国際TT会議に合わせて、才能教育会館で
国際スズキ協会(ISA)の理事会を開催しました。
早野龍五会長による報告

  
 松本で開催された国際ティーチャー・トレーナー(TT)会議に引き続き、10月16日(月)~18日(水)の3日間、才能教育会館会議室で、国際スズキ協会(International Suzuki Association: ISA)の理事会を開催しました。2019年にマドリードでのTT会議の後に開催したのを最後に、オンライン開催が続いていましたが、今回は4年ぶりに対面を主として開かれました。また、松本での開催は2015年以来のことです。
 
 ISAは、スズキ・メソードを世界に広め、「スズキ・メソード」などの名称を世界中で使用する権利を付与できる唯一の団体として、鈴木鎮一先生によって設立され、1983年に米国テキサス州で非営利法人登記され、現在に至ります。
 
 現在のISA理事会は、ISAを構成する5つの地域の代表各1名、すなわち、日本(TERI:早野)、南北アメリカ(SAA:Kay Collier McLaughlinさん)、ヨーロッパ(ESA:Anke van der Bijlさん)、アジア地域(ARSA:Lan Ku Chenさん)、汎パシフィック(PPSA:Margaret Cookeさん)、地域代表ではない特任理事4名(インドネシアのTherese Wirakesumaさん、アメリカのCarey Beth Hockettさん、フランスのChristophe Bossuatさん、スイスのMartin Rüttimannさん)、そして、CEOのAllen Liebさんで構成されています。今回は、SAAのMcLaughlinさん、PPSAのCookeさん以外のメンバーは、対面参加でした(写真をご覧ください)。

左手前から、ESA代表:Anke van der Bijlさん、フランスの特任理事Christophe Bossuatさん、インドネシアの特任理事Therese Wirakesumaさん、CEOのAllen Liebさん、テレビ画面左がアメリカの特任理事Kay Collier McLaughlinさん、画面右がニュージーランド特任理事のMargaret Cookeさん、スイスの特任理事Martin Rüttimannさん、TERI会長:早野龍五、アメリカの特任理事Carey Beth Hockettさん、ARSA代表:Lan Ku Chenさんの皆様


 
 理事会の議長(理事長)は、2年任期なのですが、松本でのTT会議開催を考慮した特例で、早野が3年目を務めています(2024年6月末まで)。そして、今回、多くのISA理事がTT会議にも参加し、スズキの国際指導者認証に向けての議論や、卒業制度についての議論を傍聴されたことは、非常に有意義でした。国際認証と卒業制度については、今後理事会でも引き続き、議題としていきます。
 
 また、日本ではあまり知られていないことですが、ISAの理事会は、ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロ、ピアノ、フルートに加え、リコーダー、コントラバス、ギター、オルガン、ハープ、トランペット、声楽をスズキ・メソードの楽器と認可し、指導曲集を(日本以外で)出版してきました。現在も、新たな楽器の認可を求める動きが世界各地から寄せられており、理事会の審議事項となっています。
 
 以下で、今回の理事会における、日本に関係する決議事項を二つご報告します。
 
 一つ目は、次のTT会議についてです。
 今回のTT会議の多くの参加者から、「次の会議も松本でやるべきだ」という声が寄せられました。これを受けて、ISA理事会で議論した結果、第4回のTT会議を2027年頃に松本で開催すること、(今回は日本の指導者の方々ががんばってくださったのですが)世界各地から組織委員会メンバーを出して、運営することを目指すことが決議されました。
 
 二つ目は、鈴木鎮一先生が鈴木静子先生の伴奏で録音されたヴァイオリン指導曲集1巻~3巻のCDについてです。以前から国内外の先生方が、この音源の入手を希望しておられ、今回のTT会議でも、それについてのご発言がありました(実は、現在、Alfred社が、それらの音源をオンライン販売しているのですが、本会が権利を有するものをAlfredが販売するに至った経緯は調査中です)。そこで、これらのCD音源をパブリック・ドメインとし、本会の公式サイトから、誰でも自由にダウンロードできるようにすることを私が提案し、理事全員の賛同を得ました。11月開催の本会の理事会で承認されれば、なるべく早期に公開したいと考えています。