モーツァルトからドヴォルザークへ
―夏の松本を彩る名手たちの響き第75回夏期学校〜「特別講師によるコンサート」
夏の松本を彩るスズキ・メソード夏期学校。そのハイライトの一つ「特別講師によるコンサート」が、7月31日(金)午後4時からキッセイ文化ホール大ホールで開催されます。例年、夏期学校の参加者だけでなく、地域の音楽ファンからも高い人気を集めるこの演奏会。今年は、モーツァルト、ショパン、イベール、そしてドヴォルザークという、時代も編成も多彩な作品が並び、室内楽の魅力を存分に味わえる内容となっています。
幕開けは、モーツァルトの《ピアノとヴァイオリンのためのソナタ ホ短調 K.304》。母を失った悲しみの中で書かれたとされるこの作品は、モーツァルトには名曲の多い短調作品であり、深い叙情と繊細な対話が魅力です。続く《ヴァイオリンとチェロ(原曲ヴィオラ)のためのデュオ ト長調 K.423》では、二つの弦楽器だけで織りなされる親密な音楽の世界が広がります。技巧的でありながら温かな会話のような響きは、スズキの学びの根底にある「ともに聴き合う」喜びを象徴しているかのようです。
前半から一転して、ショパンの《スケルツォ第4番 ホ長調 Op.54》では、ピアノが華やかな光を放ちます。ショパン晩年の円熟した筆致によるこの作品は、幻想的な美しさと高度な技巧が融合した名曲。夏の午後のひとときに、鮮やかな彩りを添えてくれることでしょう。
さらに、フルートの名曲として知られるイベールの《フルート協奏曲》も演奏されます。軽妙なリズム、透明感あふれる旋律、そしてフランス音楽ならではの洒脱な色彩感が魅力で、会場に爽やかな風を運んでくれるに違いありません。
そして演奏会の終盤を飾るのは、ドヴォルザークの《ピアノ三重奏曲第3番 ヘ短調 Op.65》。作曲家自身が深い悲しみを抱えていた時期に生まれたこの大作は、激しい情熱と内省的な美しさをあわせ持つ傑作です。ヴァイオリン、チェロ、ピアノが互いに寄り添い、ときに激しく語り合いながら、壮大な音楽世界を築き上げます。
今年の「特別講師によるコンサート」は、モーツァルトの親密な室内楽から、ショパンとイベールの華やかな独奏作品、そしてドヴォルザークの重厚な三重奏へと至る、まるで一編の物語のような構成です。夏期学校の学びを支える特別講師の先生方が、日頃の指導者としての顔とはまた違う、演奏家としての真価を披露する貴重な機会でもあります。
公益社団法人才能教育研究会が主催するこのコンサートは、一般のお客様も入場可能です。松本の夏に響く名手たちの演奏に耳を傾けながら、音楽が人と人を結びつける喜びを、ぜひ会場で味わっていただきたいと思います。
スズキ・メソード 第75回夏期学校
特別講師によるコンサート プログラム
2026 年7月31日(金)
15:30 開場 16:00開演
入場料:3,000円(当日券/全席自由)
キッセイ文化ホール 大ホール
プログラム
・モーツァルト:ピアノとヴァイオリンのためのソナタ ホ短調 K.304
荻原尚子Vn、臼井文代Pf
・モーツァルト:ヴァイオリンとチェロ(原曲ヴィオラ)のためのデュオ ト長調 K.423
荻原尚子Vn、山本裕康Vc
・ショパン:華麗なる大ワルツ 変イ長調Op.34-1
・ショパン:スケルツォ 第4番 ホ長調 Op.54
東 誠三Pf
・イベール:フルート協奏曲
宮前丈明Fl、臼井文代Pf
・ドヴォルザーク:ピアノ三重奏曲 第3番 ヘ短調 Op.65
東 誠三Pf、竹澤恭子Vn、山本裕康Vc
問合せ:公益社団法人才能教育研究会 夏期学校係