur player of preferably chamber music, I find such a succesful and international method to teach children to play an instrument as the Suzuki method, very impressive.
Even more unforgettable was the experience to hear up to 2.000 of Suzuki raised children perform together at Kokugikan, the Sumo Tournament Theatre.
Great initiative and tradition by now !!!!!

本番中に紹介された海外からのビデオメッセージ

 グランドコンサートをお祝いするメッセージが、各国のスズキ・メソードの子どもたちと指導者から寄せられました。以下のサイトでご覧いただくことができます。

→海外からのビデオメッセージ