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いよいよ最終日。充実したレッスンとコンサートの数々をすべて終えて、
「お別れコンサート」と閉校式を迎えました。

 
 前日は雨模様の時間帯もありましが、最終日の松本は、やはり快晴です。朝一番、会場に元気に通ってくるみなさんの元気な姿がいいですね。
 

教室別レッスン・グループレッスン 9:30〜11:30

 ヴァイオリン科、チェロ科は、最後の教室別レッスンとグループレッスンを、フルート科も宮前丈明先生による最後となるグループレッスンを開催。それぞれの場所で、名残惜しい時間を過ごし、課題曲に最後の磨きをかけました。
 

お別れコンサート・閉校式 13:00〜15:00

 ヴァイオリン科、チェロ科、フルート科の全生徒と保護者が主ホールに再集合して、いよいよお別れコンサートです。
 
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 まずは、弦楽Bの皆さんによるロッシーニの「弦楽のためのソナタ第1番」の第1楽章が演奏されました。山同直樹先生の指揮に合わせて、わずか12歳で作曲したというロッシーニのト長調の明るい響きが、心地よく鳴っていました。ヴァイオリンを対向配置にされたこともいい効果を生んだようです。練習中に山同先生はいろいろな場所に動くことで、どこからでも指揮を見るユニークな練習が印象的でしたが、その4日間の成果は惜しみなく演奏に表れていましたね。
 
 そして、弦楽Aの皆さんによるレスピーギの「リュートのための古代舞曲とアリア第3組曲」からイタリアーナ・シチリアーナ・パッサカリアが続きました。指揮の松本尚三先生は3曲それぞれの特徴をたっぷりと伝えながら、それぞれのパートが気持ちよく歌えるよう細やかに指導されていました。いずれの曲も名曲ですが、特にパッサカリアの冒頭の鋭いリズム感はインパクトがありました。
 そして、チェロ科、フルート科、ヴァイオリン科とそれぞれの成果発表が続きました。チェロ科では、山本裕康先生ご指導によるチェロアンサンブルとしてゴルターマン作曲の「レリジオーソ」(敬虔に、厳粛に、という意味があります)が披露されました。この曲は、2025年4月6日開催のチェロ科創設70周年記念第26回チェロ全国大会でも演奏が予定されている曲です。
 
 クライマックスは、三科合同の3曲でした。ヴァイオリン科・チェロ科・フルート科の生徒さんたちが、ステージで、客席で、そしてバルコニー席で元気いっぱいにスズキの音を奏でました。この思い出を忘れずに、また、来年元気な顔を見せて欲しいものです。
 
 そのまま閉校式が始まりました。最初に早野龍五 理事長兼会長からご挨拶をいただきました。
 
早野龍五 理事長兼会長
 はい、2019年以来、5年ぶりにこうした対面で夏期学校を開催することができ、本当に良かったと思います。どうもありがとうございました。今回の参加者数を発表しましょう。ヴァイオリン科の生徒さん、402名、チェロ科71名、フルート科16名、ピアノ科58名、合わせて561名の参加でした。指導者が305名、それに保護者の皆様を加えて、総勢1,600名の皆さんが参加してくださいました。来年もまた夏期学校で会いましょう。
 
竹澤恭子先生
 このように暑い中、汗をかきながら、楽器を背負いながら、4日間がんばってきましたね。先ほどアナウンスで夏期学校が終了することを言われ、それに生徒さんたちが「あぁ、もう終わっちゃうんだぁ」ととてもピュアなつぶやきが聞こえてきました。私自身は、今年はメンデルスゾーンのヴァイオリン協奏曲のクラスを担当しましたが、皆さん、しっかり準備をしてきてくださって、「少しでも上手になりたい」「少しでもいいものをつかみたい」とコミュニケーションを取りながら全身で受け止めてくださいました。私自身も逆にエネルギーをいただいたほどです。これからも、みなさんはさまざまな作曲家といろいろなコミュニケーションをしながら、自分の体の中でそのやりとりを形にしてくださると、音の中に自然に心が入ってくると思います。そうした気持ちを込めて演奏すると、音楽がとても生き生きとして、皆さんとシェアされるといいなと思います。来年も楽しみにしています。
 
宮前丈明先生
 夏期学校、楽しかったですよね。準備してくださる実行委員会の皆さんも大変だったと思いますが、大成功でした。たくさんのありがとうを申し上げたいと思います。生徒さんのコンサートも昨晩の特別講師のコンサートも、ものすごく皆さん静かに聴いてくださいました。あれだけ静かにできる、って普通は難しいことなんです。ですので、子どもたちに私はありがとうと言いたいです。そして保護者の皆さんにもありがとうといいたいです。そして、また来年も会いましょう。ありがとうございました。
 
寺田義彦大会委員長
 また、関東地区チェロ科指導者の寺田義彦大会委員長からは、2025年の第74回夏期学校の開催日程とメイン会場が変わることが発表されました。以下の通りです。
◼︎ヴァイオリン科・チェロ科・フルート科 7月31日(水)〜8月3日(土)
◼︎ピアノ科 8月2日(金)〜5日(月)
◼︎メイン会場 キッセイ文化ホール(長野県松本文化会館)
となりました。皆さん、ぜひいらっしゃってください。
 
 
臼井紳二実行委員長
 最後に、臼井紳二実行委員長から、閉校宣言をいただきました。「皆様、たくさんのことを勉強されたことと思います。大切にお持ち帰りいただき、これからのお稽古に役立てていただければと思います。そして、ご自宅まで気をつけてお帰りください。この第73回夏期学校にご参加いただき、本当にありがとうございました」

エピローグ

 夏期学校終了後に、マンスリースズキ編集部に素敵なエピソードが寄せられましたので、紹介しましょう。
 

右から2番目が桜さんです

 主人公は、中学1年生の佐々木桜さん(関東地区ヴァイオリン科守田千惠子先生クラス)。夏期学校最終日の前日の夜中3時までかかって、ホテルで「貼り絵」を制作されました。まつもと市民芸術館と松本駅で入手されたチラシのみで作られていて、ご本人曰く「松本らしい色合いになりました」とのこと。タイトルは「日本アルプスに住む雷鳥と、日本アルプスの山と、ヴァイオリン」です。朝になって、コンビニでカラーコピーして弦楽の指揮をされていた松本尚三先生や友人たちに配布され、みんなにびっくりされたとのこと。

ホテルで一生懸命作りました

 音楽だけでなく、訪れた土地からのインスピレーションをたくみに貼り絵という形で表現された桜さんに拍手です。

 ところで、この桜さん、2016年のマンスリースズキでも登場されていました。日本から参加された豊田耕兒先生を中心にスペインのバルセロナで開催された70th Anniversary in Barcelonaに4歳の桜さんも参加され、しっかりとマンスリースズキ向けに感想文もいただいておりました。こちらからご覧いただけます。
 →マンスリースズキ2016年8月号の記事