ラヴェル生誕150年記念 東 誠三 連続演奏会

 

 東 誠三先生が最も敬愛する作曲家の一人でもある、ラヴェル。5月10日、5月18日の2回にわたるラヴェル生誕150周年記念の連続演奏会が、東京文化会館小ホールで開催されました。大変意欲的な連続演奏会に臨まれた東誠三先生からのメッセージをはじめ、聴衆の方々からのご感想、そして当日の想いが凝縮されたプログラム全ページを今回はご紹介します。演奏写真は、すべてカメラマンの三井一信様によるものです。また、東誠三友の会、ムジカキアラの皆様にご協力いただきました。

 

東 誠三ピアノ・リサイタル
DAY1 SOLO  2025年5月10日(土)14:00開演
 東京文化会館小ホール
DAY2 DUO   2025年5月18日(日)15:00開演
 東京文化会館小ホール ゲスト:青柳晋(ピアノ) 

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マンスリースズキ読者の皆様に、東先生から特別にメッセージをお寄せいただきました。早速紹介しましょう。

「ラヴェル生誕150周年記念 ラヴェル・ピアノ曲連続演奏会を終えて」
 このたび、多くの方々のお心のこもったサポートとご尽力により、2回にわたるラヴェル・ピアノ曲連続演奏会を無事終えることができました。小さい頃より親しみ、敬愛してきたラヴェルの作品と長く向き合い、彼の遺した音の世界の素晴らしさ、良さを改めて感じ、その一端をご来場いただいた皆様と分かち合うことができ、心より嬉しく、またご来場の皆様への感謝の念を新たにしております。これからもたくさんの作曲家が遺した素晴らしい音楽を、皆様へお伝えする事に心を砕いてまいります。どうぞよろしくお願い申し上げます。   東 誠三

 
ご来場者の感想です。
まずは、5月10日から。
・色彩豊かな響きによってどこに誘われるのかわからないようなラヴェルの霧の中に入り、緩急、強弱、技巧的な表現も豊かで五感が研ぎ澄まされる素晴らしい演奏でした!
 
・1台のピアノから奏でられるラヴェルの音の世界は、色彩豊かな印象派絵画のようで、時にシンプルなモノクローム写真のようでした。華やかな高音の煌めき、場面を展開する時にハッとさせるような低音のアプローチ、ラヴェルの想像力は果てしなく、美しさに溢れていました。生誕150周年をお祝いする花火が次々と打ち上がったかのような高揚感に包まれたエンディングでした!」
 
そして、5月18日についても。
・ラヴェルの世界が素晴らしい音のヴァリエーションで実現されていて、ラヴェルへの素晴らしい敬意と愛情が表れており、150年の生命が輝いていると思いました。コンサートホールで、あれだけ微かなピアニッシモが美しく響くとは未体験の驚きです。また、エネルギーと変化に満ちた音で互いの意思が交わる連弾、2台ピアノは聴衆の熱意と歓びを沸き立たせました。
 余談…音楽は何か生活の役に立つのか? との世間一般の疑問に対して、「音楽は生きている実感を掻き立てるもの」と私は今回実感いたしました!
 
・印象的だった「ラ・ヴァルス」の感想です。東先生の繊細な音色と、青柳先生のエネルギッシュな響きが絶妙に溶け合って、時に重厚で、時に華やかなきらめく音が、ホールを満たしていました。力強い打鍵は、まるでオーケストラのような迫力を感じさせたり、洗練されたタッチによるワルツの旋律には、うっとりするような華やかさがありました。何より、お2人がとにかく楽しんで演奏されていて、素晴らしかったです。
 
・トークの様子
 お二人は35年ほどのお付き合いになります。東先生は、日常、青柳先生に会われた時に交わす会話がとても楽しみだそうで、青柳先生からはフランス留学中に借りた「美味しんぼ」を実は無くしてしまい、ごめんなさい!と告白がありました(笑)。東先生曰く、「青柳先生はボケもツッコミも両方担当してくださる有能な方」だそうです。


 東誠三先生の想いの詰まったプログラムの曲目解説。とても勉強になります。
 
5月10日プログラム



 
5月18日プログラム