日本全国の「大人スズキ仲間」がZoomに大集合!

 
 「大人のスズキ」として、ピアノを学ぶ大人の生徒さんたちによるオンラインコンサートが、5月22日(日)に開催されました。その様子を、北海道・東北地区ピアノ科指導者の菅野由美先生からレポートしていただきました。

 爽やかな5月の日曜日に、ピアノ愛あふれるステキな時間を共有しました。コンサート終了後は、交流会も。「小さい頃から、ピアノはずっと憧れでした」。皆さんのそんな純真な気持ちに触れ、私たち指導者も胸が熱くなりました。


 

■コロナ禍だからこそ、生まれた企画

プログラム表紙

  「大人の生徒さんが、気兼ねなく楽しめるコンサートがあるといいですね」

 ピアノ科は大勢で合奏することが難しく、子ども主体になるコンサートには、大人の生徒さんが出演しづらい状況がありました。調べてみると、ピアノ科には260名もの大人の生徒さんがいらっしゃるのです。オンラインなら、全国から、移動時間もなく交通費もなく集まることができる!コロナ禍だからこそ、生まれた企画でした。
 2021年末より募集のお知らせを配信、第1回にもかかわらず、全国よりソロ演奏22組、連弾2組の参加をいただきました。プログラムには、参加者の皆さんの普段の様子が垣間見える、心からのコメントが並びました。基本的にはPDF版を配信しましたが、出演者にはピアノ科委員会で印刷、郵送しました。
 
 お知らせしたZoomのリンクは、一般には非公開。出演者はそのリンクを送れば、視聴してほしい方を招待できる仕組みにしました。当日は出演者、受け持ち指導者、招待者約50名の観客がオンライン画面に入り、コンサートが開演となりました。
 
 ライブ演奏される方、事前に提出の演奏動画で出演の方…と様々でしたが、できるだけライブで名前、曲目の紹介をいただきました。画面では、演奏の様子を楽しそうに見守る姿が映し出され、演奏終了後は出演者をねぎらう笑顔と拍手でいっぱいとなりました。


鈴木鎮一:アレグロ
バッハ:メヌエット ト短調


 
ピアノを始めて半年。毎日お稽古がんばってきました。子どもの頃からずっとやりたいと思っていました。今日がコンサートデビューです。
 

クーラウ:ソナチネ ハ長調 Op.55-1 第1楽章


 
2021年の春から、スズキ・メソードで一から習い始めました。息子と一緒にレッスンを受けています。2022年3月、卒業演奏会に出演。大人は1人だけでしたが、大きなホールで弾けました。
 

ベートーヴェン:エリーゼのために


 
現在、育児奮闘中。いつか親子演奏が叶うよう、楽しみながら切磋琢磨していきたいです。1曲仕上げるのは、1年がかりです。
 

モーツァルト:ソナタ ハ長調 K.330 第1楽章


 
息子のモーツァルトのソナタK.331を聴いて、私も弾きたいと思いました。
 

グラナドス:12のスペイン舞曲集よりNo.5アンダルーサ


 
娘2人が家を出て、弾く者がいなくなったピアノを思い切って始めて1年です。
 

ヘンデル:愉快な鍛冶屋


 
子どもの頃、スズキでピアノを習っていました。我が子もスズキでピアノを始めたので、自分もまた弾いてみたくなりました。すきま時間に練習をがんばっています。
 

ショパン:ノクターン op.9-2


 
ピアノを始めて12年。ずっと憧れていた曲です。勤めている学校で、昼休みに階段教室に置いてあるピアノを借りて録画しました。
 

チャイコフスキー:18の小品より 瞑想曲


 
純粋で美しい音楽を飽くことなく追求していきたいです。大学生の時にスズキ・メソードと出会いました。先生は今に至るまで、真剣に私のピアノ学習を応援してくださり、感謝しています。
 

サン=サーンス:アレグロ・アパッショナート Op.70


 
同じ曲でも、子どもの頃とは感じ方や演奏が違ったり、様々な演奏を聴いて、演奏したい曲を探すのも楽しみです。2019夏期学校用に勉強した曲ですが、体調を崩し参加できず、休会期間を経て今回演奏することができました。スズキの「毎日5分でも、休まずお稽古する習慣」を大切にしています。  
 

ディアベルリ:旋律的小品よりNo.6スケルツォ


 
娘と一緒に演奏します。この曲はお互いとても楽しく弾けます。いろいろな方が、様々な形で音楽と接していられることを知り、今日は励みになりました。  
 

チャイコフスキー:「白鳥の湖」より四羽の白鳥の踊り


 
2人らしい音楽を楽しみながら、皆様にお届けできたらと思います。いろいろな曲を聴けて、刺激になりました。研究科B卒業もがんばりたいです。  
 

 

■「生涯教育としてのスズキ・メソード」を実感!

 終演後は、交流会。練習における苦労話など、皆さん共通のお悩み事で盛り上がりました!
 練習時間の確保が難しいのは、子どもも大人も同じですね。お話の中で、発表会がないと「練習やりたいけどできない」でも、発表会があれば「ないはずの時間ができて、練習できる!」という名言が飛び出てきて、誰もが納得! 指導者もその言葉に、深くうなずきました。
 
 初めての企画で、当日を迎えるまで頭を悩ませながら、手探りでの準備でした。動画の提出用ボックスの管理、編集、当日のZoom管理まで東京事務所にお世話になりました。
 
 「生涯教育としてのスズキ・メソード」それは、純粋にピアノが好き!音楽が好き!という気持ちを育て、そしてその気持ちに寄り添っていくことなのだと教えていただいた一日でした。ピアノが弾ける、音楽がいつもそばにある…そんな人生がいかに素晴らしく貴重なものなのか…改めて心に刻みました。本日の出会いをスタートにして、いつかこの輪がスズキの中で大きく成長していくことを指導者一同願っております。