山本裕康先生をお招きして、チェロ科研究会を開催。
2025年12月1日(月)〜2日(火)にかけて、松本市の才能教育会館ホールにてチェロ科研究会が開催され、全国から20名強のチェロ科指導者が集結し、特別講師として山本裕康先生をお招きしました。
初日の主なプログラムは山本先生にグループレッスンをしていただき、主に指導曲集第7巻のバッハ作曲 無伴奏チェロ組曲第3番より「ブーレ」、第4巻のブレヴァール作曲 「ソナタ ハ長調アレグロ」のご指導をいただきました。
無伴奏は解釈によって演奏が十人十色のため、演奏法の統一というよりは各指導者からの質問に山本先生がお答えするという形となりましたが、ブレヴァールの「ソナタ」は指導者全員で演奏して、それに対して演奏アプローチのご指導をいただきました。古典ソナタにおけるクレッシェンドは力(弓圧)を加えるのではなく、弓幅を増加させてテンポを前向きに持っていくことや、音の発音も力ではなく、自然な発音を心掛けること、フレーズの意識などを学ぶことができました。
2日目には、研究科Cのラロ作曲「チェロ協奏曲第1楽章」を取り上げて研究しました。チェロの学ぶ上で、教育上、比較的扱われるこの楽曲ではありますが、「オーケストラ伴奏の生演奏で演奏したり、聴く機会がほとんどない」と仰っていた山本先生。ご自身のご経験に基づいたエピソードや奏法などを惜しみなく私たちにご指導いただきました。まず、8分の12で書かれている第1楽章はリズムが複雑で、基本の形に加え、2連符、4連符、時には7連符も用いられており、
音源なども聴くとリズムを崩しがちに演奏しているものも多いのが事実ですが、とにかくまずはリズムを正確に、いうことでフラメンコのお話やスペインの指揮者がリズムに厳しかったなどの楽しいお話もありました。
また、この曲は情熱的で力強いイメージですが、力任せに演奏するのではなく、いかに力を抜いて演奏するかということや、ドルチェシモは指板寄りでソフトに演奏するのではなく、駒よりの音で演奏すること(語源であるイタリアの甘い食べ物も、
控えめではなく結構甘いというお話もありました)、そして生徒にはまずビブラートなしで練習させることを推奨いただく、など様々なことを楽しくご指導いただきました。
その他には、佐藤満先生を主体に2026年3月のグランドコンサートで演奏する楽曲の奏法統一や、チェロ科で進めている指導曲集の指導ポイントの取り纏めの続きを行なったり、初日の夜には山本先生を囲んでの懇親会も開かれ、大変充実した2日間となりました。
北海道・東北地区チェロ科指導者 山田慶一