豊田耕兒先生マスタークラスコンサートを終えて

 

 9月1日に90歳を迎えられた豊田耕兒先生によるマスタークラスコンサートが、東京で開催されました。豊田先生のレッスンを受けている生徒さんをはじめ、たくさんの生徒さんを育てているヴァイオリン科の指導者たちが、自らを鼓舞し、研鑽を重ねた成果を発表しました。いずれも力演、熱演が続きました。それぞれ、出演者自身による思いを寄せていただきましたので、当日の姿とともに紹介します。

日程:2023 年9月16日(土)開演13:30
会場:国立オリンピック記念青少年総合センター
   カルチャー棟小ホール(東京)
入場無料
 
 


①ローデ:24のカプリス 第17番
 バッハ:無伴奏ヴァイオリンパルティータ 第3番 ホ長調 BWV 1006 プレリュード
  豊田リサ(ヴァイオリン科生徒)
 

 今回は、先生方と一緒に演奏会で弾くなんて、私で良いのか、それが不安でした。ソロの曲でステージに立つのも初めてで、あまり準備する時間もなかったのですが、舞台ではとても気持ち良く弾けて楽しかったです。先生方の曲も素敵で、それも楽しむことができました。
 
 次に向けて、いろいろやりたいことが分かってきたので、それが本当に良かったです。良い経験をさせていただいて、ありがとうございました。



②ヴィエニャフスキ:ヴァイオリン協奏曲 第2番 Op.22 ニ短調 第1楽章
  高添遥加(ヴァイオリン科生徒)
  及川夕美(ピアノ)
 

 豊田先生のマスタークラスコンサートという素晴らしい場所で演奏する機会を与えてくださったことに、心から感謝しています。
 私は豊田先生の音楽に触れ、多くのことを学ぶことができました。最初にレッスンを受けた曲は、メンデルスゾーンの協奏曲第1楽章でした。先生からは歌い方はもちろん、様々なことを教えていただき、そのレッスンだけでも私の演奏が大きく変わったことを実感しました。
 
 先生がお話しになることは、とても分かりやすいです。もし、私と先生の解釈の仕方が違っていても私の演奏は私の演奏でとても良いと言われることがあります。その時は違う解釈の仕方についてもたくさん学ぶことができます。
 
 豊田先生に教えていただくことを一つひとつ大切にし、今後もより一層の成長を目指して音楽に取り組んでいきたいと思います。この素晴らしい機会を与えてくださった豊田先生、ピアノの伴奏をしてくださった及川先生、いつもご指導くださる守田マヤ先生、そして演奏を聴いてくださったお客様に心より感謝いたします。



③テレマン:ヴィオラ協奏曲 ト長調 TWV 51:G9 第1,2楽章
  熊谷知子(ヴァイオリン / 関東地区ヴァイオリン科指導者)
  石川咲子(ピアノ / 関東地区ピアノ科指導者)
 

 このたびのコンサートに出演させていただき、豊田先生ご夫妻をはじめ、伴奏をしてくださった石川先生、出演された先生方、サポートにご尽力くださった先生方、聴きにいらしてくださった方々、このコンサートに関わってくださったすべての方々に、まずは心より感謝申し上げます。
 
 私は今回ヴィオラを演奏させていただきましたが、これだけの大きな舞台でヴィオラを独奏するのは、まったく初めてのことでした。素晴らしい演奏をされる先生方や生徒さんに混じって何故そんな無謀なことをしてしまったかといえば、約15年前の豊田先生のお言葉がずっと頭から離れなかったからです。
 
 国際スズキ・メソード音楽院の卒業演奏会の日、「僕はね、あなたがここでヴィオラを勉強しなかったことだけが心残りだよ」と笑いながら残念そうに仰っていました。「あなたにはもっと大らかさが必要だ。ヴィオラはあなたを一回り大きくしてくれる」などとおっしゃり、強く薦めてくださったにもかかわらず、私は卒業を急いだためにずっとヴィオラの勉強を拒んでいた経緯があったので、先生の「心残り」は私自身の心残りでもありました。ですので、いつか豊田先生に、ご恩返しとまでは言えなくても、少しでもヴィオラに関わる姿を見ていただきたい、そうすれば喜んでくださるのではないか、そんな気持ちだけで出演させていただくことを決めました。
 
 一番嬉しかったことは、豊田先生のヴィオラの温かく優しい音に対する思いを、分け与えていただけたと思えることです。
 
 また、ヴァイオリンに比べるとヴィオラはひとつの音を出すまでに時間も労力もかかる楽器なのだと改めて実感できたのも興味深いことでした。チェロやコントラバスといった低弦楽器を演奏する方々への敬意が高まりそうです。また、いつも自分の生徒に「準備して弾こう」とか「楽器を鳴らそう」とか当たり前のように口にしていることが、舞台で弾くとなればなおのこと、実際どれだけ大変なことか、すべて自分に返ってくるのは苦しかったですが、今後の活動を見直すことにも繋がりそうです。
 
 豊田先生の温かく愛情深いご指導のもと勉強させていただけたこと、真摯な姿勢で音楽に臨まれる先生方とコンサートに向けてご一緒させていただけたこと、その経験を今後少しでも生徒さんや子どもたちに何らかの形で還元させていくことができれば、こんなに嬉しいことはありません。本当にありがとうございました。



④ベートーヴェン:ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 Op.61 第2,3楽章
  大久保雅子(ヴァイオリン / 東海地区ヴァイオリン科生徒)
  豊田元子(ピアノ)
 

 今回も前回に引き続き、マスタークラスコンサートのお仲間に入れていただき、とても貴重な経験をすることができました。ご指導くださった豊田耕兒先生、ピアノ伴奏をしてくださった元子先生、マスタークラスに参加されているメンバーの皆さま、ご準備に携わってくださった皆さま、コンサート当日にお手伝いをしてくださった皆さま、コンサートにお越しくださった皆々さまに深く感謝申し上げます。

 今回ベートーヴェンのヴァイオリン協奏曲という大曲を学ぶ機会を持てたことを、とてもありがたく思います。練習し始めた頃はオイストラフの演奏を主に聴いていたのですが、初めてのレッスンで豊田先生から、「クライスラーのベートーヴェンは実に素晴らしいですよ」とアドバイスをいただきました。
 
 「2楽章の始めの部分は、鳥の鳴き声なのですよ」と教えていただいたのも、とても印象的でした。ベートーヴェンは散歩を日課にしていたそうで、豊田先生も昔その散歩道を訪れられたことがあり、その時に実際に鳥の鳴き声を聴かれて、「ああ、これだ!」と実感された、とのことでした。
 
 3楽章では、「軽く弾く時も重みがある様に、重いけれど軽く」、「テクニックが音楽の邪魔になってはいけない」、「音の厚み、幅、深さ、豊かさ、太さを」、「全部の音をしっかりと届けて」、「最後の部分は光そのもの」等々、いろいろなアドバイスをいただきました。
 
「ベートーヴェンならではの素晴らしさを表現して」
 
 長い時を経て、今もなお、様々な名曲が人の心を打つことは本当に感慨深いことだと改めて感じます。いつか曲の素晴らしさを表現できる演奏ができる様に、これからもまた、学び続けて行きたいと思います。豊田先生、マスタークラスの皆さま、どうぞよろしくお願いいたします。



⑤モーツァルト:6つの前奏曲とフーガ K.404a 第4番
  小西麻紀子(ヴァイオリン / 関東地区ヴァイオリン科指導者)
  山口梨恵(ヴィオラ / 北陸越地区ヴァイオリン科指導者)
  小澤由季野(チェロ/ 東海地区チェロ科指導者)
 

 このトリオは、国際スズキ・メソード音楽院で一緒に学んだ仲間と結成し、卒業してからも豊田先生のレッスンを受け、勉強を続けていましたが、お互いの子育てなどで長いお休みがありました。意を決して今春再開することとなり、10年以上振りにまた一緒に音を奏でることになりました。

 6月の豊田先生卒寿のお祝い会に合わせて久しぶりにアンサンブルをした際の3人の高揚感は並々ならぬものでした。
 
 メンバーの1人から「豊田先生のマスタークラスコンサートに出ない?」との提案に一瞬戸惑いましたが、まだまだ勉強したい!いいアンサンブルをしたい!という3人の思いから、出演を決意しました。
 
 さあ、ここからが大変。それぞれ東京、福井、岐阜とバラバラな場所に住んでいるため日程合わせ、練習場所決め、また台風にも邪魔?されましたが、いざ練習やレッスンの後は心が浄化されたような、また次の日からの活力をもらえる素敵な時間となりました。
 
 豊田先生は最初のレッスンにはヴィオラをお持ちになり、「今朝、ヴィオラでそれぞれのパートを3回ずつ弾いてきました」と笑顔でおっしゃり、私たちは頭の下がる思いで胸が一杯になりました。また、弦楽トリオというのは3つの違う楽器で、それぞれの楽器の色が役に立ってくるということも教えていただきました。豊田先生のおっしゃる一言一言が深遠なる音楽の世界で、一体どこまで辿り着けるのか…。
 
 そして、豊田先生からいただいた宿題を3人で必死に考え、ハーモニーを作り上げていく作業は大変だけれどとても楽しく、ブランクの間に重ねたそれぞれの経験も良いエキスとなり、なんとか本番を迎えることができたこと、とても嬉しく思っております。
 
 また、コンサートの最後には、奥様の元子先生とグノーの「アヴェ・マリア」を演奏してくださいました。鈴木先生が夢に出てきてこの曲を弾きなさいとお告げがあったとのこと。お二人の演奏を聴くことができ、この上なく幸せでした。
 
 運営に携わっていただいた先生方、ご来場くださった皆様、そして何より酷暑の中、出向いていただき、素敵なレッスンをしてくださった豊田先生に心より感謝申し上げます。


 
⑦バッハ:無伴奏ヴァイオリンソナタ 第3番 ハ長調 BWV 1005
  守田マヤ(ヴァイオリン / 関東地区ヴァイオリン科指導者)
 

 今回もありがたくも、2度目のマスタークラスコンサートにて演奏させていただく機会をいただき、前回のマスタークラスコンサート直後から1年半取り組んでいたバッハの「無伴奏ソナタ第3番」を選曲しました。

 レッスンでは毎回、豊田耕兒先生の時折弾いて示してくださるバッハに感動しつつも、大好きな曲だけに自分流のバッハから抜け出すことが思うように進まず、もどかしい思いをすることがしばしばで...日々の練習時間の確保も含めて難航しました。
 
 特にフーガを豊田先生に弾いていただくたびに目から鱗が落ちる思いでしたが、それを自分の演奏に落とし込むことに本当に苦労しました。
 
 結局、先生のアドバイスで全楽章弾かせていただけることになり、全楽章を通すことで見えてくるものもあり、なんとか豊田先生のバッハを自分なりに演奏に取り込んで本番を迎えました。
 
 自分なりの解釈となってしまった演奏に対して、耕兒先生は大変に喜んでくださり、「私の提案はすべてエネスコのアイディアです。あなたは私のお伝えしたエネスコのアイディアを自分の解釈に取り入れて演奏してくださったのでとても私は嬉しいです。あと5曲ありますからがんばってください」とおっしゃってくださいました。
 
 まだまだではありますが、今日弾かせていただけたことを一つの通過点として心に留めておきたいと思いました。
 
 最後に耕兒先生、元子先生ご夫妻が弾いてくださったグノーの「アヴェ·マリア」の素晴らしさが心に染み入り、忘れられない思い出となりました。
 
 また共演の先生方のチームワークとお仕事の速さに舌を巻くばかりで、今回も大変お世話になりました。豊田先生をはじめ、当日を迎えるまで、また当日もお世話になった先生方へは感謝してもし足りません。本当にありがとうございます。



⑧ベートーヴェン:ヴァイオリンソナタ 第7番 ハ短調 Op.30-2 第1,2楽章
  増谷夏葵(ヴァイオリン / 関東地区ヴァイオリン科指導者)
  豊田元子(ピアノ)
 
 夫の駐在でロシアに長くおりましたが、約3年半前に帰国し、久しぶりに指導者に復帰したのち、豊田耕兒先生のマスタークラスを受けさせていただいています。海外生活や子育てで、ヴァイオリンを弾く機会も減ってしまっていた中、毎日たくさんの用事に追われ練習時間もあまり取れませんが、とにかく先生にお目にかかりたいという気持ちで、何とかお稽古してレッスンに伺っています。
 
 今回ベートーヴェンのヴァイオリンソナタの7番を弾かせていただきました。「あなたが、本当にベートーヴェンの音を追求して、それを表現する時に音楽がついてくるからね」。豊田先生のレッスンのお話では、クラシック音楽の真髄と作曲家への敬愛を感じ、毎回胸いっぱいになり、涙が出てしまうような感動があります。コンサートではピアノは豊田元子先生にお願いしました。先生とは、ドイツの講習会でも何度もご一緒させていただきましたが、本番前はその時のことや音楽院時代を思い出していました。再びこのように豊田先生ご夫妻の元で舞台に立たせていただけるなんて、、、順番待ちで感謝の気持ちが溢れて、その気持ちのまま弾かせていただきました。演奏は、悔いが残るところもたくさんありましたが、2楽章は元子先生のピアノの音色が本当に美しくて、弾きながら感動してしまい、素晴らしい時間となりました。

 マスタークラスでは、受講生の皆様のレベルの高い素晴らしい演奏を聴かせていただくのも、とても刺激になっています。そして、レッスンでも、コンサートでも、ご一緒させていただく皆様の中に、和やかさと愛が溢れていて、このような機会をいただけることがありがたく、心から幸せに思っています。
 
 最後になりましたが、コンサートにご来場くださった皆様、共演の皆様や、お手伝いでお世話になった先生方に、心より御礼申し上げます。またレッスンで見ていただけるよう、これからも日々の練習をがんばっていきたいと思います。


⑨シューマン:ヴァイオリンソナタ 第2番 ニ短調 Op. 121 第3,4楽章
  野口美緒(ヴァイオリン / 関東地区ヴァイオリン科指導者)
  石川咲子(ピアノ / 関東地区ピアノ科指導者)
 

 今年も豊田耕兒先生マスタークラスコンサートが終了し、奇跡のような時間を振り返っています。90歳となられた豊田先生のもとに集まる受講生、共演者の方々、コンサート運営を支えてくださった方々、観客として音楽に参加してくださった方々との贅沢な、幸せな時間でした。豊田耕兒先生、元子先生、皆様に、心より御礼申し上げたいと思います。

 日頃から様々なお仕事でご一緒させていただいている石川咲子先生が合わせの時間を十分に取ってくださって、音楽的な相談をしながら取り組めたことにも感謝でいっぱいです。
 
 豊田先生はマスタークラスレッスンに地下鉄でいらっしゃいます。酷暑でも、先生のお姿を拝見すると弱音を吐いてもいられません。
 
 マスタークラスを受講する方の中には、様々な方がいらっしゃいます。初回からコンサートができるくらい仕上げてくる方、次々と新しい曲をこなしている方、じっくりと1曲に取り組む方など。どのような場合でも豊田先生が、その曲·作曲家·奏法に対する引き出しから、その方がその音楽をするためにピッタリのアドバイスを繰り出される様子を拝見するのが私の大きな楽しみです。時には自分が受講するよりも聴講で深く学べます。このことは、スズキで習う子どもたちと通じると感じています。
 
 私にとってシューマンは、いくつかのきっかけがあって気になる存在でした。豊田先生が、「シューベルトとシューマンが好き」とおっしゃったことに背中を押され、ソナタの1番、2番と勉強させていただいています。弾くたびに魅力に引き込まれる、ふとシューマンがそばにいるような気持ちがする、素晴らしい作品です。
 
 大きな課題は、「ロマン派の表現の幅」です。先生は、言葉、身振り手振り、演奏(!)を通して私に様々な切り口のヒントをくださいました。音楽的変化、音色の豊かさは一朝一夕には成りません。先生が何気なくなさることがどうにもできない、近づきたいと切望しては日常に流される、そんな繰り返しです。
 
 理想と現実が最も近づかないのが3楽章冒頭のピッツィカートの重音でした。豊田先生の音はとても豊かで美しく、ハーモニーとメロディーとなって紡がれ、いつまでも聴いていたいのです。指が1本でも3本でも、先に理想の音があって、音楽があって、指はそれに沿い、耳に従うのでしょう。今回の自分は「25mプールを5m、喘ぎながら泳いた」感じでしたが、それでも、向こう岸を知り、スタートできた喜びがありました。いつの間にか音楽への想いが強くなり、目を逸らしたい自分の弱点とも向き合えるようにはなっていると信じたいです。
 
 今回も他の出演者の方々の演奏に接する中でたくさんの憧れを感じ、自分ももっとこうしたいという意欲が湧いてくる貴重な機会となりました。「発表会」の効果に改めて気づかされます。
 
 豊田先生ご夫妻の「アヴェ·マリア」は思い出すたびに込み上げるものがあります。これからも豊田先生からたくさん教えていただきながら、生徒さんたちに還元できるようにしていきたいと思います。


 
⑩ショーソン:詩曲 Op.25
  星めぐみ(ヴァイオリン / 関東地区ヴァイオリン科指導者)
  豊田元子(ピアノ)
 
 マスタークラスコンサートに今年も参加させていただきありがとうございました。
 
 今回挑戦したショーソンの「詩曲」はイザイに献呈された曲で(フランクのソナタも同様ですが名曲が多いのだそうです)、深い音、ヴィルトゥオーゾ的要素、スケールの大きさ、音楽的変化など自分に足りない要素ばかりでできていました。
 
 豊田先生がレッスンで弾いてくださる音の深さ、輝きに圧倒され、なんとか少しでも近づきたいと必死の1年間でした。

 冒頭、「なかなか理想の音が出ない」とおっしゃっていて、先生が求めても届かないとお思いになるほどのものに挑戦しなければならないのかと気が遠くなったのを覚えています。少し近づいたかと思ったら、最初に感じていたよりもっと遠いことに気づくような道のりでしたが、元子先生のピアノとご一緒できたのも大変光栄で、夢のような美しいハーモニーでショーソンの世界に連れて行っていただけました。
 
 当日は共演の先生方、生徒さんの姿や、豊田先生と元子先生のお二人でグノーを弾かれる姿、スタッフをしてくださった先生方の姿から、音楽の世界の尊さを感じ、幸せな一日となりました。豊田先生、元子先生はじめ関わってくださったすべての方々、そして当日足を運んでくださった皆様に、心より御礼申し上げます。


⑪フランク:ヴァイオリンソナタ イ長調 第3, 4楽章
   Vn 守田千惠子、Pf  岡本ひとみ
 
 コンサートが無事に終えましたことを皆様に感謝申し上げます。

 豊田耕兒先生は今年の9月で90歳になられました。レッスンをされる時の豊田先生は、若々しく生き生きとされて、いつも楽しそうです。
 
 レッスン開始時間より30分前には必ず会場に来られ、生徒さん方を待たれます。いざレッスンが始まると、その生徒さんに一番的確な点を指摘され、その箇所をご自分でもお手本に弾かれます。その音の素晴らしいこと!

 聴講している私たちは、生徒さんがどんどん変わっていく様子を目の当たりにして、とても勉強になりますし いつも感動いたします。

 私は東京でのマスタークラスを受講して3年になります。毎月通う豊田先生のレッスン受講がとても幸せで、生きがいになっております。

 

最後に、ご夫妻でグノー「アヴェ・マリア」を演奏してくださいました