ピアノ科卒業式と卒業演奏会
今年のピアノ科卒業式と卒業演奏会は、昨年に続き、全国各地の会場で対面開催されることになりました。各会場では、新しく会長になられた東 誠三会長ご臨席のもと、各卒業科代表生徒と研究科B卒業生への証書授与式と各卒業科代表生徒による記念演奏会が開催されました。
2024ピアノ科卒業式・卒業演奏会 オンライン配信スケジュール | |||
日程 | 時間帯 | 地区名 | 会場 |
3月20日(木・祝) | 12:30〜 | 第54回甲信 | 才能教育会館ホール |
3月26日(水) | 13:00〜 | 第54回関西、中国・四国、九州、沖縄 | 高槻城公園芸術文化劇場北館中ホール |
3月31日(月) | 13:00〜 | 第55回関東、北海道・東北 | 練馬文化センター大ホール |
3月31日(月) | 13:00〜 | 第49回東海、北陸越 | 東海市芸術劇場大ホール |
3月20日(木・祝)才能教育会館ホール
甲信地区
前日の雪から一転、穏やかな晴天に恵まれた「春分の日」、東 誠三会長、臼井文代特別講師、西田加奈子業務執行理事、黒河内健業務執行理事をお迎えして、甲信ピアノ科卒業式が行なわれました。
今回、課程卒業の課題曲であるモーツァルトの協奏曲を、初めての試みですが、弦楽アンサンブルとの演奏にしようと準備を進め、本番での演奏となりました。甲信地区のヴァイオリン科、チェロ科、フルート科の先生方には全面的にご協力いただき、感謝申し上げます。なんと言ってもスズキ・メソードだからこそできる貴重な機会です。
指揮を担当された臼井紳二先生と、「戴冠式」第3楽章のソロを演奏した太田千尋さんが感想を寄せてくださいました。
例年ピアノ科卒業式でのモーツァルトの協奏曲の演奏はフルオーケストラで行なわれていましたが、今年は諸般の事情によりオーケストラは弦楽アンサンブルで管楽器なしでの演奏となりました。指揮を依頼されてその話を伺った時は正直かなり難しいと思いましたが、今年、とにかくやってみて…ということでしたので、半信半疑ではありましたが、準備を始めました。
今回演奏するピアノ協奏曲第23番の第1、3楽章と第26番の第3楽章の弦楽伴奏譜を、念のためオリジナルのスコアと照らし合わせてみたところ、音の間違いや不足がかなり見つかり、やはりソリストにとっては、今後二度とない舞台なので、できるだけ万全にしたいと思い、数回見直しをして加筆修正を行ないました。ソロ合わせの時にもう少し直したいと感じて、当日まで悩みましたが、ゲネプロの際にさらに修正していただきました。オケのメンバーには最後の最後まで無理を言いましたが、こちらの要望にしっかりと応えていただき、ありがたかったです。
貴重な経験をさせていただき、いろいろご用意いただいたピアノ科の先生方、今回のソリストの3人の生徒さん、ソリストも指揮者もサポートしてくださったオケの先生方に心から感謝申し上げます。
今回の共演は、とても心に残る大切な思い出となりました。
日頃よりご指導くださいました先生方、ここまでピアノを続けさせてくれた両親、今回の卒業式にあたってご尽力くださったみなさまに改めて感謝申し上げます。ありがとうございました。
卒業演奏第1部の課程卒業の協奏曲に続いて式典です。
新会長の東 誠三先生から代表の生徒に卒業証書が手渡されました。CDで演奏を聴いているその東先生からお言葉をいただきました。
「ピアノの音はあなたの声だと思って、明日からと言わず、今日も音を出してみて、その音をよく聴くことが大切。大作曲家たちも血の通った同じ人間なのだから、どうか身近に感じてほしい。そして毎日積み重ねることが大きな力になっていく」という、わかりやすいお話で、さかんにうなずきながら聞いている生徒が何人も見られました。
生徒を代表して才能教育課程卒業の降籏共笑さんからお礼の言葉がありました。ここに紹介いたします。
お礼の言葉
本日は卒業式の場を設けてくださり、ありがとうございます。
それぞれの課程を卒業できましたこと、達成感を感じていることと思います。
今日ここに来てくださった先生方、私たちに音を教えてくださった先生方をはじめ、これまで私たちの成長に携わってくださったすべての方々に感謝申し上げ、お礼の言葉とさせていただきます。
卒業式はスズキファミリーだからこそ経験できる大事な「意欲作り」の機会になっていると強く感じました。
3月26日(水)高槻城公園芸術文化劇場北館中ホール
関西、中国・四国、九州地区
関西地区ピアノ科委員長
渡辺裕里子
3月31日(月)練馬文化センター大ホール
関東、北海道・東北地区
オープニングは、印田礼二先生指揮 品川弦楽団の皆さんによる祝賀演奏です。卒業式の幕開けにふさわしい、格調高い演奏でした。

東会長のお祝いの言葉より
★ピアノに座ったら、腰に手を当てて1.2.3と数えて、それから鍵盤に手をおきましょう。集中力を高めるために効果があります。おけいこ動画の最初でも説明していますので、観てください。
★ピアノは人の五感のすべてを表現できる素晴らしい楽器です。自分からは、言葉を発することはありませんが、弾き手の心を反映するメッセージを届けてくれる頼りになる友人です。どうぞ、自分の心に届く音を見つけてください。
心に響くお言葉でした。
最後に、卒業生を代表して述べられた「卒業生の言葉」をご紹介します(抜粋)
鈴木鎮一先生のお言葉、<急がず休まず諦めず>を続けていくと、いつの間にか上手に弾ける瞬間が訪れ、曲を弾くのが楽しくなります。私はこの何とも言えない感覚が好きです。
最後に、私を応援してくれた家族と先生に、感謝の気持ちを伝えたいと思います。小学校時代ずっと遠くから来て送り迎えをしてくれた祖母、そして、11年間優しく穏やかに、私を見守ってくださった先生に心より御礼申し上げます。これまで、私の音楽の成長に携わってくださった多くの先生方にもお礼を申し上げます。
研究科Bは卒業しますが、ショパンなど弾きたい曲がたくさんあるので、ピアノは続けていきたいと思います。ありがとうございました。
3月31日(月)東海市芸術劇場大ホール
東海、北陸越地区
第49回 東海、北陸越ピアノ科卒業式は、東海市芸術劇場にて早野龍五理事長、西田加奈子業務執行理事をお迎えして開催いたしました。
代表の和田涼佑さんの「お礼の言葉」に続き、ご家族への感謝の気持ちを込めてお花を贈りしました。会場からもひときわ大きな拍手が贈られていました。
和田涼佑さんの「お礼の言葉」をご紹介します。
僕がピアノを始めてから10年経ちました。きっかけは、3歳の時にスズキのCD「子と母の名曲アルバム」に入っていた、ショパン作曲「別れの曲」が気に入って、「弾いてみたい」と母に言ったことです。来月、教室の発表会で弾くことになりました。卒業と同じ時期に10年前の目標を叶えられてとても嬉しいです。また、二度経験した夏期学校では、いつもと違う先生からレッスンを受けることで、新たな気づきを得ることができました。
音楽は僕にとって、心の安らぎを与えてくれるものです。僕の将来の夢は数学者なのですが、家で数学をしていて少し疲れたなと思ったとき、ピアノに向かって曲を弾くとリラックスすることができます。また、落ち込んだり悩んだりしたときも、ピアノを弾くことで少し気持ちが落ち着きます。
10年間やってきたピアノは今日、才能教育課程卒業となり、一区切りとなります。今後も僕はピアノの練習を続け、音楽とともに自分の道を進んでいこうと思っています。最後に、スズキと出会うきっかけに なった0~3クラスの先生方、10年間ピアノを教えてくださった大橋先生、僕にスズキを与え、支えてくれた両親、そしてこの素晴らしいスズキ・メソードに感謝申し上げます。
今までありがとうございました。
オンラインでの卒業式の間はできなかったことでしたので、「初めて聞いた」という子どもたちもいたようです。
今後もスズキ・メソードならではのこの斉奏を継続していけますように、という気持ちをさらに強く感じた卒業式でした。