☆国際スズキ協会(ISA)が東京大学との共同研究を紹介☆

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以下の内容が記述されています。
神経科学が「聴くことの力」を実証:
新たな研究がスズキ・メソードを浮き彫りに
スズキの指導者が長年信じてきた、「聴くことが深い音楽的理解の基盤である」という経験則を、新たな神経科学研究が裏付けた。東京大学が才能教育研究会(TERI)と共同で実施し、Cerebral Cortex誌に掲載された本研究は、スズキ・メソードの「まず聴く」というアプローチが、わずか1週間のトレーニング後でも脳活動と学習成果に測定可能な優位性をもたらすことを示している。
本研究では、中級レベルのピアノ学習者38名が、録音聴取(「聴取」条件)と音源なしの楽譜読譜(「読譜」条件)という二つの方法で、4つの未知の楽曲を学習する過程を追跡した。
特に複数の楽器の経験を持つスズキ・メソードで育った参加者は、テスト中の音楽の不一致を検出する能力において、他の参加者を大きく上回った。脳画像(fMRI)は、これらの結果に対する明確な神経科学的根拠を示した。
聴取条件では、左脳の特に言語と聴覚処理に関連する領域でより顕著な活動を示した。これと対照的に、楽譜条件では、両側性および右脳の活動に依存する傾向が強く、補助的な学習の負荷を示唆した。
おそらく最も興味深いのは、スズキ・メソードで育ったグループが聴覚機能と認知機能をより強く統合していた点だ。これは言語獲得で「読み書きを習う前に、聴くことから始める」という事実を反映している。
「脳科学を通じて、鈴木鎮一先生の直感が驚くほど正確だったことが確認されました」と、本研究の主任研究者である東京大学の酒井邦嘉先生は述べる。「音楽のフレーズと言語的な構造は、脳内の同じ領域で機能します。聴くことは、音楽と言語の両方を理解するための基盤を築くのです」
これらの知見は、多くのスズキ・メソードの特徴である「早期かつ多様な音楽体験」とも合致する。複数の楽器を習った生徒は、単に練習時間が長いからではなく、音楽体験の質と多様性によって、より柔軟で効果的に処理できることを示した。
世界中の学校制度で音楽や芸術教育が縮小されている中、本研究は感情豊かで聴くことを基盤とした学習を科学的に裏付ける知見である。音楽教育が自然な形で総合的にアプローチされるスズキ・メソードなどは、音楽技能だけでなく認知発達そのものを高められることを示唆している。研究チームはすでに第3段階の研究に着手している。
スズキ・メソードの指導者と家族にとって、メッセージは明確だ。