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2020関西グランドコンサートを、開催しました!

 4年ぶりの開催となる「関西グランドコンサート」が、1月26日(日)、2019年秋にグランドオープンしたばかりのフェニーチェ堺で開催されました。関西地区では、名曲に挑戦する「スズキ・メソードコンサートin Kansai」と、今回のような大勢の生徒が出演する関西地区大会「関西グランドコンサート」の2種類のコンサートが2年ごとに開催されます。毎回、関西の有数のホールを使い、アイデアいっぱいの演出と選曲に、果敢に挑戦する生徒たちの演奏は、いずれも目を見張るものばかり。
 この日は、奇しくも鈴木鎮一先生の22回目のご命日と重なったことで、鈴木先生を偲ぶプログラムが随所に用意されていました。その一つが、シューベルト 作曲、ドイツのヴァイオリニスト であるウィルへルミが編曲した「アヴェ・マリア」。鈴木先生が17歳の時にミッシャ・エルマンの「アヴェ・マリア」の演奏に開眼され、ヴァイオリニストの道を歩むきっかけとなった曲です。特別ゲストのスズキ・メソード出身のピアニスト、田中正也さんとヴァイオリン科・チェロ科の子どもたちが、心に染み入る名曲を奏でました。
 また、ラロの「スペイン交響曲」の第1楽章を35人のヴァイオリン科の生徒たちと、ピアノ2台での演奏にも驚かされました。
 舞台転換時には、鈴木先生のありし日の録音テープが2度、会場に流れました。そのうちの一つは、大阪弁についてのユニークなご指摘をされたお話で、満席の聴衆にも親しみのわく内容でした。
 実行委員長の松本尚三先生からのメッセージを紹介しましょう。
 


 

実行委員長のメッセージ

 
 関西地区では、オリンピックの開催される年の1月に地区の全科合同コンサートが開催されております。このような大きなコンサートを行なう上で、最初にクリアすべきハードルは、大勢の生徒をステージに乗せ、そのご家族を客席に収容できるホールを確保することです。ところが今年は、これまで使用してノウハウを蓄積したホールがすべて取れず、2019年秋にオープンしたばかりの「フェニーチェ堺」というホールで行なうことになりました。1年前に予約した時点では、建物自体がまだ完成しておらず、まさに暗中模索状態での準備でした。
 

フェニーチェ堺

 そして、確保できた日程は1月26日。鈴木鎮一先生の22回目のご命日です。これは単なる偶然ではなく、「鈴木先生の御遺徳を偲び、スズキをリフレッシュする機会にせよ」とのお告げと捉えて、プログラムを組むことにしました。会場名までもが意味ありげで、「フェニーチェ」とは、イタリア語で「フェニックス~不死鳥」を意味するとのことです。 場所は、昨年に世界遺産「百舌鳥・古市古墳群」として登録された古墳群の中で最も大きな仁徳天皇陵の程近くです。余談ですが、もともと「鈴木」姓のルーツをたどると、熊野の宮に行きあたるようですが、堺は昔から熊野詣の街道の要所でもあったそうです。 演奏会1週間前の週間天気予報では、1月26日は数日に亘る雨マークの真最中にあたり、がっかりしておりました。ところが当日、開演時刻の1時間ほど前からみるみる晴れ間が広がってくるという祝福を受けたコンサートとなりました。
 
 今回のスペシャルプログラムは、本会出身のピアニスト、田中正也先生をゲストにお迎えして、弦楽器の生徒と共演してもらったことです。第一線で活躍している演奏家と共演することで、生徒たちは通常のレッスンでは得られない何ものかを得たことでしょう。そしてそれを聴いていた幼い生徒の胸の中には「いつかあのように…」というビジョンが刻まれたことでしょう。
 
 もう一つの試みとして、ヴァイオリン科で取り上げたスペイン交響曲の斉奏で、オーケストラパートを2台のピアノで演奏したことです。ピアノもヴァイオリンを教えておられる奈倉民子先生が素敵な編曲をしてくださいました。大編成のオーケストラを1台のピアノに編曲すると何等かの音を省くことになりますが、2台のピアノに振り分けることで、より華やかで交響的な響きとなり、しかもアンサンブルの愉しみも倍増しました。この試みはこれからもっと取り入れられていいと思います。
 
 関西地区では4つの科の先生方が一体となって事業を行なうことが伝統となりつつあります。このような大きなコンサートの出演生徒は、やはりヴァイオリン科の生徒が最も多く、大きくて複雑な会場での誘導や整列にはヴァイオリン科の先生方だけではとても間に合いません。でも、それをピアノ科の先生方が快く引き受けてくださるのです。楽器の如何に関わらず、スズキの先生方は子どもたちの生き生きとした演奏のためには手を惜しみません。僕はそれを見て、なにやら得体の知れぬ深い気持ちに打たれるのです。これは鈴木鎮一先生が蒔いてくださった種に違いありません。      
 

2020年1月27日 松本尚三

 
 スズキのコンサートでは、あまり演奏されることのなかったラロの「スペイン交響曲」の第1楽章に挑戦したことも、今回は特筆されることでしょう。勇壮で力強く、実に聴き応えがありました。この曲の持つ歯切れ良さと豊かさも申し分ありません。35名のヴァイオリン科の生徒と、2名のピアノ科生徒との一糸乱れぬ共演は、見事でした。
 この編成で行なうにあたって、2台のピアノで伴奏をする上で、新たな編曲が必要になりました。実行委員長の松本先生が白羽の矢を当てられたのが、奈倉民子先生(関西地区ピアノ科指導者)でした。その奈倉先生に、ステージリハーサル直後のお昼休みにお話を伺いました。
 

 以前、ピアノ科からの要請で、オーケストラのパート譜を楽譜ソフトのフィナーレで作ったことがあり、「奈倉先生は楽譜製作が得意らしい」ということになってしまったのです。それで、2019年4月に実行委員長の松本先生から、ラロの「スペイン交響曲」第1楽章をピアノ2台で伴奏したいとのご依頼をいただき、翌月の委員会までに急いで作成しました。普通、オーケストラの代わりにコンチェルトの伴奏はピアノ1台ですね。でも、1台では音が薄っぺらですし、どうしても原曲のオーケストラの音をすべて演奏することができません。ですから、2台で伴奏するというのは、素晴らしいアイデアだと思いました。楽譜制作にもかなり自由度がありますし、音量もオーケストラに近づくほど出すことができます。オーケストラの音をピアノのどこに振り分けるかを考え、ほとんどの音をもれなく反映できているはずです。どうしてもトレモロが多くなるのですが、どちらかのピアノにそれを任せると大変ですので、2人に分担してもらっています。幸い、委員会でOKになりました。楽譜ソフトのいいところは、ピアノの楽譜を和声的に分解して、楽譜ソフトで見せてあげると、理解が早いということがありますので、日頃からよく使っていました。今回のラロの「スペイン交響曲」では、2人の奏者たちにも面白がって欲しいし、楽しんでもらいたい、という気持ちもあったし、「なんや、2人で弾くとシンフォニーやなぁ」と思ってくれるような、そんな気持ちになってもらいたいと思って作りました。実は、今日のステージリハーサルで初めて聴きました。ピアノ2台にヴァイオリンが35人でしょう。「もっと、ピアノ弾いてなぁ。ガンガンいっていいよ」と伝えたほどです。生徒たちも「面白いわ」という反応がありましたね。

 
 続いて、コンサートで素晴らしい演奏を披露してくださった田中正也先生に、本番直後の楽屋でお話を伺いました。
 

 最初は、メンデルスゾーン のトリオを200人の生徒さんたちと演奏するのかなと勘違いしていたんです。ですので、ヴァイオリンが7名、チェロが6名ですので、逆に「少ないな」と思っていました(笑)。それでも、普通は3人での演奏ですので、今回は協奏曲を弾かせていただくような気持ちで臨みました。3人ですと一人ひとりの意見が求められますが、今回は合奏ですし、メンデルスゾーンのあのトリオは、ピアノ協奏曲と言っても過言ではないほど、ピアノに比重がある曲です。その意味では演奏しやすかったですね。ラフマニノフのトリオですと、みんなが密な関係になりますので、大変だろうと思います。スズキの生徒さんたちの斉奏は、本当に一人の音のように聴こえますから、「大きな二人」と演奏しているような感覚でした。それに一人ひとりの感情的な部分が倍増されていきますので、本番ではコンタクトもすごく良くなっていました。
 シューベルトの「アヴェ・マリア」を生徒さんたちと一緒に演奏させていただいたことで、鈴木鎮一先生のことを思い出しますね。最初にお会いしたのは小学3年生くらいでした。夏期学校でお会いしたり、会長室とは知らなかった才能教育教育会館のお部屋で一緒に遊んでくださったり、一緒にかけっこをしたり。それにベルリンやスコットランドでのイベントの時にピアノ科代表として演奏させていただいた時に、お声をかけていただきました。今日の本番では、鈴木先生が天国から降りていらっしゃっているのでは、という瞬間もあって、感慨深かったですね。このフィニーチェ堺のホールは、大ホール特有の音が散漫になるような感じがなく、音が降り注いでくるような響きがありました。弦楽器も鳴り響いていました。
 鈴木先生のお声を久しぶりに聞かせていただき、卒業録音テープに鈴木先生の声が吹き込まれていた当時を懐かしく思い出していました。前期初等科の頃は、○がついていなかったので、「しっかり練習しましょう」くらいのお言葉でしたが、次第に○がつくようになると、鈴木先生からのお褒めの言葉がたくさん録音されていたんです。それが嬉しくて、次も次もがんばって練習していましたね。あの声を聞くと、「練習しなきゃ」と思うんです(笑)。鈴木先生の大阪弁のお話も面白かったですね。私自身は九州出身ですので、ピアノ科の卒業コンサートなどで九州から関西に来ますと、当時は関西弁がある種、怖かったのですが、それが今では、大阪芸術大学演奏学科講師として、コテコテの大阪弁のど真ん中にいるわけです。いろいろな意味で印象深い1日でした。

 
演奏曲目

○ピアノ科の生徒による2台のピアノによる演奏

 ・フンメル:エコセーズ
 ・クレメンティ:ソナチネ Op.36-1 第3楽章
 ・バッハ:ジーグ
 ・ブラームス:ワルツ Op.39-15
 ・ミヨー:”スカラムーシュ”より「ブラジレイラ」
 
○ヴァイオリン科生徒とピアノ科生徒2名による斉奏
 ・ラロ:スペイン交響曲 第1楽章
 
○ヴァイオリン科とチェロ科生徒と田中正也氏による合奏
 ・シューベルト~ウィルヘルミ:「アヴェ・マリア」
 
○ヴァイオリン科とチェロ科と田中正也氏による合奏
 ・メンデルスゾーン:ピアノ三重奏曲 第1番 ニ短調 Op.49 第1楽章
 
○田中正也氏によるピアノソロ

 ・ショパン:ポロネーズ第6番「英雄」変イ長調 Op.53
 ・リスト:ラカンパネラ(パガニーニによる大練習曲 S.141-3)
 
○チェロ科斉奏(伴奏ピアノ科生徒)
 ・外国民謡:フランス民謡
 ・パーセル:リゴードン
 ・バッハ:メヌエット第2番
 ・バッハ:マーチ ト長調
 ・ウェブスター:スケルツォ
 ・ヴィヴァルディ:ソナタ第1、2楽章
 ・サン=サーンス:白鳥
 
○ヴァイオリン科斉奏(伴奏ピアノ科生徒)
 ・エックレス:ソナタ第1、2楽章
 ・フィオッコ:アレグロ
 ・ヴィヴァルディ:協奏曲イ短調第1楽章
 
○全科合奏(伴奏ピアノ科生徒)
 ・ドヴォルザーク:ユーモレスク
 ・シューマン:二人のてきだん兵
 ・ウェーバー:狩人の合唱
 ・バッハ:メヌエット第1番
 ・鈴木鎮一:むきゅうどう・アレグロ
 ・外国民謡:クリスマスの歌・むすんでひらいて・こぎつね
 ・鈴木鎮一:キラキラ星変奏曲
 ・一茶の俳句唱和
 ・キラキラ星変奏曲より、リズム