娘が変わったというより、
私自身が変わったことで、2人で一緒の目標を持ち、
楽しみながら育ちあうことができました。

松村愛子さん・桃佳(ももか)さん親子の場合

まだ、私の空回りが多かった、桃佳が2歳の頃。Bコースの修了証に2人で「がんばったね」と話していました 仕事を持つ母として、出産2ヵ月で仕事へ復帰し、4ヵ月で桃佳を保育園に入れるなど、あっという間に毎日が流れ過ぎていくことに焦りを感じていました。何かを「学ぶ」というようなハードルを感じさせるものではなく、桃佳と2人で何か楽しいことを始めたいと思っていました。知り合いのお嬢さんがスズキ出身でヴァイオリンをされていて、「スズキの0~3歳児コースに行ってみれば!」と声をかけていただいたのが、きっかけでした。
 
 紹介してくださった彼女自身が、とても楽しんでいらして、小学生の時には人生の目標(大げさでなく、本当に!)を持って取り組んでいました。きっと彼女のその姿にも、少なからず0~3歳児コースへの後押しがあったと思います。その時の私は、「立派な子になってほしい」というより、人生の友だちとして音楽をそばにと思っていました。そんな私としては、ちょうどいい!という軽い感じでした。ついでに私にも、楽しめるなと直感で。この時、私にはスズキ・メソードとヤマハの違いもわからないくらい何も知らない母でした。教室へ体験に行ったのは、桃佳が1歳10ヵ月くらいだったと思います。
 
3歳になっても俳句の発表時は、恥ずかしくて、クネクネすることも。ようやく私も黙って見守れるようになりました 0~3歳児コースの素晴らしさは何と言っても毎回行なわれる生演奏でした。初めてじっくりとそれぞれの楽器(ピアノ、ヴァイオリン、チェロ、マリンバ、フルート、声楽など)の音色を聴くことは、毎日仕事と育児に追われ、毎日これでいいのかと悩んでいる私にとって、至福の時間でした。いろいろな雑念を払い、ただただ美しいと思うものに包まれる感触は、今までいろいろな音楽を、様々な場所で聴いてきましたが、すごく崇高でした(大げさではなくて!)
 
 私、0~3歳児コースの体験会で、生演奏を聴いてなぜか泣いてしまって、音楽を聴いて純粋な感動で泣いた、おそらく初めてのことだったと思います。
 
 桃佳と一緒に行なうカリキュラムは、1回の中に様々な形で細分化されています。そのカリキュラムは、「今はその子にはちょっと難しい」レベル。だから、お母さんと一緒にがんばろうね、となります。レッスンが終わって次のレッスンまでの間、その「一緒にがんばろうね」を繰り返すことが、私の目標になりました。嫌がる時は、どうやったら楽しくなるか考える、できた時は一緒に喜ぶ、そういう積み重ねが、桃佳の自信に繋がるだけでなく、母として私の自信にも繋がることがわかり、とても良かったです。
 
  教室では、子どもの集中が途切れる手前で次のカリキュラムへの進むので、飽きることなく進みます。体を使ってリズムを感じた後、静寂の時間を設けたり、座って俳句をした後、また体を動かしながら、リズムを感じたりと、教室の中で流れができていて、それが心地よさを感じさせました。
 
 大きな流れで見ると、細分化されたものが、AコースからB、Cコースへと進むと鉤の手のようにつながっていることがわかります。それは、今となってわかることですが、リズムをとるといっても、動物で表現していた音符が、リズムになって行く。朝の帰りのご挨拶も、歌で始まり、歌で終わりますが、挨拶をすることが普通にできるようになります。
 
 そして、その挨拶を「きちんとしたい」という気持ちにまで高めていきます。姿勢、目線、言葉。3歳児でもそこまで感じられるという敏感さに感動しました。 
 
 お母さん教室の時間では、先生たちのお言葉はもちろんですが、他のお母さん方が子育てに悩まれていること、感じていることを知ることが、とても貴重でした。仕事をしているとなかなか座ってじっくり話をするという時間を作ることができませんが、お母さん教室の時間では、先生がいろいろな角度から考えることを宿題として出されます。
 
 印象的なのは、「主人と子どもをどう育てたいか話し合うこと」というトピック。我が家では、ほとんど話したことがなかったのが実情です。主人は「健康で元気に育てばいい」という大雑把な感じ。私は「人生を楽しんで欲しい。そして人の役に立つ人間になって欲しい」という感じ。
 
 私は、自分の考えを主人に押し付けてこうあるべきと伝えましたが、鼻で笑われました。これには、始め呆れました。男の人は仕事をして、週末ちょっと「お父さん」をやるだけ、だから日常に子育てはないのだ、と。でも、お母さん教室で、先生が指摘されたのは、もっと深いものでした。「話し合う」ということそのこと自体が大事だと。
 
 私が鼻で笑われたと思うように、主人も思ったのでしょう。彼の桃佳への想いは、もちろん素敵なことです。それを私は自分の考えに賛同させたいという考えが強く、否定的に見ていました。それでは「話し合う」ことは無理です。話し合うことは活発に議論することと勘違いしていました。まずは、相手の希望を認めるという初歩的なことができていなかったのです。

ウィーンホールに駆けつけてくれたおじいちゃん、おばあちゃんも、とても喜んでくれました

 これは、桃佳との関係でも同じです。次のレッスンまでの間、ご挨拶や俳句、歌、リズム、といろいろやりたいことがありますが、私のペースで進めるとうまくいった試しがありません。彼女にしてみたら楽しくて、達成することが嬉しいと感じてもらわない限り、私の空回りで終わります。今、ピアノへと進み、この0~3歳児コースで試行錯誤したお稽古がとても役に立っています。
 
 桃佳は、保育園でも先生が新しい歌、踊り、遊びを見せてもらっても、見よう見まねでトライすることはありません。私はたまにしか見られない同年齢の子と遊ぶ姿を見て、周りの子がトライしているのを見ると、「モモもやってごらん」と、やたらやらせようと促していました。0~3歳児コースに通ってもそれは同じで、モモはぼんやり立っているだけでした。でもそれは違うとしばらく経ってわかりました。教室では、ただ立っているだけだった桃佳は、家に帰ると1人でやってみようとするのです。それは、1人特訓。そして次の週の教室では、しっかりやるという流れができていました。彼女には彼女のペースがある。初めて実感した時でした。
 
彼女のペースがつかめるようになってからは、一緒に楽しめるように変わってきました 桃佳との生活はスズキ中心になっていました。習った歌を毎日歌う。習った俳句を保育園への通園時に言う。お友だちとのエピソードを食事中に振り返る。今まで仕事と桃佳との生活のバランスがうまく取れずに焦っていた私は、少しずつですが、うまくバランスが取れるようになりました。桃佳が変わったというより、私が変わることで、2人で一緒の目標を持ち、一緒に楽しみながら取り組めるようになった。という感じでしょうか。
 
 印象的なのは、家で聴く様々なCDから流れてくる音楽に、桃佳が「これはヴァイオリン」「これはチェロ」ということがあり、びっくりしました。私は流してしまっていても、桃佳は「聴いている」んだと思いました。リズムで習ったスキップを、1人特訓。3歳半を過ぎたときにはいつの間にかできるようになってました。親がまだ早いから無理かなと思っていたことも、本人のやる気次第でできちゃうんだ!と。
 
0〜3歳児コースで、松井恭代先生から表彰状を受け取りました。とても嬉しい瞬間でした とにかく毎日どこかでスズキでやったことを桃佳とやることにしていました。忙しい時はCDを流すだけのこともありました。俳句をやりたがらないことが多く、私もイライラしがちでした。桃佳がやらないと言い、「じゃあ、お母さんワンワン桃佳のお気に入りのぬいぐるみとやろう!」と言ってぬいぐるみを目の前に置き、1人で進める。桃佳はまったく入ってこない。こんな感じが続いたこともあります。それでも、耳には入ってるし、見ています。突然スラスラと俳句を諳んじることができ、びっくりしました。
 
 大好きなお風呂でやってみようと、俳句カードをパウチしてお風呂でやったりしました。「10枚やったら出ようね」と言ってゲーム感覚で。俳句の練習で一番好きだったのは、発表会ごっこ。これは桃佳が松井先生になり、私が桃佳役。うまくできると、「よくできました」と桃佳が褒めてくれます。これは一晩で10回ぐらいやらされて、疲れました。
 
 家で向かい合って「さあやろう」となると、こちらの気合いに辟易するのか空回りしがちでした。自転車に乗っている時、散歩している時、電車や車の移動の時、何か少し気が抜けている時に、なんとなく始めると上手くいきました。習った歌は、桃佳の名前を入れたり、替歌にしたり、よく歌いました。♪わたしゃ音楽家森の子リス~♪など特によく一緒に歌いました。桃佳が、子リスの所を家族や友だちの名前を入れて、楽器はその人のイメージに合う楽器を入れて歌ってました。
 
 Cコースへ進むと室礼当番があり、何をするのか迷いました。我が家ではホームモンテッソーリをしていますので、そのおしごとを室礼に当てるようにすると、おしごとを嫌がっていても、やる気満々になり、すんなり進みました。自作の俳句も、なかなか桃佳から出てくることはなく、どうしたらいいか考えました。まずは会話を五七五に。すると桃佳もなんとか五七五で話そうとする。そこで、桃佳の初の自作俳句誕生です。
 
 スズキも、モンテッソーリもそれぞれが単独で進むのではなく、すべてが繋がっているんだと気づきました。躾と同様、親が見本となる姿を、楽しむ姿を。これを見せられないと、ダメなんだなーと。
 
 桃佳は日によって、チェロがいい、ヴァイオリンがいい、ピアノがいいという感じで。ヴァイオリンとピアノの先生のところへ数ヵ所見学させていただきました。その中で、林由美先生のところへ体験にお邪魔しました。0~3歳児コースで先生に慣れていることもあり、楽しそうでした。
  
 私の仕事は忙しさに波があるので通いきれるかどうか、私自身に不安がありました。桃佳が家でピアノを弾いている時にふと「モモちゃん、ピアノのお稽古始めてみる?」と聞くと「うん」と。今までは、「やだー、ヴァイオリンがいい」や、「行きたくなーい」と言ってのらりくらりとしていたのに。そこで私も腹を括る覚悟が。林先生にお願いすることになりました。

 楽器の教室は、かなり親としてハードルが高く感じられました。「0~3歳児コースほど楽じゃないし、仕事をしながらお稽古できるのかしら」。それが一番の不安でした。林先生は、私のその不安を見透かすように、「大丈夫、聴いてる子は弾けるようになるから」と、言ってくださいました。時間を確保できるか不安な私にとって、とても気が楽になりました。
 

林由美先生クラスでのレッスン風景。7月17日(日)の多摩南ブロックのコンサート本番4日前です CDを聴くことぐらいはできる!と。レッスン中にダラダラする桃佳に私がイライラし始めると、先生はよく「大丈夫、今は聴いてるだけで」と、声をかけてくださいます。

 初めは、まったく何もできないところを、弾こうとするので、桃佳も私もイライラしました。でも、いっぺんには全部できない、一つずつやれるようにと声を掛ける内容を一回のお稽古に一つずつと決めました。姿勢、1の指、2の指、この音なんだ?、タカタカタッタ…。本当に一つずつです。それができたら後は自由。次の日は前日できたことと今日の声掛け、この繰り返しです。1つのことができるようになると、次のことをできるようになりたいと桃佳も貪欲に「やりたい!」とトライするようになりました。そのうちにCDから流れてくるメロディに近づきたいと思うように声掛けして、発表会になりました。
 
1巻の「ぶんぶんぶん」を一生懸命に練習しました
本番当日の桃佳さん。立派な演奏でした 0~3歳児コースに参加したことが、現在のピアノのおけいこのすべての基礎になっていると思います。私の準備不足が、桃佳のお稽古にすべて影響します。焦っていれば、挨拶もきちんとできない、仕事のことを考えていれば、ピアノに集中もできません。お稽古のときに他のことをしながらは絶対に無理。私が一緒にピアノに座らないとお稽古できません。でもそれは、俳句の練習、室礼作り、全部一緒で、何も準備しないで「さあ、やろう」と言っても無理です。そして、今までいろんなことをできるようになった経緯があるので、難しくてできないとふてっていても、またピアノの前に自分から座り練習するようになった姿を見ると、0~3歳児コースで小さな積み重ねをすることで、得たものは大きいと思います。
 
林由美先生と本番直後に記念撮影 私自身は子育てに対して「教えてあげる」が、基本にあったと思います。でも、スズキで学んだことは、上から教えようとしてもダメだということです。もちろん大人と子どもは立場が違います、責任という観点では圧倒的に違うのですが、1人の人間としては対等です。それが頭ではわかっていても、できていなかったと思います。どうしても、私の思い通りに「ことを進めよう」としていました。それは、人と比べたり、気分で接したりすることも含みます。
 
 桃佳の気持ちがまず「そうしたい、そうできたらいい」と思わない限り、そうはならない。当たり前のことを、「教えてあげる」という高い位置からの気持ちだと、気づけずにいました。桃佳の気持ちが「やろう!」となるまでが私のお手伝い。そのあとは勝手に彼女が進んでいくのです。スキップがいい例です。そして、それに気づいた後は、子どもの勤勉さや美しいものを愛でる平和的なことに感動します。一生懸命する姿は本当に感動的です。
 
 そして、0~3歳児コースでは、先生たちが本当に素晴らしかったです。子どものことでいっぱいいっぱいになっている親を温かく見守り、決して批判しない。「大丈夫だよ」と見守っていただいている感じがして、本当に居心地が良かったです。穏やかな空間を作ることは本当に難しいと思いますので、とても先生方には感謝しています。
 
府中のウィーンホールで、本番を見事にこなした桃佳さんに、木島光基くん(左)からプレゼント! 光基くんは0〜3歳児コースのAコースからずっと一緒で、家族ぐるみのお付き合いです。私自身が、友だちとして、お母様の木島純子さんと、とても親しくさせていただいてます。今回、桃佳の発表会ということで、駆けつけてくださいました。大きな花束と一緒に!!!  最後に、0〜3歳児コースでのエピソードを一つ。麻布十番教室の先生からです。雨靴を履いて来た桃佳さんに、「可愛い雨靴だね。これなら、雨が降っても大丈夫だね!」と、声かけをしたことがあります。その次のコース日、天気のよい日でしたが、雨靴を履いてきた桃佳さん。「先生に誉めていただいたのが嬉しかったらしく今日も見せると言って履いてきました」と、ニコニコ話すお母さん。自分から、「見て!」と行動することはほとんどありませんでしたが、毎朝ジッとこちらを見つめる桃佳さん。ヘアピンだったり、可愛い靴下だったりと、様子を観察して声かけをしてました。すると、表情がパッと変わりお母さんの所へ走っていき満足そうにお母さんを見上げていました。そんな桃佳さんを、「良かったね。先生は、気づいてくれたね!」と、声かけをするお母さん。そんな親子の雰囲気がとても素敵だったのを覚えています。
 
 この長靴のエピソードも、ちょっとしたことだと私は思っていましたが、先生からのメールで、前後の先生方の配慮があってのあの空間なんだと思い知るエピソードです。桃佳は、保育園ではズボン以外着てはいけないルール引っかかると危ないためなので、スカートやワンピースに憧れがありました。週末になるとお気に入りのワンピースを着て0~3歳児コースへ行くのですが、必ず先生方にお声がけいただき、髪を結っていっても「かわいいね」と。それは嬉しそうでした。

→0〜3歳児コース麻布十番教室

0~3歳児コース 各教室 秋冬日程公開と体験会&説明会のご案内

『2016年 秋冬コースの日程』を公開中!! (各教室のページにてご確認ください)

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