アルフレッド・ミュージックが鈴木鎮一先生の貴重な演奏音源を
全世界に公開!

 
 速報です。鈴木鎮一先生のご命日に合わせた企画として、アメリカに本社のあるアルフレッド・ミュージックが、鈴木先生の残された音源の中で大変貴重な指導曲集第1巻〜第3巻の音源を、特設サイトからフリーでダウンロードできるようにしました。以下の画像をクリックすると、アルフレッド・ミュージックのサイトにリンクします。実際に音源のダウンロードができるようになるためには、会員登録が必要です。
 


 
 ここまでに至るには、長い歴史がありました。早野理事長からご説明いただきました。
 

― 1990年の契約から、歴史的な合意に至るまで ―

公益社団法人才能教育研究会 理事長 早野龍五

 
 このたび、鈴木鎮一先生自らが演奏された貴重な音源「レガシー・レコーディング(Legacy Recordings)」が、Alfred Musicの特設サイトにて、日本を含む全世界に向けて無料で公開されました。この無料公開が実現するまでには、30年以上にわたる権利の歴史と、近年の粘り強い交渉がありました。その舞台裏を少し紐解いてみたいと思います。
 

1990年の契約と、守られてきた「権利」
 

 事の始まりは1990年に遡ります。当時、鈴木鎮一先生は指導曲集や録音の権利を米国のワーナー・チャペル社に譲渡。これにより、配布権(Distribution Right)は「日本国外はAlfred Music社、日本国内は全音楽譜出版社」という形で二分されることになりました。
 
 このレガシー録音は、Alfred Music社のサイトでは長らく有料で販売されてきました。また、国内においても複雑な経緯があり、かつて才能教育研究会(TERI)が全音からこの音源の権利を買い戻したという歴史もあります。鈴木先生の音源は、それほどまでに貴重な「財産」として管理されてきたのです。
 

2023年 秋、日本での提案

 
 転機が訪れたのは2023年秋。日本で開催された国際スズキ・ティーチャートレーナー会議に合わせ、国際スズキ協会(ISA)の理事会が松本で行なわれました。当時ISAの理事長を務めていた私は、理事会にて一つの提案をしました。
 
 「鈴木先生が亡くなられてから長い年月が経ち、すでに著作権や演奏権の保護期間は実質的に終了しているはずだ。この音源を『コピーライト・フリー』とし、世界中のスズキファミリーが無料で使えるようにすべきではないか」
 
 この提案は理事会で真剣に受け止められ、Alfred Music社による具体的な検討が始まりました。
 

「日本を除く」から「全世界」へ

 
 昨年のISA理事会で、Alfred Music社から「公開の準備が整った」との報告がありました。しかし、そこには一つの条件が付いていました。「全音との契約関係があるため、日本だけは対象外とする」というものです。
 
 しかし、日本だけがこの恩恵に預かれないのは本意ではありません。そこからAlfred Music社、全音、そしてTERIの間で、日本国内での権利衝突をどう回避するか、集中的な協議が行なわれました。
 
 その結果、全音側から「日本のユーザーがAlfred Musicのサイトから直接ダウンロードすることに対し、異議を唱えない」という極めて前向きな回答をいただくことができました。これにより、ついに「日本を含む全世界での無料公開」という歴史的な合意に至ったのです。
 

鈴木先生の音を、次世代へ

 
 本日(2026年2月7日)より、日本の先生方、ご父兄、そして生徒さんたちも、Alfred Music社のサイトを通じて鈴木先生のオリジナルの演奏を自由に聴き、学ぶことができるようになりました。
 
 鈴木先生がその音に込めた精神が、デジタルという形を借りて、再び鮮やかに世界中へ広がっていく。今回の無料公開が、スズキ・メソードのさらなる発展と、子どもたちの輝かしい未来への一助となることを心より願っております。