江口有香先生と弾こう!
〜音でつながった秋の一日

 

 9月23日(水・祝)、新宿区立江戸川小学校講堂で、スズキ・メソード関東地区ヴァイオリン科主催による「江口有香先生と弾こう!」が開催されました。小雨混じりの一日となりましたが、延べ約160名の生徒と約40名の指導者が参加。「お手本動画」でお馴染みの江口有香先生を囲んで、たっぷりと音楽を楽しみました。

 会場となった江戸川小学校は、今年6月の全国指導者研究会でのパネルディスカッションにパネリストのお一人として登場された岡千恵先生が校長を務めておられる学校です。

自由参加の江戸川小学校の生徒さんたちも、
楽器体験に興味津々。中央が岡千恵校長先生

研究会では、 岡先生は、公教育の現場で進む「個別最適化」について語りました。現在の学校では、35人学級化が進み、一人ひとりに目を向けやすくなった一方、発達に課題を抱える子どもや、いわゆる「グレーゾーン」の子どもたちへの対応が大きな課題となっていると言います。また、電子黒板やタブレット、AI活用など、学びのスタイルそのものが急速に変化している現状も紹介されました。

 また岡先生からは、「そこにいるだけでもOK」という視点の大切さが語られました。グループレッスンの中で、演奏できなくても、その場に参加し、音を聴き、人と関わるだけでも、その子にとっては大きな成長になる場合があるという指摘は、多くの指導者に新たな気づきを与えました。
 
 その岡校長の小学校で、今回の体験イベントとして、スズキ・メソードのグループレッスンが開催されたことは、とても意義深いことと言えるでしょう。
 
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 この日のイベントは、指導曲集の進度に合わせた3部構成。午前10時からは4~7巻の生徒たちがヴィヴァルディやウェーバー、バッハなどを、11時30分からは1~3巻、午後2時からは8巻~研究科卒業までの生徒たちがモーツァルト、グレトリー、フィオッコなどを演奏しました。江口先生は一緒に弾きながら、音の出し方や弓の使い方、曲や作曲者についてもわかりやすく語りかけます。先生からの言葉にすぐ音で応えようとする子どもたち。その生き生きとしたやり取りが、会場全体を一つにしていきました。
 
 レッスンの合間には、江口先生の演奏も。川沼顕先生とのデュエットでは指導曲集1、2巻から3曲を披露し、さらに伊藤達哉先生とのバッハ「2つのヴァイオリンのための協奏曲」第1楽章では、息の合った演奏に参加者が聴き入りました。アンコールには「2人のてき弾兵」、そしてバッハ「無伴奏ヴァイオリン・ソナタ第3番」から〈ラルゴ〉。美しく豊かな音色に、会場からは惜しみない拍手が送られました。
 
 3歳からスズキ・メソードで学び、スズキチルドレンとして世界各地で演奏、その後も国内外で演奏家として歩まれてきた江口先生。その先生と同じ指導曲集の曲を弾き、間近で音を聴くことは、子どもたちにとって何よりの学びになったことでしょう。
 
 江口先生からは、こんなメッセージがマンスリースズキ編集部に寄せられました。「生徒さんたちの私の発信に対する反応がとても素直で、生き生きとしていたことが印象に残っています。私自身も、生徒さんたちからたくさんのエネルギーをもらいました」。そして、「スズキで仲間と一緒に音楽を奏でることが、楽しく、心身の健康にもつながる素晴らしい体験であることを、これからの世代にも伝えていきたい」と結ばれていました。
 
 日々のおけいこが、大勢の仲間と音を重ねる喜びへとつながる―。「江口有香先生と弾こう!」は、グループレッスンならではの楽しさと、音楽を通して育ち合うスズキ・メソードの魅力を、改めて感じさせてくれる一日となりました。