才能教育会館耐震改修工事へのご寄附の受付が
5月1日よりスタートしました。

 才能教育研究会創立70周年記念事業の柱のひとつとして、建設から50年経過した才能教育会館を、今後も安全で快適に使用するため、昨年10月から今年5月末までの日程で、耐震改修工事を行なっています。
 つきましては、5月1日より、今回の工事に対して多くの皆様からのご寄附の受付をスタートさせていただきました。ご寄附の金額に応じて、皆様の記念になりますよう、会館内に皆様のお名前を刻印した銘板を掲示させていただいたり、会館ホールの椅子にお名前を刻印したプレートの掲示もさせていただきます。ぜひとも多くの皆様に趣旨にご賛同いただき、ご支援を賜りますようお願い申し上げます。

ご寄附のお申し込み期間
平成29年5月1日(月)~平成29年5月31日(水)

ご寄付お申し込み方法
「申込書」と「寄附金」をお送りください 。両方が確認できた方から受付させていただきます。専用ページの申込フォームが5月1日から利用できます。また、申込書をダウンロードしていただき、ファックスやメールで送っていただく方法もあります。寄附金も5月1日より、現金書留、銀行送金、クレジットカードのご利用など、ご希望の方法で受付させていただきます。
詳しくは、下記の専用ページをご覧ください。


才能教育会館が建設された当時のこと、紹介します。

才能教育会館、建つ。 

「私たちの家ができた」と子どもたちが駆け回った会館。現在は正面に、まつもと市民芸術館が建ち、このアングルでは撮影できません 才能教育会館を訪れたことのある会員の方は多いでしょう。歴史を紐解くと1967年5月の完成に至るまでに、数多くの試練と困難が立ちはだかっていました。60年9月の才能教育通信は、「才能教育のふるさと松本に会館を建設しよう」と大見出しで建設推進の決意を載せています。破竹の勢いで広がる才能教育運動の総本山を一目見ようと国内外の来訪者が引きも切らず訪れる時代でした。建設途中のある日のスナップ。鈴木鎮一先生と青木謙幸先生(右)当時の松本音楽院は木造でしたので、ウィーン・アカデミー合唱団がバスで訪れた時には、あまりの暗い雰囲気に一人もバスから降りようとしなかったというエピソードがあるほどです。

 「この建設を会員一人ひとりの手で」と寄付やカンパの願いも同時に載りました。運動は粘り強く続き、61年1月の通信では、会館の青写真とともに、積立金を集める方法も紹介。夏期学校で「タレントコーヒー」を出店し、その売り上げ献上も一つのアイデアでした。それでも一時は建設が棚上げになる危機もありましたが、7年の歳月を経て、ようやく完成した時の歓びは、ひとしおだったようです。鈴木先生の指揮で、自作の「子供の幸を」も演奏。コンサートマスターは、ウィリアム・スター先生67年8月の夏期学校にあわせて行なった落成祝賀式で、鈴木鎮一先生は「ようやくわれわれの運動の家ができました。この運動がすべての子どもの幸せのためになるよう、みなさんと一緒に進んでいきたい」と述べておられます。アメリカ弦楽指導者協会68名のメンバーとともに日本の指導者も一緒になって演奏した「アイネ・クライネ・ナハトムジーク」など、祝賀の歓びに満ちた空気が伝わってくるようです。

 以来、43年の月日が流れました。さすがに建物は古くなりましたが、全国の会員や、ここで学ぶ国際スズキ・メソード音楽院生に流れる熱い思いや志は、変わることはありません。

出典:機関誌No.173(2010年秋号)「鈴木鎮一先生 思い出の写真」より