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6月4日(日)「0〜3歳児コース」10周年を迎え、松本でシンポジウムを開催!

 マンスリースズキ6月号でお知らせした全国指導者研究会。多彩なプログラムで6月5日〜8日まで松本にて開催されましたが、それよりも1日早く、全国の0〜3歳児コースに関わる指導者たちが一堂に会し、リニューアルされたばかりの才能教育会館ホールにて、0〜3歳児コースのシンポジウムが開催されました。すでに3回目となるシンポジウムですが、0〜3歳児コースがスタートして10年間の総決算と、未来のスタッフ育成や指導者認定制度新設のための意見交換、さらには有効な手引き書を作ることを、目的としていました。

 まずは、スズキ・メソードの大切な理念の一つを確認しました。
 親と子どもと指導者の関係は三角形で表すことが通例ですが、0〜3歳児コースでは、さらに3次元の高さを加えた三角錐で表現することで、子どもの生命力の無限の可能性が、「真・善・美を備えた文化人」にまで高められることを全員で確認しました。
 また、2010年の教室長会議で決定したスズキ理念の花弁も取り上げ、「あいさつ」の代わりに「礼節」または「禮節」とすることも検討しました。

 和泉教室の「お母さん教室」のこの10年間の歩み報告や、麻布十番教室の「心のお稽古ノート」の実践例など、今のお母さんたちの姿を通して、いかにスズキ・メソードの真髄を伝え、0〜3歳児コースの考え方を理解していただくか、工夫を凝らして発表されたお話は、お母さんたちを心から応援し、子育てを一緒に考える上で、いずれもとても参考になるものでした。

 0〜3歳児コースで教材に使われる「一茶の俳句」についても、鈴木鎮一先生が重要視された意味を全員で改めて確認することができました。西宮教室からは、教室では発言がないお子さんでも、お家でお母さんとの間で俳句を通して、いろいろなやり取りがあることが報告されました。絵から想像する楽しみや季節を味わう心が育つこと、さらには鈴木先生が西洋音楽を相手にしながらも、俳句を通して日本文化も大切にされておられたことも確認しました。

 リズム感は、音楽の中でもとても早い時期に会得できるものという視点から、リズム感を養う要素をなるべくプログラムに早い段階から取り入れていく大切さについても、発表がありました。音が鳴ったら動作をする、というようなクイックモーションも脳の働きに役立つこと、さらには目に見えないものを想像することで心を育てる大切さについても言及がありました。そのために有効なリトミックを活用することで、耳で聴き、頭で考え、行動に移す回路を育てることができることも確認されました。

指導者が多く集まった分科会 今後、0〜3歳児コースの新しい教室を開設したり、新たに指導者となるための方策も検討されました。今のお母さんたちに何が必要かを常に考え、一手間を惜しまず、常に研究する姿勢が大切であること。0〜3歳児コースは各楽器のレッスンに直結する技術指導ではなく、根っこを育てることであることも、改めて確認されました。

 今回のシンポジウムで、さらに全国の0〜3歳児コースを営む教室が増え、関わる指導者が増えることが期待されます。なお、全国指導者研究会期間中の分科会(6月6日、まつもと市民芸術館・アトリエ1)には、「スズキ・メソードにおける0〜3歳児コースがめざすもの」をテーマに多数の指導者が集まり、0〜3歳児コースへの並々ならぬ関心の高さが伺えたことも報告しておきます。