公益社団法人才能教育研究会の第8回定時総会を、
8月19日に開催しました。 

 才能教育研究会は、2019年8月19日(月)に公益社団法人として第8期の定時総会を開催しました。代議員27名と理事、監事、監査法人代表が才能教育会館ホールに集合し、報告事項・決議事項のすべてを、議長を務めた早野龍五会長が説明し、3つの決議事項が議決されました。

新任の伊佐治裕子理事 今年は理事改選の年ではありませんが、松本市役所文化スポーツ部部長の寺沢和男前理事の退任に伴い、新たに現在の松本市文化スポーツ部部長の伊佐治裕子(いさじ ひろこ)様が本会理事に選任されました。

 今回は新しい取り組みについて特に入念に説明が行なわれ、活発な質疑応答を経て、終了しました。また決算・予算などの数値や重点活動については正式な総会資料とは別に、グラフや表でまとめた資料を用意し、当会の現状、課題、取組みについてより理解を深めていただくことができました。

 詳細は会員の皆様に9月中旬以降に発送予定の「才能教育通信」で報告されます。またスズキ・メソードの公式サイトで一般の方にも公開される予定です。以下、2018年度の振り返りと2019年度の取り組みの順に報告します。

2018年度の1年間を振り返り

教育部員(指導者)の総力で、主要3大事業を無事終了
全国指導者研究会第68回夏期学校 全国指導者研究会(6月)、夏期学校(7〜8月)、卒業検定(11〜2月)は指導者を中心とした関係者の大変なご尽力により、昨年度も無事終了しました。この3つの事業は鈴木鎮一先生が始められた本会の基幹を成す事業であり、この3事業が毎年充実した内容になることが、すべての基礎となります。


新指導者養成制度のもと新たな認定指導者が誕生し、新制度が定着
 2018年度は指導者養成制度が、国際スズキ・メソード音楽院から全国各地域での養成に変更された最初の年度でした。
 4科合計で、正指導者4名、准指導者3名、初級指導者5名が新しく認定されました。特にピアノ科とフルート科に新設された初級指導者制度のもと、会員減少が続くピアノ科で、5名の初級指導者認定者が出たことは大きな意義があります。今年度以降も各地域での指導者養成を継続し、指導者養成に意欲的に取り組みます。

全員の尽力により大幅な事業収益を確保し、将来発展のための活動原資を確保
 上記の通り3大事業では収益を意識した運営により、3事業合計で大きな収支確保を達成し、事業全体の単年度黒字収支に大きく貢献しました。また、この黒字の事業収支により、今後のイベントや中長期の発展に向けた基盤強化のための積み立てが実施できました。

運営の可視化と事業基盤強化により、中期発展への体質強化に着手
 財務上の数値や会員数など、重要な数値については月度で管理し、それを表やグラフでわかりやすく表し、指導者・事務局全員で共有し、現状を理解できるように改善してきました。また、公式サイトや業務システムの更新、会員獲得に直結する広報活動については重点的に取り組み、中長期の発展の土台作りに新たな工数と予算を振り当てました。これらの改善や中長期視点の重点活動は本年度も継続してまいります。

今後の発展に向けた2019年度の取り組み

2019年度は万全な財務状況をベースに、打って出る年
 2018年度も維持会員数が減少し、これにより年間の事業収入総額は5年前と比較して30%減少しています。これに対して、指導者養成システムの改革などの構造改革と3大事業を中心としたコストダウン努力で毎年の事業収益を確保しながら、それを原資に将来のための十分な積み立てを行なってきました。

 2019年度以降は、3大事業に加えて2020年度(2021年3月開催予定)の第55回グランドコンサートに必要な財源は、すでに確保済みですし、着手している公式サイトや業務システム改革などの事業基盤強化にも、財源的な裏付けが整いつつあります。また、広報活動も従来の会員向けの内向きな活動に加え、新規維持会員獲得や社会での認知度アップを狙った外向きの活動にも、より予算を割けるよう積み立てを厚くしています。2019年度は積み立てた財源をベースに、今後の発展のために遅滞なく目的に向かってダイナミックに活動する、つまり「打って出る年」となります。

課題解決型の組織と業務遂行で確実に前進する年に
 将来発展のための課題は、事業基盤や広報活動の強化以外にもいろいろあります。本会資産の47%を占める本部会館などの基本財産や、34%を占める特定資産(用途が限定された積み立て)の財務的な有効活用、新指導者の養成や、指導者認定後の若手指導者の支援などは、時間をかけて計画的に取り組む必要があります。

 昨年度来、理事会の運営はいわゆるPDCAシートを活用し、理事会ごとにあらゆる課題について、担当者や解決ゴールのイメージを明確にした一覧表の管理を始めました。毎月進捗状況を点数化し、100%になるまで放置することなくフォローしています。事務局も本会全体の目標に沿って事務局のやるべきことを明文化し、各メンバーそれぞれの年間個人活動目標を設定し、フォローするマネジメントを始めました。

 個別の予算や活動への取り組みに加えて、これらの組織・個人の働き方改革で将来の発展のために力をより注いでいきます。

一人でも多くの子どもたちにスズキ・メソードを
 社会の環境変化に対応できず行き詰まり、時には状況が悪化して悲惨な事件を起こしてしまうケースが、多く報道されるようになりました。それらの事件は、幼児期の教育環境に遠因がある場合も多いと言われ、幼少期の適切な教育の重要性に注目が集まっています。指導者の皆さんが日々奮闘して広めてくださるスズキ・メソードは、まさにこれからの世界に必要とされています。鈴木鎮一先生が始められたこの才能教育運動を、将来の一人でも多くの子どもたちにお届けできるためには、本会がしっかり継続発展していかなくてはなりません。

主な質疑応答事項
 活発な質疑応答がなされました。質疑の一部をここでは紹介します。
・本会公式サイトの教室検索サイトの種々の不備についての認識と対策について。
・生徒減少に対して幼稚園との協力に活路が見いだせないだろうか?
・指導者養成や若手指導者への本会としての援助を充実させてほしい。
・財務諸表の中で、事務局の人件費に関係する部分はどの数値かを教えてほしい。
・来年の東京オリンピック開催に際して、本会が絡むイベントは計画されているか?

 これらの質問意見に対して、早野会長及び関係理事から丁寧な回答・説明がなされました。内容によっては、総会での回答に加えて今後の継続的なフォローがされていく予定です。9月中旬以降に発行される会員向け「才能教育通信」にも掲載される予定です。
 
決議事項
第1号議案 平成30年度(2018年度)決算書類(監査報告含む)
 <資金収支計算書>
事業活動収支差額 約4,044万円(1年間の事業合計で4,044万円黒字)
投資活動収支差額 約-4,996万円(主に特定資産に4,996万円積立て)
 *この積み立てにはグランドコンサートや業務システム、才能教育会館建物の減価償却費などが含まれる。
財務活動収支差額  約-92万円
当期収支差額   約-1,044万円
当期収支差額(約-1,044万円)+前期繰越(約8,008万円)=次期繰越収支差額(約6,964万円)
 <貸借対照表>
 上記年度決算により令和元年(2018年)5月30日現在の資産合計(=負債及び正味財産合計)は約9億9,047万円

第2号議案 理事選任
 <学識経験者 新任理事>松本市スポーツ文化部 部長 伊佐治裕子氏
  任期は退任した前理事の任期である令和2年の社員総会時まで)

第3号議案 役員報酬規程改定
 本会一般理事が理事会以外の本会主催行事や外部打ち合わせに参加する際の報酬を、現在の無報酬から5,000円/日払えるように改定する(指導者謝金と同じレベル)

 上記3本の議案はそれぞれ決議され、3本すべて賛成多数で議決されました。