250823-8.jpg 250823-6.jpg 250823-18.jpg 250823-7.jpg 250823-12.jpg 250823-13.jpg 250823-14.jpg 250823-15.jpg 250823-19.jpg 250823-20.jpg 250823-16.jpg 250823-24.jpg 250823-11.jpg 250823-21.jpg 250823-22.jpg 250823-23.jpg 250823-10.jpg 250823-17.jpg 250823-26.jpg

標高2,700mを越す燕山荘で、40年続くクラシックコンサート

 
 みなさんは北アルプスの燕岳(つばくろだけ)に登ったこと、ありますか? この山に登る魅力は、山そのものの美しさと、登山体験の豊かさが両立しているところにあります。
 
 標高 2,763m。北アルプスの玄関口とされ、初心者でも挑戦しやすい山のひとつです。中房温泉(標高1,462m)からの登山道「合戦尾根」は、日本三大急登のひとつですが、よく整備されていて安全度が高いです。山小屋の設備が充実しており、安心してアルプスの雰囲気を味わえます。
 
 山頂付近の白い花崗岩が風雨に削られてできた奇岩群は、まるで芸術作品のよう。「イルカ岩」「メガネ岩」「燕岳大天井稜線の奇岩群」などフォトスポットが豊富。北アルプスの大パノラマを満喫でき、槍ヶ岳・穂高連峰・常念岳などを望む絶景が広がります。山頂付近からは裏銀座方面へ続く縦走路が延びており、本格的な縦走のスタート地点にもなっています。
 
 しかも、燕岳は白い花崗岩の美しい山頂が「アルプスの女王」と称され、「花の百名山」にも選定されるほど、夏は高山植物の宝庫。特に コマクサの群生が有名です。7月〜8月には一面に咲き誇り、白砂と青空を背景に咲く姿は「天空の花園」と形容されます。
 
 そして、今回の舞台となる燕山荘(えんざんそう)は、北アルプスを代表する人気の山小屋。清潔で雰囲気もよく、山小屋初心者にも安心。食事の評判も高く、アルプホルンの生演奏や「クラシックコンサート」など文化的な催しもあります。展望テラスからは夕焼け・星空・ご来光を堪能でき、泊まること自体が大きな魅力になっています。
 

2015年の第30回の時の寄せ書き

 その燕山荘で、毎年8月の第4土曜日に開催され、自然と音楽を調和させた山小屋ならではの文化的な名物行事として定着しているのが「燕山荘クラシックコンサート」。1984年に第1回がスタートしています。燕山荘では、多くの登山客に“ただ泊まるだけでなく山小屋そのものに魅力を感じてもらいたい”という想いから、1984年に第1回のクラシックコンサートを開催しました。鈴木鎮一先生の後押しを受け、スズキ・メソードの協力により定着したイベントです。当時の松本には、指導者になるための勉強を続けている「研究生」たちが多く、皆若くてタフでしたので、山に登って演奏することの醍醐味をいち早くキャッチしていたのでしょう。

 燕山荘の木造の食堂をコンサート会場として利用し、楽器など重い荷物は、山小屋スタッフにより運んでいただきます。何よりも自然と文化の共演が魅力です。昨年の第39回から、コロナ前のスタイルに戻し、夕食後の食堂をコンサート会場として設定し、お客様が一堂に介してクラシック音楽のひとときを楽しみます。
 

第40回の演奏プログラムと参加者名

 特に天候に恵まれることが多く、「山の神様が音楽を愛している」と語られるほど晴天に助けられてきたエピソードも数多くあります。2025年8月23日(土)の第40回燕山荘クラシックコンサートも、ここで掲載の写真のように、快晴に恵まれました。下界の真夏の陽気とは一転した清々しい気候の中で、今年も素晴らしい体験をすることができたのです。

 
 アンコールに応える演奏、晴天に恵まれる奇跡、アルプホルンや親子共演などの演出、そして一夜明けた朝のサプライズ演奏—どれもがこのイベントの魅力を彩る要素になっています。
 
→燕山荘公式サイト