80周年の秋、松本に響く子どもたちの音
第62回スズキ・メソード甲信地区大会のお知らせ
キッセイ文化ホール 大ホール (松本市)
入場無料 どなたでもご入場いただけます
秋を迎える松本で、10月4日(日)、「Autumn Concert 第62回スズキ・メソード甲信地区大会」がキッセイ文化ホール大ホールで開催されます。長野県、山梨県でスズキ・メソードを学ぶ子どもたちが一堂に集い、日頃のおけいこの成果を大きな舞台で披露します。
今年は、才能教育研究会創立80周年という記念すべき年。その節目にふさわしく、今回の地区大会では、鈴木鎮一先生が遺された音楽と、現在スズキ・メソードで学ぶ子どもたちとを結ぶプログラムも用意されています。
その一つが、鈴木鎮一作曲《信濃なる筑摩の河の》です。万葉集の和歌を題材に、美しい旋律とハーモニーで信濃の風景を描いた作品。今回はヴァイオリン、チェロ、フルート、ピアノの上級生たちによる全科合奏で演奏されます。80年前に松本の地から始まったスズキ・メソード。その原点の地で、異なる楽器を学ぶ子どもたちが一つの音楽を奏でることは、80周年ならではの特別な機会となることでしょう。
8月からは、ヴァイオリンとチェロの生徒たちによる弦楽合奏の練習がスタートしました。指揮には桐山建志先生を迎え、モーツァルトの《ディヴェルティメント 変ロ長調 K.137》に取り組んでいます。
モーツァルトのディヴェルティメントの中でも、よく演奏される第1番や第3番に比べると、今回の作品は初めて耳にする生徒も少なくありません。だからこそ、楽譜に書かれた音を弾くだけではなく、桐山先生の指導を受けながら、モーツァルトならではの響きやフレーズ、音楽の対話を学ぶ貴重な機会となっています。合奏する仲間の音を聴き、自分の音をその中に重ねていく——大会本番までの練習そのものが、子どもたちにとって大切な音楽体験です。
江口先生は、スズキ・メソードのヴァイオリン科指導曲集のCDの演奏を担当され、多くの子どもたちが日々のおけいこの中で、その音を繰り返し聴いているヴァイオリニストです。この日は200名を超える生徒たちが集まり、江口先生の指導のもと、地区大会での演奏に向けて楽しく、そして集中して学びました。いつもCDから聴こえてくる「お手本の音」の奏者と同じ空間で音楽をつくる経験は、子どもたちにとって大きな刺激となったことでしょう。
「どの子も育つ」「才能は生まれつきではない」「音に命あり」。スズキ・メソードが長年大切にしてきた理念は、特別な一日の舞台だけに表れるものではありません。一人ひとりが毎日音を聴き、楽器に触れ、先生や家族、仲間とともに少しずつ育っていく。その積み重ねが、大勢の仲間と響きを分かち合う地区大会へとつながっています。
当日は、才能教育研究会の東 誠三会長による講演も予定されています。
80周年の秋、スズキ・メソード発祥の地・松本に、長野・山梨の子どもたちの音が集まります。世代を超えて受け継がれてきた音楽と、今まさに育ちつつある子どもたちの音。その両方が響き合う第62回甲信地区大会を、ぜひ会場でお楽しみください。