お教室の先輩の素敵な演奏に、大きな影響を受けた子どもたち!

  

 マンスリースズキ2018年7月号でお知らせしましたように、スズキ出身のヴァイオリニストの小川響子さんは、 東京藝術大学と、ベルリン・フィルハーモニー・カラヤン・アカデミーとの人材育成に係る協定に基づき、2018年の秋から同アカデミーへ派遣されていました。
 →マンスリースズキ2018年7月号
 
 そして、このほど大きく成長された小川響子さんが、8月13日(金)、橿原文化会館小ホールでリサイタルを開催。出身の奈良あすか教室の子どもたちとも共演され、素敵な交流となりました。
 
 当日のプログラムは、ご覧のように、スズキ・メソードのヴァイオリン科指導曲集にもある名曲からいくつも選ばれた内容になっていました。お教室の先輩であり、世界で活躍されるプロのヴァイオリニストが奏でる心のこもった演奏に、参加した子どもたちも心が奮い立つ思いがしたようです。

 
 ご多忙の中、小川響子さんから、マンスリースズキの読者の皆様向けに、特別にメッセージもいただきました。さっそくご紹介しましょう。
 

 小川響子さんからのメッセージ
 夏前の爽やかなある日、ベルリンにて朝食を終えてのんびりしていたとき、突然、塩谷峰子先生からLine通話をいただいたことがきっかけで、私のふるさと、そして塩谷先生クラスの独奏会で小さい頃に演奏していた、思い出深い橿原文化会館にてリサイタルをさせていただく運びとなりました。
 
 今回のリサイタルでは、塩谷先生と何度も話し合いを重ねてプログラムや曲順などを決定しました。いま学んでいる生徒の皆さんにも聴きやすいように、指導曲集の曲や、ヴァイオリンらしい名曲をふんだんに取り入れたものとなりました。また、塩谷先生とのトークコーナー、生徒の皆様やお母様からの質問コーナーを入れるなど、より皆様と一体感を感じられるような構成となりました。
 
 約25年音楽を勉強して、小さい頃よりは少し知識がついた今、改めてスズキ・メソードの指導曲集の作品に取り組むと、弾き方や曲のスタイルなどに関して、新しい発見がたくさんありました。そして、作品の美しさ、曲の中でしっかりと技術を学べる作品が選びぬかれていると感じ、改めて鈴木鎮一先生の偉大さを感じました。また、この素晴らしい作品に溢れた指導曲集で学べたことは、本当に幸せなことだったと思いました。
 
 アンコールでは、教室の生徒の皆さんと合奏させていただき、昔、こんなふうにみんなで楽しく合奏していた当時の景色が脳裏に浮かび、懐かしさに涙腺が緩みました。また、この教室をずっと続けてくださっている塩谷先生の凄さ、すばらしさ、暖かさ、受け継がれている教えを子どもたちの演奏している姿からビシビシと伝わってきました。
 
 今までは自分が演奏する、音楽を追求することが自分の中で第一だったのですが、今回のコンサートを終えて、次の世代に経験を伝える、そして地元に音楽の素晴らしさを伝えることを、これからの音楽人生でやっていけたら、という新たな目標ができました。
 
 コロナ禍において演奏会を開くことが大変困難な中、素敵なリサイタルを企画してくださった塩谷先生、たくさんの事務作業や当日の受付、お手伝いをしてくださったお母様方、聴きに来てくださった皆様に、心より御礼申し上げます。ありがとうございました。

 
参加したスズキの子どもたちの感想

塩谷峰子先生とのトークコーナーでは、
小さい頃の響子さんの様子が語られました

髙橋一生 小学5年生
 ぼくは、奈良あすかの生徒だった人が世界で活躍していて、本当にすごいと思いました。最後にそのすごい人とぼくも、みんなと一緒に弾けてうれしかったです。いったい、どうやったら、あんなに大きく響く、きれいな音が出せるのか、本当にすごいと思いました。ドイツで活躍しているすごい人なのに、とてもわかりやすく、親しみやすいことばで話をしてくれたので、すごく勉強になりました。特に、小さい頃、レッスンが終わっても、夜9時まで見学していたことや、毎回の宿題を必ず次のレッスンまでにやり遂げていた話は、すごいと思いました。
 ユーモレスクの演奏は、いつもひいてる曲とは、全然違った曲のようでした。軽くてやさしくて、いろいろな編曲があることがわかりました。
 ピアノの音と息がピッタリ合っていて、ヴァイオリンが楽器としてではなく、身体の中の、左手の一部みたいな感じがしました。まるで、歌を歌っているような感じで弾いていて本当にすごかったです。
 今回、このリサイタルに行けて本当によかったです。先生、ありがとうございました。

★宮川央佑 小学4年生
 小川響子さんの演奏は曲によって音色や音の強弱など表現を変えていて、素晴らしい演奏でした。演奏中は心地よい音楽に自分が包み込まれている感じがしました。
 今、練習しているラフォリアを聴いて、その音の響きに驚き、どうやったらあんな音が出るのか、一音も逃さずに聴き入りました。今後は小川さんの演奏のように人の心に届く音を作っていきたいと思います。

★小松佑 中学3年生
 真っ直ぐで透き通るような演奏でした。普段、課題曲を苦痛に感じながら弾く僕の音は、弾きづらい所に意識を向けすぎ、誤魔化された音楽だという気がしました。小川さんが言う、曲を楽しみながら弾くことをすっかり忘れていたと気づかされました。すぐにでも楽器を取り出して弾こう、と前向きな気持ちで家路につきました。

★清村夏実 小学1年生
 ユーモレスクはいつもとちがって、くるんくるんしてたから、これはおがわきょうこさんのユーモレスクなんだなあと思いました。ラフォリアのさいしょの音がすごくかっこよくて、だいすきになりました。ゆれながらヴァイオリンをひいてるところがとてもすてきだったので、わたしもそういうふうにひいてみたいと思いました。おがわきょうこさんのえんそうをきいて、ずっとヴァイオリンをつづけたいと思いました。
 
★古川隼佑 小学4年生
 響子さんの奏でる音は、聴いている人を素晴らしい音楽の世界に連れて行ってくれました。「愛のあいさつ」はとても心地よかったし、「コレルリの主題による変奏曲」の重音の部分は体の中からエネルギーがあふれているようでした。僕も響子さんのように、いろいろな音を奏でられるようになりたいです。

★松山葉月 小学1年生
 何が始まるのかなとドキドキしました。プログラムを何回も見ました。ユーモレスクは4曲目でした。小川響子さんのヴァイオリンがきれいだった。弾きながら踊れるなんてすごいなと思いました。みんなで弾くのはがんばりました。もっとたくさん弾きたかったです。