音楽が結ぶ平和の輪
日米のスズキの子どもたちが神戸・広島・松本で交流
そして旅の終着点の一つが、スズキ・メソード発祥の地・松本です。才能教育研究会の会館ホールでのコンサートでは、戦後の混乱の中で「音楽には平和と美と癒やしの力がある」と信じた鈴木鎮一先生の精神に触れることになります。世界中に広がったスズキ・メソードの原点を訪ねることは、アメリカの子どもたちにとってまさに「スズキ巡礼」の旅となります。
マンスリースズキは、9月号でこの交流の様子を紹介する予定です。
広島で交流される寺本由理先生からメッセージをいただきましたので、紹介しましょう。
被爆から81年を迎えるにあたり、私たちはアメリカの The Pineland Crescendo Tour Group の皆様とともに、平和記念公園、そして広島原爆養護ホーム「舟入むつみ園」にて演奏会を行ないます。
広島で暮らす私たちにとって、原爆ドームは特別な存在であると同時に、日々の暮らしの中に静かに息づく風景でもあります。子どもたちも学校教育を通して平和や戦争について学ぶ機会が多く、このテーマは特別なものというよりも、日常の中に自然と根付いているものだと感じています。
そのような環境の中で、今回の演奏会は、「音楽を通して何ができるのか」「平和と音楽をどのようにつなぐことができるのか」を、生徒たちとともに改めて考える大切な機会になると感じております。広島教室の子どもたちは感受性豊かで思いやりにあふれており、アメリカから来られる皆様と同じ舞台で音楽を奏でる経験や、お客様との交流を通して得られる学びは、日々のレッスンでは得難い貴重なものになると確信しています。
また、私自身は学生時代をアメリカで過ごした経験からアメリカに特別な思い入れを持っており、同じスズキ・メソードの仲間として活動される皆様と音楽を通して交流できることにも、大きな喜びを感じています。
中国・四国地区ではこれまで会の行事がほとんど開催されてこなかった中、「いつかこの地域でも何かできたら」という思いを長く抱いておりました。そのような中で、関西地区ヴァイオリン科の松本尚三先生より「ぜひ広島教室も参加してみてはどうか」とお声がけをいただき、このような貴重な機会をいただきましたことに、心より感謝申し上げます。
国や言語、文化が異なっていても、音楽には人と人の心を結び、互いを理解しようとする気持ちを育む力があると信じています。だからこそ、広島で育つ子どもたちと、海を越えて訪れてくださる仲間たちがともに音楽を奏でることは、平和への願いを未来へつなぐ小さな一歩になるのではないかと思います。
一つひとつの音に平和への思いを込めてこの舞台に立ち、この演奏が、聴いてくださる皆様にとって、平和について静かに思いを巡らせるひとときとなれば幸いです。