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「特別講師によるコンサート」を開催したこの日。まつもと市民芸術館に集まったたくさんのお客様は、圧倒的な名演を楽しみました。

 

教室レッスン・グループレッスンスタート 9:30〜11:30

 ヴァイオリン科、チェロ科、フルート科、それぞれの教室レッスン、グループレッスン、弦楽B、0〜3歳児コースが開催されました。
 

ピアノ科 お別れ会 9:30〜12:00

 才能教育会館ホールにて、各教室ごとの成果発表と期間中に創作した俳句が披露されました。そのごく一部を紹介しましょう。
  戻ってきた にぎやかな音 晴れた空
  空高く きれいにそびえる 山たちかな
  セミの声 ピアノといっしょに なりひびく
  空の下 元気にひびく ピアノの音
  かきがっこう ピアノをひいて いい気持ち
 期間中に、ピアノのレッスンに打ち込まれた様子、そして松本の自然を大好きになった様子が感じられる句ですね。

 

午後も引き続き、教室別レッスン・グループレッスン 13:00〜15:00

 ヴァイオリン科、チェロ科、フルート科は、昨日同様に各科ごとにレッスンが続きました。弦楽Aもさらに練習に熱が入っていました。主ホールでは、特別講師の先生方のリハーサルが続いていました。16時からのコンサートがとても楽しみです。
 一つ、大きなエピソードがありました。スズキ・フルートの創設者である髙橋利夫先生がフルート科指導者からの熱心なお声がけで、この日のグループレッスンの会場にお姿を表してくださいました。実に5年ぶりです。何人もの指導者たちの涙ぐむ姿、最初は座って聴いていらした先生が思わず立ち上がり、レッスンをされる場面もあり、大変感動的なシーンが生まれましたことをここに記録しておきます。

特別講師によるコンサート 16:00〜18:00

 主ホールで、名古屋の宗次ホールがスポンサーとして協力してくださった「特別講師によるコンサート」を開催しました。夏期学校期間中に各科で素晴らしいレッスンや講義を行なってくださった特別講師の先生方が、その持てる音楽性を遺憾なく発揮されたのが、このコンサートでした。例年より早い時間帯での一般公開をしましたので、当日券を購入された地元の皆様も駆けつけてくださり、ほぼ満席の中で始まりました。
 

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 演奏曲は、以下の通りです。
・メンデルスゾーン(ハイフェッツ版):歌の翼に
・クライスラー:La Gitana
・アイルランド民謡(クライスラー版):ロンドンデリーの歌 
  江口有香(Vn)、臼井文代(Pf)

・リスト:愛の夢
・リスト(ホロヴィッツ編):ハンガリー狂詩曲第2番
  東 誠三(Pf)
 
・アンリ・ビュッセル:前奏曲とスケルツォ Op.35
・山田耕筰:「この道」を主題とせる変奏曲
  宮前丈明(Fl)、臼井文代(Pf)
 
・チャイコフスキー:ピアノ三重奏曲 イ短調 Op.50 「偉大な芸術家の思い出に」
  竹澤恭子(Vn)、山本裕康(Vc)、東 誠三(Pf)

 
 いずれも素晴らしい名演が続きました。満員の聴衆を前にしての演奏には奏者の皆さんの並々ならぬパッションも感じさせました。
 
 最初に登場された江口有香先生。なんと裸足でのご登場です。気が付かれた方、いらっしゃいますか? 高いヒールを履かれるよりも、安定した体の動きを作れるのでしょうね。1曲目は、かの名ヴァイオリニストのハイフェッツが自ら編曲し、アンコールピースとしてよく演奏した「歌の翼に」。軽やかで大胆な編曲に加えて、ヴィルティオーゾ的要素もたっぷりふりかけた味わいはさすが。江口先生の歌いっぷりも素敵でした。2曲目はクライスラーの作品。タイトルのLa Gitanaはスペイン語で「ジプシーの女」という意味。当時のスペインの大ヴァイオリニスト、サラサーテからインスピレーションを得て書かれた作品で、スペインとアラブの文化が融合しエキゾチックで印象的な表現を見事に江口先生は表していましたね。最後の「ロンドンデリーの歌」もクライスラーの作品。どこか懐かしさを醸し出す作品でした。それもそのはず「ダニーボーイ」の名前でよく知られています。江口先生の演奏は独特の間を伴う演奏。よく響くヴァイオリンの音色が素敵でした。ピッタリつけられる臼井先生との素敵なアンサンブルにうっとりする時間となりました。
 
 昨年はショパンを披露された東誠三先生。今年はリストの作品2曲を演奏されました。1曲目の「愛の夢」は、「3つの夜想曲」という副題を持ちますが、この日演奏されたのはその第3番。最も有名な作品でした。東先生の端正な演奏、キレのある表現、そして豊かな表現力は、いつ聴いても魅了されます。終末部の素晴らしさには、特に感じ入りました。2曲目は、「ハンガリー狂詩曲第2番」のウラジミール・ホロビッツ編曲版です。嬰ヘ短調で表現されるジプシー風音階がとても印象に残りました。聴いていて、自然と体を動かしたくなるから不思議です。ピアノ科初日の「練習メニューについて」のレクチャーでお話しされたような形で、東先生はいつも練習を重ねておられるのだろうと思いながら聴いていると、さらに曲の深い解釈の分野でも様々なアプローチがあるのだろうなぁと思ったりして、いろいろと想像の翼を広げる楽しみを味わうことができました。
 
 宮前丈明先生も2曲演奏されました。1曲目がビュッセルの「前奏曲とスケルツォ」。作曲者のビュッセルは、ローマ大賞を取り、パリ音楽院作曲科教授として多くの弟子を育て、ドビュッシーの元々はピアノ連弾曲だった「小組曲」を管弦楽版に仕立て上げた人です。それだけに、音の色彩感が多彩で、宮前先生の演奏もウキウキしてくるような躍動感がありました。2曲目はうってかわって、山田耕筰の作品。歌曲「この道」をテーマに8つの変奏が進みながら、トリルや高速アルペジオが連続する大変な難曲ですが、宮前先生は華やかにこの曲を演奏されていました。
 
 そして竹澤恭子先生のヴァイオリン、山本裕康先生のチェロ、東誠三先生のピアノで演奏されたのが、チャイコフスキーの名曲中の名曲、ピアノ三重奏曲「偉大な芸術家の思い出に」。「偉大な芸術家」というのは、モスクワ音楽院の初代院長でピアニストのニコライ・ルービンシュタインのこと。チャイコフスキーはこの友人への追悼音楽として大傑作を送ったのです。それにしても、今宵の演奏は、圧巻。昨年のブラームスに続き、今年も室内楽の醍醐味を存分に味わうことができました。竹澤先生が投げるボールを男性陣がしっかと受け止め、さらに磨きをかける。そんなやりとりも最高で、こうした曲にチャレンジしてみたいと生徒さんたちの心にも火をつけたはず。50分に及ばんとする素晴らしい名演でした。
 
 それにしても、聴衆のマナーの素敵なこと! 奏者の皆さんもそれぞれ口にされていましたが、静かに集中してこのコンサートを聴かれた聴衆の皆さんにも拍手です。