名古屋の徳川美術館で、10月8日(木)~12月13日(日)、鈴木鎮一先生の後見人でもあった徳川義親(よしちか)侯爵をフィーチャーした企画展「旅する侯爵 徳川義親」展が開催されます。マンスリースズキでは、かつて季刊誌に鈴木先生と義親侯爵との手紙のやり取りについて、徳川美術館の香山里絵さまに丸2年間、連載記事をお願いした経緯がありました。その香山様から、今回特別にこの企画展の内容について、ご案内いただきます。
鈴木鎮一先生が歩んだ旅を訪ねてー「旅する侯爵 徳川義親」展
尾張徳川家・香山里絵
2026年は、尾張徳川家19代当主・侯爵徳川義親の生誕140年、没後50年にあたります。これを記念して。徳川美術館と名古屋市蓬左文庫では、企画展「旅する侯爵 徳川義親」を開催いたします。
義親は探検家に憧れ、旺盛な知的探求心をもって国内外を旅した人物でした。大正7年(1918)の北千島紀行は、東京帝国大学理科大学で植物学を学び、その年に徳川生物学研究所を開設した義親の学術的関心を象徴する旅でもありました。この北千島への旅には、知人の紹介によって若き日の鈴木鎮一先生も参加しています。この経験を通して、二人は深い信頼関係を築き、その後、鎮一は徳川邸に寄留し、大正10年(1921)にはヨーロッパ旅行にも同行することとなりました。
本展では、北千島紀行をはじめ、ヨーロッパへの旅にも焦点を当て、その足跡を豊富な資料とともにご紹介します。展示には、若き日の鈴木鎮一先生の姿も随所に登場します。また、義親が帰国する北野丸にはアインシュタインも乗船しており、約40日間を同じ船中で過ごしました。ノーベル物理学賞受賞の知らせが船内にもたらされたという逸話も、当時の旅を彩る興味深いエピソードです。
かつて季刊誌『SUZUKI METHOD』189号~196号(2014年9月~2016年10月)では、徳川義親侯爵宛の鈴木鎮一先生の書簡をご紹介いたしました(編集部註:この記事の最後に当時の連載記事があります)。本展では、その交流の背景となった「旅」の実像をご覧いただくことができます。
若き日の鈴木鎮一先生が歩んだ旅路を、徳川義親との交流とともにたどることのできる貴重な機会です。ぜひ名古屋へお運びいただき、お二人がともに見た世界に思いをはせていただければ幸いです。
企画展 生誕140年 没後50年記念「旅する侯爵 徳川義親」
会 期 令和8年(2026)10月8日(木)~12月13日(日)月曜休館
会 場 名古屋市蓬左文庫展示室1・2
開館時間 午前10時~午後5時(入館は午後4時30分まで)
主 催 徳川美術館・名古屋市蓬左文庫
共 催 NHK名古屋放送局・中日新聞社・日本経済新聞社
観覧料 一般2,000円、高・大学生1,200円、小・中学生以下無料(徳川美術館との共通料金)
同時開催 特別展「ときめく箱」(10月8日~11月15日、徳川美術館本館展示室)
季刊誌『SUZUKI METHOD』189号より