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2月15日(金)〜17日(日)にかけて、スペインの首都マドリード郊外のエル・エスコリアルで、ヴィオラギャザリング2019が開催されました。19ヵ国280人が参加し、日本からも関西地区の曽田義嗣先生が参加されました。曽田先生からの報告記事が届きましたので、ご覧ください。

ヨーロッパ・スズキ・ヴィオラ・ギャザリング2019に参加してきました!

2019年2月27日
関西地区ヴァイオリン・ヴィオラ指導者 曽田 義嗣

・参加経緯
2018年の夏期学校で、英国スズキ協会(BSI)所属のヴァイオリン科・ヴィオラ科指導者の小玉もな先生より「第2回 ヨーロピアン スズキ ヴィオラ ギャザリング2019」(以下 ESVG 2019)がスペインで開催されることをご案内いただきました。その後のメールなどのやり取りにより、日本のスズキ・メソードのヴィオラ認定指導者として、ヨーロッパのスズキ ヴィオラの現状 (生徒・指導法・指導者の活動など)に興味を持ち、参加を決意した次第です。


・開催期間
2019年 2月15日(金)~2月17日(日)


・開催場所・会場

Casa de Espiritualidad San José de El Escorial
Av. de los Reyes Católicos, 12, 28280 El Escorial Casa San José
El Escorial,Madrid,Spain
カサ・エ・サン・ホセ・デ・エル・エスコリアル
エル・エスコリアル、マドリード、スペイン


・組織委員会
Peter King (管理者)
Joanne Martin、Juan Drown (ミュージカルディレクター)
他、ESA所属 指導者
Federación Española del Método Suzuki (協力)

カサ・エ・サン・ホセ・デ・エル・エスコリアルはシエラ・デ・グアダラマ山脈の美しい場所にあり、マドリード中心部から北西に約45kmです。カーサは1960年代に建てられ、古い神学校が占有していました。現在はキリスト教主義の研修・宿泊施設 (日本のYMCAのような施設)として活用されています。

参加者全員(約300名)が宿泊できる宿泊棟と、宿泊者全員が一度に入ることができる食堂と自動販売機を備えたラウンジ、約200席のステージ付 ホールと10数室の個別レッスン・セミナーなどができる30~100名収容が可能な研修室があります。

ホールにはグランドピアノが、各研修室には電子ピアノがESVGスタッフにより搬入されていました。


・活動内容
2月15日(金)

豊田耕兒名誉会長と早野龍五会長からのメッセージを代読される曽田先生。左が小玉もな先生。右が責任者のピーター・キングさん 15:00 登録開始~宿泊棟チェックイン
 18:00(開会のあいさつ~TERI 豊田名誉会長・早野会長からのメッセージを代読)
    参加者全員によるPLAY-IN (プレイ イン 全体斉奏 演奏)
 19:00 初歩アンサンブル クラス、上級生アンサンブルクラス、保護者のためのヴィオラクラス、指導者向けのセミナー (研究発表)など
 20:00 夕食
 21:30 翌日のための指導者スタッフミーティング


2月16日(土)
 8:30 朝食
 9:30 Suzuki Viola School 指導曲集第1~4巻の各クラスと第5巻以上の上級生クラスのレッスン、指導者向けのセミナー
   (この時間に、日本のスズキヴィオラの現状について、私自身からのプレゼンテーションの時間をいただきました)
 10:30 初歩アンサンブル クラス、上級生アンサンブルクラス、保護者のためのヴィオラクラス、指導者向けのセミナー (研究発表)など
 (休憩:11:30~12:00)
 12:00指導曲集第1~5巻の各クラスと第6巻以上の上級生クラスのレッスン、指導者・保護者向けのセミナー
 13:00 昼食
 14:30 初歩アンサンブルクラス、上級生アンサンブルクラス、保護者のためのヴィオラクラス、指導者向けのセミナー (研究発表)など
 15:30 指導曲集第1~2巻の各クラスと第3巻以上の上級生クラスのレッスン、指導者・保護者向けのセミナー、指導者アンサンブル練習
 (おやつ休憩16:30~17:00)
 17:00 指導曲集第4巻 テレマン:2つのヴィオラのための協奏曲 全楽章クラス、Edwin Bloemsaat氏による弓の毛替えとメンテナンスのデモンストレーション
 18:30 ヴィオラによる室内楽コンサート “ Recital de Viola, y Música de Cámara “
 19:30 出演者と一緒にレセプション (歓迎会)
 20:30 夕食
 21:45 翌日のための指導者スタッフミーティング (ファイナルコンサートのプログラム選考と準備会議)


2月17日(日)
 8:00 朝食
 9:00 指導者のための懇談会 (ROUND TABLE)、保護者のための懇談会 (ROUND TABLE)
 9:45 指導曲集第1~3巻クラス、第4~5巻クラス、第6巻以上の上級生クラスのレッスン、指導者アンサンブル練習
 (おやつ休憩10:30~11:00)
 11:00 初歩アンサンブル クラス、上級生アンサンブルクラス、保護者のためのヴィオラクラス
 12:00 ファイナル コンサート
   指導者アンサンブル~初歩アンサンブル~上級生アンサンブル~保護者クラス成果発表~ヴァイオリンとヴィオラの三重奏~初歩生徒による合奏と合唱~参加者全員によるPLAY-DOWN (プレイ ダウン 全体斉奏 演奏)
  1:Old French Dances〜
La Basque (5巻)
  2:テレマン:協奏曲 第4楽章 (4巻)
  3:ユーモレスク (3巻)
  4:リュリ:ガヴォット (2巻)
  5:ウェーバー:狩人の合唱
  6:ミュゼット (2巻)
  7:ボヘミアの歌 (1巻)
  8:アレグロ
  9:ロングロングアゴー
  10:こぎつね
  11:フランス民謡
 12:キラキラ星変奏曲
   すべてが終了したのちに、さらに私の合図でキラキラ星変奏曲をアンコール演奏
(閉会のあいさつ)
 13:30 昼食~解散

・日本でもヴィオラの生徒を増やしたい!

豊田耕兒名誉会長からのメッセージ 参加生徒108名、指導者・スタッフ30名、保護者合わせて280名のヴィオラだけの夏期学校のような雰囲気で、参加する前にはどんな風に展開されるのか、想像がつきませんでした。しかし、実際にはクラス別レッスン、アンサンブルレッスン、指導者や保護者のためのプログラムなどがきちんと確立していて、びっくりしました。

 初日のプレイ−インでは150名以上の子どもから大人までのヴィオラを学ぶ生徒と指導する先生も一緒になって演奏するのは、さすがにスズキ ファミリー! 身震いするほど感動しました。

 そのステージで、豊田耕兒名誉会長と早野龍五会長のメッセージを私が日本語で読み上げ、ロンドン在住の小玉もな先生に通訳していただくと大歓声と拍手に包まれ、このヴィオラギャザリングか成功に終わることを確信しました。

 受講する子どもたちへの配慮なのか、できるだけいろいろなプログラムを入れるためなのか、早野龍五会長からのメッセージ1プログラムが60分間(調弦などの準備もあるので実際には45分間)しかないので、レッスンとしてはタイトなスケジュールでした。そのため、準備してきたことの半分ほどしか教えることができなかったことが悔やまれますが、もな先生やミュージカルディレクターのJuan Drown先生が、私の日本語を通訳していただけたので非常に助かりました。

 今回のESVG 2019に日本のスズキ・メソードから参加した指導者が、私だけだったこともあり、ESVGの指導者・スタッフの方々やESAの先生方そして、もう一人のミュージカルディレクターのJoanne Martin先生も、様々な場面で私をリスペクトしていただき、本当に感謝しています。指導者懇談会では、2年後にはベルギーを候補地としてヴィオラギャザリングが開催される予定であることが話し合われ、「またお会いしましょう」と言って、お別れしました。

 いつの日か、日本でも開催できるように、まずは日本国内でヴィオラの生徒をたくさん育て、生徒さんともども、このギャザリングに参加することから始めなければいけないと思いました。そのための努力を重ねたいと思います。