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ヴァイオリン科出身で、オックスフォード大学に留学された日置駿さんが、
1000年近い歴史を持つオックスフォード大学の、
大学唯一の公式オーケストラの有志による初めて日本訪問をアレンジ。
3月の東京と福島でのコンサートでは、日置さん自身のソロ演奏もあります!

Oxford University Orchestraの第1ヴァイオリン4プルトの内側で演奏される日置さん。この時は、ダニエル・ハーディング氏指揮でベルリオーズの「幻想交響曲」を演奏 3歳より、スズキ・メソードでヴァイオリンを始め、2018年に惜しまれて亡くなられた渋谷重良先生に師事。2002年にスズキ・メソードのテン・チルドレンに選ばれ、ベルリンなどドイツ各地を演奏、同じ頃より豊田耕兒先生に薫陶を受けられた日置駿さん。慶應義塾大学に入学してからは、”音楽で人の心をふるわせたい!”を理念としたオーケストラ、Orchestra MOTIF(オーケストラ・モチーフ)を設立し、以来ミャンマーでは、NPO法人ジャパンハートの運営する養育施設に生活する260人を超える子どもたちと音楽の感動を共有したり、エル・システマジャパンのフェロー(指導ボランティア)として、福島県相馬市における弦楽器教室の指導に当たられるなど、様々な面で活躍されてきました。
 2016年夏からは英国オックスフォード大学法学部に留学。2年間の留学期間中も様々な発信を続け、その様子はマンスリースズキでも紹介してきました。2018年、留学を終え、帰国。現在は民間企業に勤めながらも、音楽活動を続けておられます。
→日置さんの留学奮闘記
 今回、Oxford University Orchestra(OUO)から「日本のことを学びたい」という30名の有志が東京と福島を訪問。日置さんのアレンジでOrchestra MOTIFと交流しながら、福島ではエル・システマジャパンのコンサートにゲスト出演されるなど、日本についての理解を深める活動をされます。早速、日置さんにお話を伺いました。

 1000年近いOxford大学の歴史の中で、オーケストラとしては初めて日本を訪れることになります。これからの世界をリードするOxfordの学生たちがこのツアーを通して日本の事を好きになってくれたらと願っています。

 今回のツアーは、私自身が音楽家として育つ中でお世話になったすべての方々と音楽を通して一つになれるように感じ、とても感慨深く思っています。慶應義塾大学、オックスフォード大学、エル・システマジャパン、Orchestra MOTIF、切磋琢磨した仲間たち、そして私の育ったスズキ・メソードがエル・システマジャパンと業務提携されるなど、多くのところで、ご縁を感じます。

 福島では、3月24日(日)「第5回エル・システマ子ども音楽祭 in 相馬」にゲスト出演させていただきますが、エル・システマジャパンとの出会いは、スズキ・メソードのヴァイオリン科指導者でいらっしゃる末廣悦子先生が、エル・システマジャパン代表理事の菊川穣さんを紹介してくださったことがきっかけでした。

 また、Orchestra MOTIFを立ち上げた時、スズキのテン・チルドレンコンサートで一緒だったヴァイオリンの大澤愛衣子さんやチェロの加藤菜生さんが参加してくださいました。大澤さんはその後、Orchestra MOTIFのコンサートミストレスを引き受けてくださったほか、エル・システマジャパンの福島での活動にも携わってくださり、現在ではエル・システマジャパンの講師を務めています。

 2018年に中野教室の渋谷重良先生がお亡くなりになられて、スズキへの感謝の思いは、より深くなっていたところです。渋谷先生も今回のようなコンサート活動が実現できたことを、喜んでくださると思います。ご覧いただけないのがとても残念ですが、きっと天国から見守ってくださるような気がしています。先生はオックスフォード大学でのリサイタルの様子もFacebookなどでご覧になり、とても喜んでくださっていました。

 以前にスズキ・メソードが発行する機関誌の「先輩こんにちは」のコーナーで取材をしていただいた際に、「音楽家であり、外交官になりたい」とお話ししたことがありました。今、民間企業に勤めてはいるものの、このツアーを実行することはもしかすると民間外交(Public Diplomacy)の一つと言えるのではないかと思っています。ツアーの企画段階から既に、音楽は世界共通語として、文字通り、国と国をつなぐことができる、素晴らしいものだと改めて実感しています。スズキ・メソードが世界中で愛されているように、自分も音楽を通して世界中の人々を繋ぎ、少しでも世界が良い場所になるように尽力したい。そういう活動する音楽家であり続けたいと思っています。

 このように音楽を通じた交流に携わりたいと感じるようになった原点には、テン・チルドレンとしてドイツを訪れたことが大きいと思います。あの時に感じた、心と心が言語を超えてつながる感覚は忘れることができません。

 今回は私自身もOxford University Orchestra、Orchestra MOTIFをバックに、ベートーヴェンのロマンス第2番をソリストとして演奏します。Orchestra MOTIFの活動では裏方に回ることが多かったわけですが、今回、演奏家としての原点に立ち返るようなコンサートができることを何よりも嬉しく思っています。

 いつもお世話になっている皆様には、ぜひコンサートを聴いていただきたいと思っています(下記お問い合わせ先よりご連絡ください)。また、近々クラウドファンディングをご案内させていただきますが、オックスフォード大学の学生たちは全員が自費を払って参加します。彼らの国内の移動費や楽器搬送費などの費用が足りません。オックスフォードの学生たちと日本の若者、そして福島の子どもたちが音楽を通して絆を築くために、皆様のお力をお貸しいただければ何より幸甚です。どうぞよろしくお願いします。

公演は以下のようになります。

■東京公演
 2019年3月21日(木・祝)15:00開演(入場無料)
 慶應義塾大学藤原洋記念ホール(日吉駅 徒歩約1分)
 指揮:カヤナー・ポンチョワン・ベイリー(Oxford University Orchestra指揮者)
 ・Holst/組曲《惑星》より「木星」(編曲版)
 ・Beethoven/ロマンス第2番 (ソリスト:日置駿)
 ・Butterworth/シュロップシャーの若者
 ・Mason/Kintsukuroi(日本初演・新曲)
    ※Oxfordの学生であるメイソン氏が日本をイメージして作曲した新曲
 ・Elgar/行進曲《威風堂々》より第5番+《エニグマ変奏曲》より第9変奏”Nimrod”(編曲版)
 ・外山雄三/管弦楽のためのラプソディ

■福島公演(エル・システマジャパン主催 相馬子ども音楽祭にゲスト出演)
 2019年3月24日(日)13:00開演入場無料)
 相馬市民会館
 指揮:カヤナー・ポンチョワン・ベイリー(Oxford University Orchestra指揮者)
 ・Holst/組曲《惑星》より「木星」(編曲版)
 ・Beethoven/ロマンス第2番 (ソリスト:日置駿)
 ・Elgar/行進曲《威風堂々》より第1番(相馬の子どもたちとの合同演奏)
 ・相馬盆歌(相馬の子どもたちとの合同演奏)

お問い合わせ先:motif.office@gmail.com

クラウドファンディングにご協力ください!

 「音楽を通してオックスフォード大と福島の子どもたちの架け橋を作る!」ことを目標に、このプロジェクトでは、現在、クラウドファンディングをスタートさせています。ツアーを成功させるために、皆様のご協力が必要です。東京での公演観覧予約とともに、ご寄付についてはこちらをご覧ください。

ご寄付のお願い

日置さんのメッセージです。「具体的にご支援いただきたいのは、福島県を訪れる資金です。バスでの移動や大型楽器の運搬など、夢を叶えるためにはとても多くのお金が掛かってしまいます。 学生は自分たちでお金を出し合って日本にやってきますが、まだ学生の彼らにとって、渡航費以上の出費はとても大きな負担です。オックスフォードの学生たちと福島の子どもたちが音楽を通して絆を築くために、皆様のお力をお貸しいただけませんでしょうか」