英国でのCellofest 2026 International Summer Schoolに参加!

 

報告:関東地区チェロ科指導者 寺田義彦

 

渡邉慧君、お母様の知華子様と寺田義彦先生。
The Royal Hospitality School前で

 8月4日より9日まで、英国スズキ協会チェロ科によるCellofest 2026, International Summer Schoolに参加してきました。会場は 英国Suffolk 州Ipswich、1712年創立の歴史ある共学私立校The Royal Hospital Schoolです。
→The Royal Hospital School
 
 指導担当講師は英国、アメリカ、フランス、オランダ、フィンランド、スペインからの先生方であり、今回私が初めての日本人として加わりました。
→指導者一覧
 
 私はCellofestの共同創設者であり、総監督のテッサ・オークリー先生と2015年7月第10回ヨーロッパ・スズキ大会(ダヴォス、スイス)にて初めてお目に掛かり、以降、交流を重ね、今回のご招待を受けるまでに至りました。写真は、 今年のCellofest Final Concertでご挨拶される総監督のテッサ・オークリー先生 その右隣はスティールパン 担当のステファン先生です。

 期間中のスケジュールを画像でご覧ください。朝、8時半からレッスンが始まり、午前と夕方の2回コンサートが設けられていました。
 
 受け持った生徒さんは多国籍でありましたが、スタッフと熱心な保護者の方々によるヘルプを得て、毎日楽しく指導できました。
 
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 コンサートはリサイタルホールにて開催されました。施設収容人数は多くないですが、大変響きの良いホールでした。独奏チェリストはピアニストの巧みな伴奏を得て、それぞれ個性ある豊かなチェロの音を観客に聴かせてくれました。日本から初参加で、「ハイドンの協奏曲ハ長調第1楽章」を独奏した渡邉慧君は本番前、やや緊張気味でしたが、温かい観客とスタッフの応援を受けてしっかり演奏しました。成長の糧となる貴重な経験になったと思います。最終日の夕方のコンサートは最上級生による高品位な演奏会であり、日本でお馴染みの名曲に加えて、マックス・レーガー、ベンジャミン・ブリテンのチェロ近代曲も演奏されました。

 期間中の天候はすべて晴れ、地元の関係者に伺うと異常気象であり、7月からまとまった雨が降らないため、芝がブラウンになっているとのことでした。こちらはそのような事情を知らず、毎日、会場から眺める海に面した大きなストゥール川に浮かぶヨットと穏やかな田園風景を楽しみました。(画像:The Royal Hospital Schoolより)

 
 毎日のレッスンの他に、Teacher CPD(指導者養成プログラム)/ Enrichmentが設けられており、7月に急遽依頼を受けた私は”Establishment of the Suzuki Repertoire”と題してプレゼンテーションを行ないました。以前、オーストラリアやニュージーランドのスズキ協会指導者研究会にて講演した内容~スズキ指導曲集第1巻に複数使用の唱歌について再検証、披露しました。「ちょうちょう」「むすんで」など、ヨーロッパのスズキ関係者はDr. Suzukiがベルリンで学んだからヨーロッパの民謡が採用されたと思っている方がほとんどであり、「新たな事実を知り、良かった」との感想を多々頂戴しました。

 最終日のFinal Showcase Performance(最終発表会)はフランス在住のRuben Rivera先生による楽しい編曲&指揮の総合エンターメントショーでした。アンサンブルに演奏参加できない生徒さんはダンスやパーカッションなどで演出に加わり、 テディ・ベアの「ピクニック」から始まります。ユーモアたっぷりの編曲によって進行、サイトでも詳しく説明記載されており、動画も公開されています。
→最終発表会動画

 
 Cellofest 2026期間中、私は今まで参加したスズキ国際イヴェントより、いっそう多くの国の方々と出会い、率直なご意見と真摯な質問を受け、大変有意義でした。
 
 かつて私が指導したご年配のフランス人男性から受けた「スズキは初歩から楽曲を演奏させることが良いです。聴音とソルフェージュの研鑽を経てから楽器を選ぶトラディショナルなシステムだと、それに到達する頃のティーンエイジャー(特に男子)の多くはフットボールに興味が移ってしまう」との感想を思い出しました。
 
 最後になりましたが、テッサ先生より今回の参加者データをシェアしていただきましたので、ご披露します。日本の皆様も来年、是非ご参加ください!
 
There were 278 participants from 18 countries!
133 children, 100 parents, 30 teachers, 15 observers.
Tessa
 
Countries represented at Cellofest:
Belgium
Denmark
Finland
France
Germany
Ireland
Italy
Japan
Netherlands
Poland
Portugal
Spain
Sweden
Taiwan
Turkey
United Kingdon
USA
Zimbabwe


 
寺田先生と一緒に参加した生徒さんと保護者からの感想
 
渡邉 慧 (寺田クラス・チェロ科生徒)
 今年の夏、イギリスのCellofestに参加しました!Cellofestの先生たちはみんな優しいです!僕はほとんど英語が喋れないので、海外からの参加やコミュニケーションが取れるか心配していましたが、先生たちがジェスチャーを交えて話し、見本を見せて教えてくれたので、英語が分からなくても先生たちのおかげで楽しめました!困った時もスマートフォンの翻訳機能があったのも安心でした。
 

 僕はソロコンサートで初めて海外の生徒さんの生演奏を聴きました。一音一音をとても大切に、響きを楽しみながら堂々と弾いている姿が印象的でした。僕はマスタークラスで教えてもらった曲に合わせて表情を変えることと、音が遠くの客席まで届くように弾くことを意識して演奏しました。ホールは響きがよくて楽しく弾けました。ソロコンサートは緊張しやすい人でも大丈夫です。海外の方々は温かい拍手だけでなく、演奏後にたくさんの素敵な言葉で褒めてくれます!また、チェロ以外の楽器を弾く機会があったのも面白かったです。僕はスチールパンを演奏したのですが、初めて演奏した時は、大きな音がして驚きましたが、みんなで音を合わせると爽やかで綺麗なハーモニーになり好きになりました。

 ここでの経験はとても素敵な思い出になりました。親切に教えてくださった先生方や、Stewardsの人たちに感謝しています。
 
渡邉 知華子(保護者)
 寺田先生からのお話を伺って興味を持っていた海外のチェロキャンプ。今年の夏休みにUKでの「Cellofest」に先生が講師として参加されると知り、私たちは参加を決めました。
 
 中学生になったばかりの息子も私も英語にはかなり不安がありましたが、いざ参加してみると、分かりやすい表現やジェスチャーを交えてのご指導も多く終始楽しく過ごすことができました。
 
 各レッスンでは素晴らしい講師の方々からご指導いただき、世界各国から集まった子どもたちとともに多彩な音色に触れ、練習方法や表現力を多角的に学ぶ貴重な体験となりました。
 
 ソロコンサートでは素晴らしいピアニストの方と共演させていただき、「表現することを楽しむ」という大切な姿勢を改めて学び、息子もそれを全身で受け止め、堂々と演奏できていたと感じます。演奏後にすべてのパフォーマーへ贈られた温かく大きな称賛は、息子の大きな励みと自信に繋がったと感じています。
 
 プログラムで特に印象的だったのが、Carey Beth Hockett先生作曲「Trelissimo」による趣向に溢れたアンサンブルです。 奏者も観客も引き込まれる素晴らしいもので、胸が躍りました。そして「Cellofest」の最後を飾るファイナルショーケースでの全参加者のパフォーマンスはまさに圧巻の一言でした!

 盛りだくさんのプログラムはどれも楽しく学びと発見に満ちていてあっという間の6日間でした。
 
 この場をお借りして、素晴らしい企画と環境をご用意してくださったテッサ先生を始めとする運営スタッフや講師の皆様、そして直接のレッスン機会こそありませんでしたが、滞在中に何度も温かいお声がけやご配慮をいただいた寺田先生に心より感謝申し上げます。
 
 世界各国にスズキの仲間がいると実感できたことは、私たち親子にとって今後の大きな活力となりました。またいつか、世界のどこかで皆さんと再会できる日を楽しみにしております。