国際スズキ協会(ISA)のオンライン理事会に出席しました。
早野龍五会長による報告

  

 国際スズキ協会(International Suzuki Association: 以下ISA)は、スズキ・メソードを世界に広め、また、スズキ・メソードの名称や鈴木鎮一先生の知的財産を守るために、1983年に設立され、日本(Talent Education Research Institute 才能教育研究会の頭文字を取って略称はTERI)、アメリカ(SAA)、ヨーロッパ(ESA)、パンパシフィック(PPSA)、アジア地区(ARSA)の5つの地区で構成されています。

 ISAは、全世界のスズキ指導者が、一人あたり年間6ドルの会費を納めることによって運営され、その理事会は各地区の代表 5名と有識者理事3名(+ISAのCEO)で構成されています。
 
 以前は年に1回、各地区持ち回り、対面で開催されてきましたが、Covid-19パンデミックになった2020年2月以降は、年に2回、オンラインで開催されるようになり、今回は、日本時間で10月15日(土)と16日(日)の2日間、各々3.5時間の会議でした。
 

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 ISAの議長(理事長)の任期は2年で、リージョン(地区)代表の 持ち回りが原則です。昨年と今年は私が議長で、任期は来年の6月まででしたが、2023年10月13日(金)~15日(日)に松本で開催される国際ティーチャー・トレーナー会議(以下TT会議)をTERIが主催することなどを考慮して、任期が1年間延長されることになりました。

 ISA理事会では、各地区からの報告、楽器科の報告など、例年通りの議題に加え、松本で開催されるTT会議について、かなりの時間を割いて議論しました。TT会議の主要なテーマは「スズキ指導者の国際ライセンス」と「卒業制度」ですが、理事会では特に指導者認定を重要と考えているためです。
 
 スズキの指導者になるためのカリキュラムや認定条件などは、世界各地に任されており、かなりバラバラに推移してきました。ところが、特に、コロナ禍以降、国境を越えてオンラインを利用した指導者養成が活発となった結果、養成された指導者のレベル、養成のための費用負担、地域間での認定要件の相違などさまざまな問題が顕在化し、国際的な軋轢も生むようになったのです。
 
 来年のTT会議では、スズキ指導者として認める要件は何か、オンラインレッスンによる指導者養成はどこまで許容できるか、資格認定をどのように行なうかなどについて、合意文書を出すことを目指します。
 
 ISA理事会では、TT会議の実行委員長である東海地区チェロ科指導者の中島顕先生と密接に連絡を取り合いながら、合意の内容を詰めてゆくことになりました。
 
 スズキ・メソード発祥の地であるTERIは、世界随一の高いレベルで指導者養成・認定を行なってきた実績を持ちます。来年とりまとめる「松本宣言」が、TERIの先生方に納得していただけるものになるよう、しっかりと議論を詰めて行きましょう。

上段左から、Allen Lieb(ISA/CEO)、早野龍五(才能教育研究会会長)、Kay Collier  Mclaughlin(アメリカスズキ協会代表)
中段左から、Margaret Cooke(パンパシフィック協会代表)、Christophe Bossuat(一般理事)、Lan Ku Chen(アジアスズキ協会代表)
下段左から、Carey Beth Hockett(一般理事)、Anke van der Bijl(ヨーロッパスズキ協会代表)、Therese Wirakesuma (一般理事)