一年の稽(けい)

会長 早野龍五

 みなさま新年あけましておめでとうございます。
 

 元号が令和と改まって初めての春を迎えました。今年一年が、みなさまにとっても、スズキ・メソードの発展にとっても、良い年になることを祈念したいと思います。
 
 ところで、表題の「一年の稽」をご覧になって、みなさんは、「一年の計」の書き間違えと思われたことでしょう。もちろん、正しくは「一年の計」と書くのですが、今日はあえて稽と書いてみました。稽は、中学校で習うちょっと難しい漢字です。滑稽、荒唐無稽、稽古などで使われます。
 
 その「稽古」ですが、鈴木鎮一先生は、練習とおっしゃらずに、「おけいこ」という言葉を良く使っておられました。曰く、「おけいこをしなくてもよい日があります。それは朝から晩まで何も食べない日です」、「毎日のおけいこのやり方で能力が決まってゆきます」、などなど。
 
 練習も稽古もほぼ同じ意味の言葉で、現在では「練習」を使う場面が多いような気がしますが、私は最近、鈴木先生に倣って、なるべく「稽古」を使うようにしています。それは、「稽」という字に「考える」という意味があることにあらためて気づいたからです。
 
 ひらがなで「おけいこ」と書くと気づきにくいのですが、お稽古の「稽」が「考える」という意味だと知ると、俄然、考えながら繰り返すことの重要性が身に染みます。鈴木先生も言っておられます「いくら弾いても上手にならぬ、考えなしにこする人」と。
 
 さらに言えば、考えているだけでは駄目ですよね。「思ったら行なう」。これも鈴木先生が繰り返し言っておられたことです。
 
 私たち、会の運営に携わる者としては、スズキ・メソードを次の時代、次の世代に引き継いでいくために、何が必要かを考え、必要な変革を行なっていかねばなりません。
 
 お気づきかと思いますが、昨年12月に公式サイトをスマートフォンに対応するようにリニューアルしました。また、会員などのデータを扱う業務システムの全面更新にも着手しています。
 
 ほぼ一年後に完成予定の新システムでは、会員ごとの「マイページ」を設け、会員の方々とスズキ・メソード本部との双方向の情報流通ができるようにする予定です。さらに、維持会員の会費を、マイページを利用して本部に直接お支払いいただくことで、業務をスリム化する準備を進めています。これらについては、詳細が決まり次第ご連絡申し上げます。その際にはご協力よろしくお願いします。
 
 新年を迎え、皆様はどんな一年の「稽」を思い描かれているでしょうか?