第1回スズキ教育法研究会を開催

 これまでにも様々なテーマ、場所で開催されてきたスズキ教育法研究会。テーマの一例を挙げると、「これからのスズキ・メソードの展望」「自立について」「スズキにおけるアンサンブル」「スズキ・メソードで何を育てるのか」「スズキの独自性、スズキらしさを求めて」「初歩時代をどう過ごすか」「スズキの原点を探る=親、指導者、生徒のトライアングルの確立について」など、多彩。しかし、一貫して指導者が自らの体験、経験を語り合うことで、互いを刺激しあう場となってきました。

 今回のスズキ教育法研究会は、指導歴20年以下の先生方にフォーカスをあてた1月26日(土)の研究会、そして全体を交えて27日(日)の研究会と2日間にわたり、才能教育会館ホールで開催されました。

 早野龍五会長の基調講演の後、舞台上に指導歴20年以下の先生方が車座になり、自己紹介や指導者になったきっかけなど、フリートークから始まりました。そして、事前に実施された指導歴20年以下の指導者177名へのアンケートの結果が、資料として配布され、スクリーンでも映し出されていました。質問項目は、

・初歩の指導で一番心がけていること。
・会員へのスズキの説明で心がけていること。
・入会前の生徒さんへのスズキの説明で心がけていること。
など、若い先生方がどのようなことを考え、悩んでおられるのかが浮き彫りになるような内容でした。スズキ教育法研究会では、このアンケート結果を考えるきっかけとして、今後の研究会に役立てていくことが確認されました。

 指導歴50年を越され、アドバイザーとして参加された鳥羽尋子先生(甲信地区ヴァイオリン科指導者)からは、鳥羽クラスでのお母様がまとめた文章が紹介され、具体的な中身に若い指導者たちから大きな関心が寄せられました。「お稽古中に怒ってしまうお母様へ」「お稽古をしようとしない子へ」などについての様々なアイデアが紹介されました。

 また、昨年のスズキ教育法研究会委員会が作成した「鈴木鎮一のことば集~心を育てる」の中から、読んで印象に残った箇所を数名の指導者が具体的に取り上げ、鳥羽先生から経験を踏まえたアドバイスをいただきました。

 18時以降は、会長と夕食をともにしながら、教室宣伝について、ホームページの活用法、リーフレットの活用法、復習や部分練習の回数や質についてなど、多岐にわたる話題で意見交換が続きました。

 今回の研究会中、50年前、当時アメリカにおられた鳥羽尋子先生あてに、鈴木先生から届いたオープンリールの中身が紹介されました。「鳥羽クラスの最近の現状をご報告します」と録音された、70代の若々しい鈴木先生と可愛い子どもたちのボイスレターに、今の指導者たちからも思わず笑みがこぼれました。録音は、アメリカで指導されるため渡米された鳥羽先生に、留守の間の松本音楽院の子どもたちの成長ぶりが手に取るようにわかるもので、鈴木先生と当時の子どもたちの独特なやりとりと、その演奏が記録された貴重な音源でした。音源の最後には、「才能教育法の徹底」について、鈴木先生の考えが改めて示され、日本を代表してアメリカに指導に行かれている鳥羽尋子先生への激励と同時に、「教育法の徹底」にこだわって欲しいという願いが記録されていました。

 今後は今回のスズキ指導法研究会をきっかけに、若手指導者の皆さんが自主的に活動を進め、また海外の指導者との交流も積極的に行なうなど、これまで以上の広がり、深まりが期待されます。