コロナとともに、コロナの先へ。

会長 早野龍五

 

 皆さま、明けましておめでとうございます。

 昨年のお正月には、まったく予想だにしなかったことですが、依然として、新型コロナウイルスの感染拡大が世界中で続いています。
 
 私たち一人ひとりにできることは、密を避けること、マスクをすること、よく手を洗うことです。すでに皆さまの毎日の習慣として定着していることとは思いますが、新型コロナウイルス感染症に感染(うつ)らないように、感染(うつ)さないように、あらためて徹底をお願いいたします。
 
 そして、スズキの生徒さんは、毎日のおけいこを欠かさずに続けましょう。
 きちんとおけいこをして、良い演奏を聴き、先生のレッスンを受け、卒業録音を提出することで、お子さんたちは立派に育ちます。スズキ・メソードの75年の歴史が、そして全世界61ヵ国での実績がこのことを示しています。ただし、もし体調が悪いと感じられたら、レッスンをオンラインに切り替えることを先生にお願いしてください。
 
 コロナ禍により、世界中で、学びや仕事のやり方に大きな変化がありました。私自身も、昨年春以来、会議はすべてオンライン、自宅から徒歩圏内で暮らす毎日です。昨年まで、毎月のように研究や会議で海外に出かけていたことが嘘のようです。
 
 「密を避ける」生活は、私たちに我慢を強いるものですし、経済的にも大きな痛手を受けた方も多いと思います。私たちは、人と人とが直接出会うこと、顔を見て話すこと、肌に触れることが、どれほど大事なことであったかを、身にしみて感じています。その一方で、私たちは、オンラインでも可能なことがたくさんあることも学びました。
 
 昨年夏の「おうち夏まつり」はその一例です。

 また、会員の方々の「マイページ」の開発もすべてオンラインでした。システム開発が始まった直後に感染が拡大したので、関係者が直接顔を合わせることなく、システムを完成させたのです。コロナ禍前には、対面打ち合わせなしにこれが可能だとは思っていませんでしたが、やればできるものです。今月から、会費の納入や皆様へのお知らせなどへのマイページ活用が始まります。
 
 今はまだ「コロナとともに」という時代のただ中ですが、受験生はがんばっています。オリンピックに向けて黙々とトレーニングしている選手たちがいます。早く舞台に立ちたいと、練習に励む音楽家や舞台芸術家もいます。いろんな方が、「コロナの先へ」という希望を持って自分を磨いておられるのです。
 
 ワクチンや治療薬の開発が進んでいるというニュースも聞こえはじめ、「コロナとともに」という時代が、いずれ終わるかもしれないという希望も感じられるようになりました。
 
 子どもたちの笑顔のために、私たちは何ができるか、何をすべきか。スズキ・メソードの私たちも、今年はぜひとも「コロナの先」についても考える年にしましょう。