第16回チャイコフスキー国際コンクール・チェロ部門第1位は、
アメリカのスズキでチェロを学んだ20歳の俊英!


 エリザベート王妃国際音楽コンクール、ショパン国際ピアノコンクールと並ぶ世界三大コンクールの一つに数えられ、世界的に最も権威のあるクラシック音楽のコンクールのひとつと位置づけられているチャイコフスキー国際コンクールは、4年に1回開催され、今年で第16回。ロシアのモスクワとサンクトペテルブルクの現地時間で6月17日〜27日まで開催され、29日にはガラコンサートも開催されました。そのすべてが、インターネットで無料配信されましたので、まるでアスリートたちのスポーツ中継のごとく、日本時間の深夜にライブ中継を楽しまれた方も多いでしょう。

→チャイコフスキー国際コンクール

 ヴァイオリン部門には、スズキ・メソードでヴァイオリンを学ばれた北川千紗さん(東海地区ヴァイオリン科・青山泰弘先生クラス出身)、同じくチェロを学ばれた水野優也さん(関東地区チェロ科・河地正美先生クラス出身)がエントリーされ、その演奏が世界中に配信されました。上のアドレスでくまなく見ることができます。もちろん、ニュースでも広く報道されたピアノ部門第2位の藤田真央さん(東京音楽大学3年生)のフレッシュで、誰をも虜にしてしまうような素晴らしい演奏も楽しめます。

 チェロ部門で見事第1位の栄誉に輝いたZlatomir Fung(ズラトミール・ファング)さんは、アメリカのスズキ・メソードで3歳半からチェロを学んだ俊英です。審査員の一人として参加された堤剛先生によると、Fungさんから、「小さい頃に堤先生のチェロ科指導曲集のCDをよく聴いて育ちました」との嬉しいお話があったそうです。世界の第一線に躍り出た20歳の俊英が、スズキのチェロ科出身ということ、そして堤先生のCDをよく聴くことで、耳を育てられたというコメントは、ビッグニュースでした。

 堤剛先生が感じられたZlatomir Fungさんの魅力
 コンクールでのFungさん(お父上が中国系、お母様がブルガリア系だと聞いております)の演奏は本当にお見事でした。スズキ・メソードで育った故か、音楽の作りや技術面へのアプローチがとても自然のように感じました。音楽に対する真摯な姿勢、あたかも言葉を喋るがごとき自然なテクニック、決して飾らないが豊かな歌心、静かな物腰ではあるが自分というものをしっかりと持っている人間性-鈴木鎮一先生の教えが、そこに現れているような印象を受けました。


 そのFungさんの1st Round、2nd Round、Finalでの演奏は、次のアドレスでご覧になれます。

→Zlatomir Fungさんの演奏

 彼自身の公式サイトには、今回の受賞の喜びとともに、かつて弦楽専門誌Strad誌から受けたインタビュー記事なども読むことができます。その中で、スズキ・メソードでチェロを始めたことにも触れていました。

→Zlatomir Fungさん公式サイト

 なお、今回のコンクールの優勝者たちによるガラコンサートが今秋、日本各地で開催されます。楽しみですね。
・10月7日(月)岩手県民会館 大ホール(問)岩手県民会館 事業課 019-624-1173
・10月8日(火)サントリーホール(問)ジャパンアーツぴあコールセンター 0570-00-1212
・10月9日(水)ノバホール(問)(公財)つくば文化振興財団 029-856-7007
・10月10日(木)愛知県芸術劇場コンサートホール(問)テレビ愛知事業部 052-243-8600
・10月12日(土)ザ・シンフォニーホール(問)ABCチケットインフォメーション 06-6453-6000
・10月13日(日)山形テルサホール(問)山形テルサ 023-646-6677
詳しくは、チラシをクリックするとガラコンサートの案内サイトにリンクします。