毎年春と夏に開催される「学びのフェス」
(主催:毎日新聞社、毎日小学生新聞、毎日メディアカフェ)に、
スズキ・メソードが出展しました。そのレポートをお届けします。

ご覧のように多彩な企業や団体が参加した学びのフェス。スズキ・メソードは正面入り口右のブースで、終日、たくさんの子どもたちで賑わいました 2014年夏から毎年春休みと夏休みに開催されている「学びのフェス」。普段は、参加できない企業やNPOのワークショップ、理科実験教室、マジック、パズル、フリーマーケットなど、多種多彩な内容で展開されてきました。今年は、スズキ・メソードも初参加。以下のような内容で、「見て聴いて、学んで、音を出す」プログラムを体験していただきました。

・まずは、スズキで学ぶ生徒たちによるクラシックの生演奏を聴く
・そして、楽器の音の出る仕組みなどを面白おかしく学ぶ
・お待ちかね、ヴァイオリン、チェロ、フルート、ピアノに触って、音を出してみる
・おまけとして、スズキ・メソードのカンバッチをその場で作り、プレゼント

という内容で、所要時間90分をかけて、みっちり、じっくり、楽しめる授業を、以下のように3回行ないました。担当される先生方も、回を重ねるごとに時間配分をしっかり行ない、アドリブも駆使して、楽しみながらプログラムを進めていました。

日時:2017年3月29日(水)
       ①11:00〜12:30 
       ②13:00〜14:30
       ③15:00〜16:30
会場:科学技術館(千代田区北の丸公園2番1号)
→「学びのフェス2017春」公式サイト

 マンスリースズキでは、その3回を内容ごとに分類し、写真中心で紹介します。

まずは、スズキ・メソードの子どもたちの演奏を聴いてみよう!

この日、スズキ・メソードの子どもたちが演奏した曲は、以下の通りです。
・狩人の合唱(ウェーバー)
・さくらさくら(日本古謡)
・フランス民謡(外国民謡)
・キラキラ星変奏曲(鈴木鎮一)
・ソナチネ へ長調第1楽章、第2楽章(ベートーヴェン)
・エリーゼのために(ベートーヴェン)
・かっこう(ダカン)

 会場の子どもたちは小学生が中心でした。ほぼ同じ世代やそれよりも小さな子どもたちの生演奏が、目の前で繰り広げられるのですから、どの子も興味津々の様子。付き添いの親御さんもじっと聴き入っていました。
 進行役の藍川政隆先生が、「今のキラキラ星変奏曲、それまでの曲と違っていたところわかるかな?」と問いかけました。「これはね、チェロがセカンドパートを弾いていたんですよ。合奏していたんだね。それぞれの楽器の音を聴いてみよう」。フルート、ヴァイオリン、チェロの音をそれぞれ聴いてから、もう一度、キラキラ星が演奏されると、会場の子どもたちは、「そうなんだぁ」という表情を浮かべていました。音楽への興味が増したようです。

音の出る仕組みを考えてみよう!  「音って、なんだろう?」 「そう、空気の振動だね!」

 進行役が、ピアノ科の鈴木雅之先生に変わりました。「みんな、音って、なんだろうね」と、いきなりの問いかけ。すると客席から手が上がりました。「震え、かな」。「そうだね、素晴らしい。試しにヴァイオリンで見てみようか。こうやって弦を弾くと、弦が震えているね」
 鈴木先生、今度は「ピアノは、どこが震えているのかな」と子どもたちをピアノの周りに集合させました。普段、見ることのないピアノの内部をいろいろと教えてもらう子どもたち。弦を震わせる(=音を出す)仕組みと同時に、弦の震えを止める(=音を止める)仕組みがあることにも気づきました。ペダルを踏むことで、内部の動きの変化も見ることができたようです。

 今度は、フルート科の中田英里先生が登場。「フルートは、どこが震えているのかな?」。なかなか難しそうです。フルートは、弦楽器やピアノのような弦がありません。「正解はね、息。息が空気の震えを作り、フルートの管の中で響きます。その息は私たちの体全体が支えています。でも、息は見えないから、見えるための工夫もしていますよ」と小道具を取り出し、息の働きを説明されました。

 弦楽器の仕組みについては、進行役の藍川政隆先生と佐藤明先生(シュガー・ライト博士として登場!)のチェロ科お二人による、漫談調でスタートしました。分解したチェロを見せながら、内部構造を見ていきました。「昆虫ならぬ魂柱と言ってね、大切な働きをしている棒もあります。ヴァイオリンも同じですよ」。弓の毛の素材についてや、チェロ特有のエンドピンについてもお話しいただきました。

さぁ、いろいろな楽器の「音」を出してみよう!

 お待ちかね、今度は楽器の体験です。みんな、触りたくてうずうずしていたのです。初めて触るフルートやヴァイオリン、チェロ、そしてピアノのコーナーに、あっという間に列ができました。それぞれの科の指導者が直に手取り足取り教えました。フルートは、息の出し方を練習しながら、実際に音を出すところを経験しました。ヴァイオリンは、顎に挟み、弓を持ってキラキラ星に挑戦。チェロは、足で楽器を挟み、弓を持って音出し。やってみてわかった難しさ、そしてそれ以上に楽しさがあったようです。どの子も真剣に取り組んでいたことが、印象的でした。

早野会長はじめスタッフの先生方で記念撮影。1日お疲れ様でした! 30人ずつ3組で90人の皆様に体験していただいた今回の「学びのフェス」。出演するスズキの生徒たちも、毎回少しずつメンバーを交代しながら、演奏しました。中には3ステージ全部出演の生徒さんもいましたね。

 参加された保護者の方々にこの日の感想を伺いましたので、紹介しましょう。

・2016年夏の「学びのフェス」の抽選に外れてしまったので、今回、楽しみに参加しました。ヴァイオリンに触りたくて、こちらに参加しました。音が出せるようになると面白くなるだろうなぁと思いました。チェロを分解して見せてくださったのは、とても面白いと思いました。楽器店でもなかなか見られないでしょうから。

・「学びのフェス」というだけあって、子どもたちが真剣に聴いていたし、積極的に取り組んでいたのが良かったですね。普段、音楽を聴いているだけでなく、音の出る仕組みを学んだり、楽器に触れることができ、いい体験をしたと思います。

・これまでは、楽器を触る機会としては、夏休みに実家に帰省した時に、ピアノに触ることぐらいしかなかったので、今回、新しい楽器としてヴァイオリンやチェロ、フルートに触ることができて良かったですね。できれば、もっと体験の時間を増やしていただき、一つひとつのプログラムの間でも、楽器に触る場面をもっと入れていただけると、さらに良くなると思いました。2016年夏にも「学びのフェス」に参加しましたが、帰り道に「今日はこんなことをしたよ」と反応が返ってきたので、それが親としては嬉しいことです。今日のことも強い印象を残したと思います。

・楽器に触れる時間があって、いいですね。今回は、音楽系のプログラムを見てみたいと思って参加しました。体験型であることが、この「学びのフェス」の素晴らしいところです。

・キャンセル待ちで参加でき、とてもラッキーでした。ピアノを習っているので、いろいろな楽器を触りたいということで、参加しました。難しいかなと思っていたフルートも音を出すことができ、嬉しそうでした。体験させていただき、ありがとうございました。

・ピアノのお子さんの独奏が良かったですね。とても上手なのでびっくりしました。もともとスズキ・メソードがいいと聞いていましたので、今回の体験は、とてもいい刺激になりました。

・「学びのフェス」には何度か参加しています。今日のプログラムは、面白かったですね。普段、楽器の中を見ることなどできませんから、とても興味深い体験でした。他の出展されているブースは、例年通りでしたが、ここのスズキ・メソードは変化がありましたね。できれば、楽器を通して育つスズキ・メソードの中身をもっと知りたいと思いました。

 最後に、「学びのフェス」を運営された側から、主催者の一つ、毎日メディアカフェ運営事務局の冨永浩敬さんにお話を伺いました。

 スズキ・メソードのヴァイオリン科出身で、ヴァイオリン製作のマイスターになった大親友がいるのですが、スズキ・メソードが具体的にどんなことを教えているのか、具体的には知りませんでした。今日はその片鱗が見られて、瞬間瞬間で特徴をとらえ、子どもの能力を伸ばしてあげる教え方をされておられることがよくわかりました。私自身、ピアノを学び、途中からティンパニの勉強もしましたが、どちらも、生徒が萎縮してしまうような先生でしたので、スズキ・メソードのように、ほめながら育ててくださる先生に出会いたかったなと思いました。その意味で、今日は一受講生の身になって、拝見していました。「あぁ、こういう先生に習いたかったなぁ」と。
 新聞社ごとにいろいろな似たような企画がありますが、「学びのフェス」は、手作り感いっぱいの工夫を随所にしています。例えば、順番待ちの列を作るところでも、本当はパーテーションを作ってチェーンなどにお金をかけることもできますが、私たちは人の動きでなんとかクリアさせています。その分、低料金で開催できます。何と言っても出会いが素敵ですね。2014年夏から開催し、今回で7回目になります。もともと早野先生から、私どもの「毎日メディアカフェ」で、スズキ・メソードの子どもたちの演奏を聴かせていただいたり、また、東京大学との共同研究についてお話しいただきました。それで、こちらから、「学びのフェス」を提案させていただきました。本来のスズキ・メソードの対象とされる年齢よりも上の小学生が中心となりますが、このような機会を通して、ますますスズキ・メソードが認知されることを、私たちも願っています。今日はありがとうございました。