スズキ出身の世界的ヴァイオリニスト、ヒラリー・ハーンが
国際版のヴァイオリン科指導曲集第1〜3巻を新録音!
そのインタビュー記事を日本語訳でお届けします!

 
 スズキ・メソードで大切な、「お手本を聴く」習慣。お手本を繰り返し聴くことで、美しい音色、音楽性、そこに込められた心までも吸収し、意欲を持ってお稽古することができます。
 
 日本のヴァイオリン科指導曲集第1〜3巻には、ヴァイオリン科特別講師、江口有香先生のお手本CDが付属しています。また、江口先生の演奏と併せて、鈴木鎮一先生の CDを聴かれている方もいらっしゃることでしょう。
 

 2020年夏から、国際スズキ協会が発行する国際版のヴァイオリン科指導曲集第1〜3巻に、ヒラリー・ハーンのCDが付属しました。今回のマンスリースズキでは、これに関連するインタビュー記事を日本語訳でご紹介します。

  そのインタビューでは、ヒラリーはアメリカのスズキ・メソードで育ち、ヴァイオリニストになってからも世界でスズキに接する機会があることを、思いを込めて語っています。メソードの特長とともに、お手本を聴く習慣を続けた先に開ける世界を見せてくれています。
 
 今回の日本語訳を多くの方に読んでいただき、音楽あふれる環境で楽しく取り組んでいただければと思います。そして、上級生が様々な演奏に視野を広げ、自分の音楽性というものを養っていく際、同じ曲を異なる演奏家の録音で聴くことはその助けとなるかも知れません。
 
 日本語訳は、以下の先生方の連携で行なわれました。ありがとうございました。
・島野ロンダ先生(甲信地区ヴァイオリン科指導者)
・島野 賢様
・野口美緒先生(関東地区ヴァイオリン科指導者)
・飯塚大先生(北海道・東北地区ヴァイオリン科指導者)
 


 まずは、インタビューと記事の執筆をされたローリー・ナイルズさんをご紹介します。

 インタビュアー ローリー・ナイルズ
 
 私はViolinist.comという、ニュースや教育に関するウェブ・サイトを私自身が立ち上げ、1997年より運営管理しております。Northwestern UniversityとIndiana Universityで音楽とジャーナリズムの学位を取得しており、このサイトを通じて読者の皆様に、ヴァイオリンの演奏・指導法・楽器などの素晴らしさをお届けすることを目的としています。また "The Strad” 誌 と  “Strings” 誌にも定期的に寄稿しています。加えて、ヴァイオリン指導者でもあり、スズキの10巻すべての指導資格を持ち、25年以上の指導経験がございます。現在も15人ほど、個人レッスンの生徒に教えています。
 
 ヒラリーとはこれまで何度もインタビューを重ねてきました。一番初めは2007年で、彼女の方からの依頼でした(ヒラリーの広報担当マネージャーから、もし興味があるならと電話をいただいたのですが、興奮のあまり倒れそうになりました!)。
 
 2014年に最初の本を出版した時には、ヒラリーが前書きを書いてくれました。"Violinist.com Interviews, Volume 1"という本で、こちらのリンクからアマゾンで入手可能です。 
 
 →ヒラリーへの過去のインタビュー記事も、お読みいただけます。

 
さて、そのインタビューをご紹介します。この画像をクリックすると、ヒラリー・ハーンのインタビュー記事原文を読むことができます。
  

October 29, 2020, 12:10 AM 

画像をクリックで原文が読めます

ヒラリーハーン  インタビュー 
スズキ・メソード 指導曲集1~3巻の録音と1年間の休暇を経て

 
 ヴァイオリン界のスーパースター、ヒラリー・ハーンの素晴らしいヴァイオリン人生は、4歳になる少し前、ボルティモアにあるPeabody Instituteのスズキ・プログラムで、土曜日のグループ・レッスンに通う生徒として幕を開けた。
 
 「それは私にとって、とても可能性に満ちたところでしたし、誰にとっても楽器を始めるのに良い方法だと思います」。そうヒラリーが私に語ったのは、先週のー彼女が、演奏からの1年間のサバティカル(研究休暇)を抜けてから最初のーインタビューだった。
 
 その休暇期間中に、ヒラリーの新録音であるスズキ指導曲集1、2、3巻のお手本演奏が、アルフレッド・ミュージックから7月にリリースされた。それは、私も25年以上指導者として所属しているグループ、スズキ・コミュニティにまさに大興奮で迎えられた。この新録音では、長年の共演者であるピアニスト、ナタリー・シュウとともに演奏しており、スズキの生徒であろうとなかろうと心地よく聴くことができるものとなっている(リンクから入手可能。このページの一番下でご案内しています)。
 
 「グループ・レッスンのこと、スズキ・メソードのこと、土曜日のグループ・クラスにPeabody Preparatoryに通っていた子どもの頃のことなど、思い出すと感慨深いです」とヒラリーは言った。それだけでなく、ソリストとして旅する中で、彼女は何度もスズキと遭遇している。かつてスウェーデンで演奏していた時、「あるスズキのグループが、車で何時間もかけてコンサートに来てくれたのです。コンサート前に、彼ら全員が私のために演奏してくれたのですが、親御さんたちもサポート・オーケストラとしていろいろな楽器を使って共演してくださいました。それがとても素敵で。そうして世界中でスズキの教育の実例を見てきましたし、さまざまな社会の中で、いかに文化的に適応しているのかも見てきました。スズキはとても興味深くて、美しくて、グローバルなメソードであるなと感じたので、また関わっていきたいと、強く思ったのです」
 
 指導曲集第1~3巻の録音に招かれたことは、彼女がこのコミュニティと再びつながるさらなるチャンスとなった。「私は今でも自分がヴァイオリンを始めた頃に弾いたこれらの作品が大好きです - ですからたくさんの愛情を込めて録音しました」
 
 彼女はまた、生徒とその家族の人生において大切な部分を占めることとなる録音作りをすることを、光栄にも感じている。「子どもの頃、日々の習慣としてお手本を聴くのがどんな感じだったか覚えています。私の場合、寝る前、眠りにつきながら、あるいは車の中で、家の中で、音楽を聴く習慣が始まりました。これらの録音を聴いてくれるすべての人のことを想像して、彼らの習慣の一部となれることにとても感動しました」
 
 これらの録音の目的は何であろうか? お手本を聴くこということは、鈴木鎮一(1898-1998)がその「母語」教育法を楽器習得に応用する上で、きわめて重要な部分を成している。すべての子どもが母語を話せるようになるのは、母語に満ちた環境に浸っているからこそである、という考えから、鈴木は、生徒たちがこれから学ぶ音楽に浸るように望んだ。それはつまり、その曲を繰り返し聴くということである -したがって「スズキの録音」は、音楽に満ちた家庭環境を育むために作られた。
 
 録音を聴くというこの習慣は、ヒラリーにも幼い頃から残っている。彼女が公演に向けて曲を練習する際には、今でも準備行程の重要な一部分として続いているのだ。
 
 「私が今まで演奏したことのない曲に取り組む時に、よく一番最初にすることは音源を聴くことです」とヒラリーは言った。 「作品の全体像を感じ取って、それを受身のリスナー側として体験することで、演じるパフォーマー側として観客に何を提供したら良いのかが理解できます。それから、作品を学びながら注意深く聴きます 」
 
 「面白いのは、新曲を弾く時、参考音源が欲しくなってしまうことです」とヒラリーは語った。「だから、自分のために書かれた新曲を演奏する時には、自分で自分のリスニングガイドを作ります。自分の練習を録音して、聴き返すのです」。こうした録音を自分で作ることで、解釈、フレージング、テンポに関するアイデアを試すことができる。 「弾いている間は全部聴けないので、単に繰り返し弾くかわりに、通し稽古を録音して、夕食を作っている時とか何か別のことをしている時に聴くのです。ただ耳に入れていって、リスナーとして次に何がくるかわかるようにしていくわけですね。この聴く練習が、曲を自分の体に取り込むのにベストな方法です」
 
 ヒラリーとナタリーは、2019年7月にインディアナポリスのアルフレッドスタジオでスズキの教材を録音した。
 
 何年にもわたり、国際スズキ協会では、教材の曲がどのように演奏されたらいいか、厳しく規定されてきた。だから私は、ヒラリーが様々なタイプの口煩く気難しい先生たちの前で録音しなければならないだろうと想像していた。
 
 「確かにおっしゃる通り、スズキの世界には大きな委員会がありますよね」とヒラリーは笑いながら言った。「委員だらけの部屋で録音することになるかと思った!」
 
 長年ニューヨークを拠点としてスズキのヴァイオリン科指導者をしてきたアレン・リーブが、あらゆる質問に答えるため、委員会を代表して、その場にいた。リーブは国際スズキ協会の会長でもある。
 
 「録音していく中でたくさんの質問をしました」とヒラリー。 「私は時々、様々なことを試してみては、 『アレン、これは生徒さんたちにとってうまくいくと思う?』と尋ねました。すると彼は、『ええと、素晴らしかったです...』と - 常にポジティブで、録音の際にネガティブなフィードバックを受け取ることはありませんでした。それはまるでメソードで指導を受けながら録音をしているかのようだったのです。それも非常に啓発的でした。彼は、『素晴らしかったです!でも私たちの生徒にとっては…私たちはキラキラ星のすべての変奏を通して、テンポが守れるようにしたいと思っています。ですから、もし可能で差し支えなければ、拍ごとにきっちりとしたテンポを目指していただけたら私たちはとても嬉しいです』。そのような声かけの仕方で、とても有益でした」
 
 ヒラリーはまた、これだけの年数を経ても、スズキの慣例の多くがまだ自分の中に残っていることに気づいていた。
 
 「『何故だかはわからないけど、この音を長めに弾かなくてはいけない気がする...』みたいな場所がいくつかありました。するとアレンが『その通りです!』と言うのです。むかし聴いていたお手本のタイミングは、5歳の時から私に相当深く根付いていたので、どこで時間をかけるべきかを無意識に覚えていたんですね」
 
 指導曲集の順に録音していく中で、彼女は曲が進むにつれて新しい演奏要素を追加していった。 「第1巻の後半からビブラートを、将来の目標だったり、その価値に気づいてもらえるように少し追加しました。それから、いろいろなアーティキュレーション、いろいろなフレージングも導入していきました。第3巻が終わる頃にはもっと自由に演奏していましたね。それと、私のお気に入りの曲のいくつかにまた巡り会えたのは嬉しかったですね。小さい頃に、いつか学ぶのを楽しみにしていた曲でしたし」
 
 それは何だったのだろうか?
 

 「ブラームスのワルツとドヴォルザークのユーモレスクは、子どもの頃、私が何度も聴いて、大好きだった2曲です」とヒラリーは言った。 「それから、バッハのアレンジを演奏するのも面白かったです。無伴奏で演奏するのとピアノ伴奏で弾くのでは違うので」

 ピアノとヴァイオリンのトラックを別々に作るために、ヒラリーとピアニストのナタリー・シュウは別々の部屋で録音した。 「私はナタリーの音を聴くためにヘッドホンをつけて、彼女は私の音を聴くためにヘッドホンをつけていました。窓越しに彼女を見ることはできましたが、私たちは多分30フィートくらい離れていて、見えたのは顔だけだったのです」。そのため、ヒラリーは彼女と以前から頻繁に共演していたことを感謝していた。 「二人で何年も一緒に、本当にいろいろな場所で演奏してきましたので、私がやろうとしていることを彼女はわかるし、逆もそうなので、今回一緒にできて本当に良かったです」
 
 それで、ヒラリーはスズキについて何か新しいことを学んだのだろうか? 彼女が言うには、ある意味で「メソードがどのように組み立てられているかについての短期集中講座」のようなものだったと話す。
 
 「生徒の学習の軌跡というものを考えると、とっても興味深かったです。スズキでは早い段階から、今すぐには使わないかもしれないこともいくつか学ばないといけませんが、それが後で学ぶ内容への準備を整えてくれるのです」とヒラリーは言った。 「まずイ長調の音から習い始めますね – キラキラ星はイ長調の音階の短縮版のようなものです。そしてキラキラ星変奏曲で、これから先必要となるほとんどのリズムを学びます」。6種類の異なるリズムで構成されたキラキラ星変奏曲は、弓のテクニックの基礎を作るのに役立つ。 「三連符では、すべての拍がダウンの弓にならないことを学びます – でも、こうしたことはすべて、勉強しているという意識はありません。シンコペーションも学べます。バリエーションごとに単語が当てはめられていて、スズキのグループごとに独自の単語を持っているかもしれません - - そんなふうに自分に合ったものにしていけるのです」
 
 「素晴らしいのが、早い段階で知らないうちに植え付けられたすべての種が、後になって成長することです」と彼女は言った。
 
 私は、キラキラ星の最初のバリエーションにバッハのドッペルコンチェルトの冒頭のリズムが使用されていることを指摘した。これは鈴木鎮一が生徒のために、その目標を念頭に置いて特別に計画したものだった。
 
 「まさに、そういうことを言っているのです!」ヒラリーは言った。 「 『タカ・タカ・ストップ・ストップ』を弾いている時…まあ私の時には 『Johnny Had a Hot Dog』 と呼んでいましたけど…それを弾いているとき、それ以外の何かであるとは思いもしません。でもその後、たくさんの曲を経てから気づくんですよ。 「え?最初の曲でそれ習ってたの?」
 
 「ほかにもとても感銘を受けたのが、鈴木先生がその当時ご存知だった作品の中から、このように段階的に成長していけるような曲を選んでまとめあげられている、ということです」とヒラリーは語った。 「本当の習いはじめのところから、昔の作曲家たちの曲を弾いていって、興味があれば、彼らの音楽を調べたりもできますしね。もちろん、すべての音楽を網羅しているわけではありません - 彼が知っていた、彼の時代に文化的に主要な音楽とされていたものですから、提示されているものはある範囲内の音楽ですけれど」
 
 「スズキ・メソードのことを考える時、人はその『ルール』みたいなものを考えますけど、実際にはたくさんのことをその人に合わせて工夫できるような構造になっています」とヒラリーは語った。 「先生方がアイデアを求めて連携を取って、あらゆる年齢の生徒さんたちと向き合っていることにとても感銘を受けています」
 
そして、メソードでは指導者だけでなく、親のサポートも呼びこみ、生徒-指導者-親の「トライアングル」を形成する。 「『トライアングル』の3人目として、親を練習のコーチ役として含むというのは、とても有益ですね。そのことで、この3者が支え合って、一緒にこの体験をしていくことができますから」と彼女は言った。 「家族への要求も多いですし、その時間を作るのも大変なことです。でも、スズキに関わっている家族は、全員が関わるようになります。もう一家総出の共同作業です!先生はスズキ・メソードと家族を繋ぐ存在となります。スズキ・メソードのティーチャートレーニングを受けたことも、指導者であるわけでもありませんが、これが私なりに見たスズキです。でも、いろいろな角度、いろいろな場所、いろいろな経験から、ずっと現状観察は重ねてきました」
 
 2019年9月1日からの1年に及ぶ休暇が始まる数ヵ月前に、ヒラリーはスズキの録音を作成した。さてそのサバティカルも終了し、次は何だろうか?
 
 「まあ、それはいい質問ですね! 実際のところ、このシーズンがどうなるのか、私にもわからないのです」とヒラリーは言った。 「演奏活動を停止した時とは100%違って見える世界に戻ってくるのは、変な感じだと言えます。2019年9月の段階ではこの先に巻き起こることの見当がつかなくて、今になってやっと、キャンセルとか、スケジュールの変更とかの感情的な影響を経験しています -人々が不運にも3月から慣れてきたことに、私は今になって対処し始めているのです」
 
 3月に話を戻すと、ヒラリーはしばらくの間、観客の一人として過ごしていた。「パンデミックが始まる前までは、ほぼ毎週、観客としてイベントに参加していました。でもすべてがストップしてしまったので、観客としてのライブ芸術の喪失というのを、まず最初に体験しました」
 
 休暇のはじめの頃、彼女は「過去10年間に起こったすべてのことをゆっくりと振り返っていました」と言った。「前にサバティカルを取ったのは今回の10年前で、半年間でした」。今回は小さな子どもたちもいて、もう少し長く必要かもしれないと彼女は決意した。 「1年間あることによって、何も周りに左右されない状態で、いろいろな職域の中で自分に何が適しているのかがわかりました。自分のためだけに動くことになったら、どういう風に仕事をするのかとか」
 
 1月、彼女は講習をいくつか受講し始めた - そして、それらは3月にはキャンセルされた。人生の「設計」が本当に変化し始めるのはそのような時だ。誰も予想できなかったように。
 
 「フラストレーションが溜まりましたよ、サバティカルのために予定していたカリキュラムがいくつかあったわけですから」と彼女は笑いながら言った。 「でも興味深かったですね、自分が一日をどう構成しているかとか、人生をどう生きるかとか、子どもたちが学校に行ったり、世話したり、仕事したり、家庭生活を築くために構築していたすべての人生設計を変更せざるを得なくなったこの過程は – それは、自分が知っているはず、と思っていることへの大いなる挑戦。人生を考えることはサバティカルの目的でしたけど、私が予測しえない形で起こりました」
 
 「この事は私に考える機会を与えてくれました」と彼女は言った。 「3月以来、世界でほかに大きなことが起きている中で、芸術の目的と、存在意義についてたくさん考えてきました。どうしたら聴けなくなったものが聴けるようになるのか。そしてコンサートが行なわれない時にどうしたら、無償で働いてくださいなんてお願いすることなく、アートの形態に人々が関われるようにできるのかとか? 多くの人が働くことができなかった時期に、芸術の無償提供も数多く見てきましたし、深く考えさせられますね。芸術の世界は芸術家にあるべき形で提供できているのか? あるべき形で提供できた場合、どのような形になるのか? 4月になるとすぐに、それが私のサバティカルの主眼点になりました。他はすべて横に置いておいて考えました 。私たちがもっと事をうまく運べば、どのような形になるものか? 社会の中で芸術が取り得る位置について自分がどう感じているかと、自分自身の芸術に対する価値観について、多くを学びました」
 
 そして、ヒラリーの今後は?
 
 彼女は演奏家として、キャンセルの影響と、芸術的つながりの減少を感じている一方で、これまで探求していなかったアイデアやフォーマットも検討しているとのこと。例えば自宅でビデオを制作したり、ゲストアーティストとしてオンラインレッスンをしたりなど。
 
 「ビデオで初演できるソロ・レパートリーとか、また演奏できるようになった時に少人数で演奏できる曲を委託しているところです」と彼女は言った。
 
 予定されているコンサートのどれが行なわれるかは予測不能ではあるが、彼女は可能なコンサートはすべて演奏するつもりで、「できないコンサートは、他の方法でやります」と、延期または新しい方法で実施するとのこと。「そして、何年にもわたって得た知識と、今完成しつつあるパンデミックの前から始めたプロジェクトから、みなさまに私の新しい探究の成果をお見せできると思います」
 
 近々、彼女は Orange County フィルハーモニー協会の Virtual Artist-in-Residence (コンサート配信)でいくつかのコンサートに出演し、11月14日の公演のために依頼されたモーツァルトの協奏曲第5番の新しいカデンツァを披露する。「作曲家として初めての委託なので、とてもワクワクしてます!」彼女は言った。
 
 ヒラリーの今後を知りたいなら、彼女のSNSをチェックして欲しいとのこと(彼女はInstagram、Facebook、YouTube、Twitterで非常に活発に発信している)。「決定した活動の告知をそこでしています。何か大きなことがあれば、みなさんにお知らせますね。エキサイティングな1年にしていくつもりですが、皆さんが経験していることに合わせて調整していくつもりでもいます。ですので、その道を進みながら、私たち全員が直面しているこの新しい状況の中で、私が長い間考えてきたプロジェクトを取り入れることができて本当にうれしいです」
 
 「この時期にでも学ぶ方法はいくつもあります」とヒラリー。「より大きな目的を目指していれば、あるいはその目的につながる新しいパターンを探していれば - 1日5分以内でもいいのです - それを目指していることによって希望が持てて、現状を越えて考えたり、新しいことを学ぶときのフラストレーションを越えたりしていけるのです」

国際版ヴァイオリン科指導曲集は、出版元のAlfred Musicの公式サイトに詳しく紹介されています。また、そのサイトから、ヒラリーの録音をAmazonやiTunesのサイトを通してダウンロードが可能です。
→Alfred Music